ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 Kids meet Jazz!

 土曜日に品川のきゅりあん大ホールにて「Kids meet Jazz!」ライブに行ってきました。
 大ホールというだけあって、思っていたよりもずっと大きなところでしたが、入場の時、子どもの数が半端なくて最初少々びっくりしました。
 なんとなくイメージでは子どもとは言っても7〜8歳くらいの子たちが多いのかなぁと思いきや、乳飲み子もたくさんいたし、3〜4歳くらいの子たちもとってもたくさん。若いおとうさんとおかあさん、幼児と赤ちゃんという組み合わせがとってもいっぱい来てました。
 もちろんわたしたちみたいに大人同士のグループや男の人が一人とかで参加させている方もたくさんいらっしゃいましたが、みなさんかなりそのにぎやかさにビビったのではないかしら(笑)
 このライブは出演者に名を連ねていらっしゃる方がとっても豪華で、E☆Eでお馴染みのCHAKAさんがメインボーカリスト、ゲストにアコースティックギター押尾コータローさんとアコーディオニストのcobaさん。
 びっくりするほどすごいメンバーですが、チケットはたったの3000円!!なんてお得なんでしょう!!と即効食いつきました(笑)
 プログラムは「聖者の行進」や「L-O-V-E」「小さな世界〜星に願いを」、「ドレミの歌」「線路は続くよどこまでも」といった小さい子供でも知っているような曲がほとんどで、それにゲストの演奏が途中で入ります。
 スペシャルゲストさん以外のメンバーの中に、タップダンスの宇川彩子さんという方がいらして、アンサンブルの中でこの方がどんな風に絡むのだろうと興味津々だったのですが、司会をなさったり、Kidsも喜びそうな曲の中で小粋にステップを踏んだり、かと思うとびっくりするほど激しく情熱的なステップでゲストミュージシャンとバトったり、それはそれはカッコよくて痺れました(笑)
 パンフレットによれば、宇川さんは

タップダンサーという名のジャズミュージシャン、“Jazz Tap Dancer”としてライブ活動を行う

のだそうですが、なるほど〜聞いているうちに、タップもリズム楽器なんだなぁとちょっと納得しました。とっても素敵で心に残りました。
 CHAKAさんの歌声は久しぶりに聴きましたが、よく通る声でキュートです。表情豊かで若々しくて、とっても魅力的でした。
 他にはトランペットとピアノとサックスとベース、それからサックスという構成でジャズが演奏されました。
 ちょっと残念だったのはこの楽器構成でこの子どもが圧倒的に多いオーディエンスだと、ちょっとホールが広すぎるかもと思ったこと。
 わたしたちがいたところは会場の半分よりちょっと後ろ目だったのですが、知っているメロディーからジャズのフリーセッションに切り替わると、子どもたちのざわざわが勝ってしまい、演奏が遠のいてしまうような錯覚にとらわれました。
 もうちょっと小さいところで、生音が身体に響き渡るくらいのホールだったら、もっともっと子どもたちの心に響いたのでは?!と思ったので、その部分では演奏者の方々が気の毒なようにも思いました。
 2部の最初では、トランペットの方が客席後方から現れて、客席の間を通りながら演奏してくださったのですが、初めて触れた生音に目をまんまるにしている子どもたちがたくさんいて微笑ましかったです。このくらいの距離感だと、子どもたちが夢中になれるのかも。
 というわけでこのホールの大きさでは、よりインパクトが大きく感じるゲストのcobaさんや押尾さんの方が有利だったかもです。
 cobaさんは想像していた方と全然イメージが違っていて、とっても「オトコ」な方でした(笑)
 ゲストの皆さんはそれぞれ自分のコーナーではおしゃべりしながら演奏もなさるのですが、「自由でいい」とか「音楽に乗るもよし、聞くもよし、君ら、勝手にしなさい!!」なんて校長先生みたいにおっしゃったかと思えば、おしゃべりをしているのに、あまりにも子どもが騒がしくて、それまでは「それもよし」みたいに鷹揚におっしゃっていたのに、唐突に「うるっせーなー」と感情のとってもこもったひと言を投げられたり(笑)
 その辺りはわたしたちも同感なくらい途方もなく騒がしかったので、思わず「本音だーっ!言えてる〜っ!!」とくすくす。
 小さい子もOKなライブなのだからある程度は仕方ないですが、せっかくこういう機会があって、小さい子連れでも楽しんでいいよ〜と銘打ってあるのですから、聴き手側ももうちょっと自分の子どもが大騒ぎしすぎたらほっておかずに注意するとか、赤ちゃんが泣いたらとりあえずその間だけでも外に出るとか、そこに居合わせたみんなが気持ちよく音楽を楽しめるような配慮は必要なんじゃないかとも思いました。
 そもそも音楽会はなかなか子ども連れOKにはならないし、楽しみ方を勉強する上でもこんなにいい機会は滅多にないと思うのです。
 せっかくものすごく音楽に集中して楽しそうにしている子たちもたくさんいただけに、そんなところはちょっと残念でした。
 わたしたちの真後ろには外国人の奥さんがいて、その方が抱っこしていた赤ちゃんはしばらくぐずっていたかと思ったら急に静かになって、あれっ!?と振り向いたら暑かったのか、パンツ一枚だけという姿でママの胸にぴったりと寄せてすやすや眠ってました。そんな光景にもびっくりしたり和んだり(笑)
 とはいえ、楽しい演奏が始まると空気は一転して、音楽に合わせて踊りだしてしちゃうおチビさんたちや、手拍子を打ったり、にこやかに身体を揺する子がいたりして、そのストレートで素直な反応にキュンとした場面もたくさんありました。
 わたし自身普段から「子どもたちの音楽的ファーストコンタクトをいかに素敵なものにするか」ということをいっぱい考えて仕事をしているので、とてもいい光景を見て、様々なヒントを得たような気もしました。
 cobaさんのアコーディオンの音は、とても力強くてドラマチックで情熱的なのですが、繊細でもあって、一気に虜になりました。
 確か「ビロードの闇」ではKinKiさんたちとも共演されていたと記憶しているのですが、KinKiさんとcobaさんはお話をされたのでしょうか!?
 一方の押尾さんは、関西弁のやわらかな口調でニコニコと出て来られて、子どもたちも思わず夢中になって静かになるような面白いパフォーマンスをたくさん見せてくださいました。
 たとえば「アタックNo.1」の「だって涙が出ちゃう。女の子だもん」のせりふをギターで表現するとしたら!?…なんて技をとってもとってもおもしろおかしく見せてくださり、ちゃんとギターの音なのに声に聞こえてオトナも子どもも「ほぉ〜っ!!」となったり。
 それを男性の声にしてみると…なんてアレンジをしてくださって笑わせたり。
 またゲームのマリオの音を再現してくださったり、津軽三味線の音をギターで表現したり…そんな遊びを昔からたくさんギターでされてきたそうなのですが、子どもたちにとってもそれはそれはおもしろかったのでしょう。目を輝かせて身を乗り出して聴いてました。 
 その後の演奏もそれはそれは素敵で、あまりのカッコ良さに会場の大人も子どもも釘付けにしてました。
 押尾さんとcobaさんが一緒に演奏されたり、それぞれ宇川さんのタップと共演なさるコーナーもあったのですが、見ごたえがあってそれはそれは盛り上がりました。
 CHAKAさんのライブは、今度はライブハウスで大人の時間に見てみたいです。
 できたらコチ・ヂャンがいいなあと思っています。
(ご一緒に演奏なさっているベースのコモブチキイチロウ氏は玉置さんのコンサートでもおなじみな方で、この方の音も大好きなのです。)
 今回見てきたきゅりあんでの「Kids meet Jazz」のライブの模様は、7月12日の東京FM「Belista presents Kids Meet Jazz」(19:00〜19:54)という番組の中で聴くことができるのだそうです。
 ご興味がある方はぜひ。