ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 県庁の星

 だいぶ前に録画したものの、忙しくて見れなかったのですが、やっと見ることができました。
 この映画は原作を読んだこともあってとても気になっていたのですが、見に行こうかなと思った時にはすでに終わっていたのでした。それに映画の予告を見た時に、設定が原作とは全然違うということがひと目であきらかだったので、がっかりするのはイヤだなあという気持ちもありました。ちなみにわたしが原作を読んだ時の感想はこれです。
さて、そんなこんなで期待半分、不安半分で見たわけですが、結果的にはこれはこれとして、とても面白かったです。どうしても原作が頭に残っているので、「ここはちょっと」と思うところもありましたが、印象的なエピソードを上手にピックアップして散漫にならずにうまくまとめてありました。
 設定が多少変わろうが、ひとりの人間と組織、公務員と一般の会社員など、異なる立場、異なる考え方の図式は変わらず、違うものがぶつかりあって新しくて画期的な考え方や成果を生み出していくという物語の核の部分はやっぱりステキです。
 どうしても今自分のいる場所が長くなればなるほど、ひとつの価値観に縛られがんじがらめになるけれど、井の中の蛙ではいたくないし、いくつになっても新しいものを受け入れられる懐の深さとか、柔軟性がほしいよね・・・なんて思いつつとっても楽しく見ました。
 「こうなったからには、この場所はもうダメ!」とか「絶対にムリ!」とか「どうせ変わりっこない!」とか。最近は大人だけじゃなくて、子どもたちにもこういう空気が充満していて、哀しいことだと思います。特に未来ある子どもたちにはたとえ夢物語であろうとも、成功イメージや温かいものを信じる空気が必要ではないかと思うのです。悲惨なものを見せるなとか、ほめることだけをして育てろとか、先回りして苦労を回避しろなんてことは全然思わないのですが、子どもたちに対しては、それらと同じくらいポジティブで明るい未来の可能性を繰り返し提示してあげたいと思うのです。
 「人はいつからだって変われる。」とか「ちょっとだけ見方を変えれば、必ず新しい未来が開ける。」とか「あきらめる前に、もうちょっとだけ我慢して考えてみよう!」とか、面と向かってただ言われたら反発したくなるような様々なポジティブなメッセージを、画面から嫌味なくもらったような気がして、つかの間(ここがそもそもダメダメ、笑)やる気満々になったわたしでした。