ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 「私の敵はわたしです。」

 タイトルは少し前に触れたマッキーのアルバム「Listen To The Music 2」の中の「ファイト!」の中の一節です。相変わらず、聞き込んでいます。
 ところで「1リットルの涙」を見るかどうかずっと悩んでいたのですが、やっぱり見れませんでした。本屋さんでこのドラマの原作本をめくってからというもの、未だにひきずっています。
 病気の種類は違うけれど、同じように治療法が見つかっていない、進行も考えなくてはならない難病を持つ子がいる我が家にあって、この番組をどうしても冷静に見ることができそうにもありません。急に「実はわたし、明日が怖い??」と気がついて恐怖に襲われてしまったのです。
 それにしても、見る前から脱落とは情けない。「がんばるぞ〜」と明日に向かう意欲をもらえる素敵なドラマかもしれないのに。薬師丸さん、錦戸くん、藤木くんなど、好きな俳優さんもいっぱい出るドラマだというのに。このドラマに理解や共感を持って見れるはずの、とても近い距離にいながら、見もせずに拒否してしまう弱い自分がとてもとてもいやでしたが、仕方ない。無理をするのはやめよう・・・ということで、ぎりぎりまで迷ったのですが、結局見ませんでした。このドラマを「いいドラマだよ」と言っていたお友達諸氏。私のかわりに見届けてくださいね。
 結局わたしが怖がっているのは、我が家の置かれている未来そのものにではなくて、自分の心の中にあるネガティブな想像力にではないかと思うことがあります。常日頃「怖がってはいけない」「怖がることはないよ」と自分にまわりに言っているわたしですが、実は「わたしが怖がっているのは、『わたしの心』そのものではないか?」と思ったりします。そして「怖い」ことをきちんと「怖い」と認められない自分が、実は一番弱いのかもしれないと思い知らされるのです。
 そんなとき、「Love Fighter」でつよしさんが弱音を吐いていたりすると、すうっと肩の力が抜けたりします。「なにをそんなに必死になってんの。弱くったっていいんだよ」と教えてくれる気がします。弱さをさらけだす彼を臆病だとも、嫌だとも思わないわたしに気がついて、ホッとしたりします。
 マッキーがやさしいけれど決然とした声で「わたしの敵はわたしです。」と歌います。同じ歌を、福山くんは明るく力強く「ファイト!」と歌います。オリジナルの中島みゆきさんは、どんな風に歌っていたっけ?あの時に持っていたカセットテープはどこかにあるかしらん?今聞いたら、違う風に聞こえるのかしら?と彼女の声に思いを馳せます。
「私の敵はわたしです。」・・・・「そうなの、実にそうなの」思わずMDコンポに向かってうなずいたりするわたしがいます。