ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

たんすの上置き大騒動のてんまつ

今日はベットが3台入る日でした。今までふたり一緒だった子供部屋を分けたため、ところてん式に押し出されて仕方なく今までパソコン部屋だったところにわたしたちが追い出されたわけですが、今までの部屋に置けていた婚礼ダンスが全部は入らないことがわかって、ほとんどはクローゼットに押し込んだものの、洋服ダンスの上置きがどうしてもどこにも入らないのです。考えた末に処分を決めたところまでは順調だったのですが(決めたのは2月以上前のこと)、この処分がもう大変!金銭的にも精神的にもボロボロになるほど大問題に発展したのです。
一つ目の問題はこの箪笥には小さな金庫が入っていてものすごい重さで、処分しようにも2階から自分たちで下ろすことができないのです。専門業者に見積もってもらったら、下ろして処分してもらうのに2万5千円かかると言われ、とても驚きました。クレーンで2階の窓から下ろすしかないと言うのです。
二つ目に、この婚礼箪笥は両親に買ってもらったので事後承諾では悪いと思い「捨てるよ」と報告したのが大失敗で、両親とも思いっきり気を悪くしてしまいました。置く場所がないと言ったのが捨てたいがための言い訳だと思ったらしく、両親をとても傷つけてしまったのです。(後から場所を見たら納得していましたが)
そのあと処分に数万かかる話をしたらまた激怒「もったいない!捨てるつもりの箪笥なら自分で叩き壊して下ろしなさいよ」とものすごい勢いで言われた時にはどうしようかと思いました。散々使ったものを叩き壊すなんてそんなの私があまりに悲しくていやだし、だいたい婚礼箪笥なんだからそんなにやわではありません。
やっと母に納得してもらって業者にゴーサインを出したら、今度は隣のおばちゃんから待ったがかかったのです。「婚礼箪笥を捨てるなんてもってのほか」と母と同じことを言われ、今の若い人は何を考えてるんだか?と散々あきれられたあと「捨てるくらいならわたしがほしい」とおっしゃるのです。
壊すという事にすでに罪悪感を感じ始めていたわたしは、壊さなくてすむのならこんなにいいことはないと二つ返事でOKしたのですが「お宅のお嬢さんが嫁に行ったら箪笥はあんたの家に帰すからね、それが筋(すじ)だし、わたしがお母様から預かるという気持ちでいますから」と帰り際におっしゃり、絶句させられることになるのです。(また、この箪笥はうちに帰って来るの?)しかもそう言われてしまったら、箪笥をおばちゃんの家に運ぶ代金も払ってもらうわけにはいかないではありませんか?
というわけで、半ばやけくそになりながら業者さんに箪笥を下ろして隣に運ぶ算段をして見積もりを取ったところ、我が家の2階から隣の2階へ運ぶのに5万円かかると言うのです。
ここで、さすがのわたしも正直言って頭を抱えてしまいました。5万払って隣に頭を下げてもらっていただくのに、いつかは我が家にその箪笥が戻って来てしまうかもしれないのです。またうちに運ぶのに2万5千円かかるとすると、この箪笥の上置きの維持のために我が家は最低7万5千円も払うのです。
この話は黙っていることができず結局母にばれてしまい、更なる激怒を呼び、箪笥大騒動は佳境へ。
結局は隣にクレーンが入らないことがわかったため、箪笥を隣に運べないことがわかり、この話はなしになったのですが、今日やっと晴れて箪笥を処分するまでには、こんなに大変な経緯があったのです。
一時は7万5千円に膨れ上がった箪笥にかかる費用が当初の通り2万5千円ですむことになったので、この期に及んでは、もはや誰も文句を言いませんでした。そりゃあそうでしょう。そして言う人言う人に叱られたり悲しまれたりして、最悪の経過をたどりやっと今日箪笥の上置きとさよならして、ベット3台が無事2階に収まったところです。
オットが海外出張中だったこともあり、ひとりで喧々諤々やっていたので、ぐったりしてしまい、「わたしは世界一いけない人間かも?!」という思いだけが残る騒動でした。
黙って処分したら申し訳ないという気持ちがあってこその行動だったのですが、こんなことなら、黙って処分してから事後報告にすればよかったととっても後悔しました。騒動の途中では苦しかったものの誰にも言えず、ひとりで思いっきり抱え込んでいたのですが、あとで話したら妹もトモも散々笑うのです。「長女ってこれだから・・・要領が悪いよ!」と。「ばかばかしい」と笑いとばしてもらい、なぜかとてもすっきりしました。
本当はわたしだって、16年も使った箪笥を処分するのは本当にほんとに悲しかったのです。
夜がふけて疲れ果てて、新しいベッドの端に腰掛けて長いことぼ〜っとしていたら、ミントがちょっと離れてずっとわたしに遠からずのところにすわっていることに気づきました。なんだかなぐさめられているみたいだ・・・とミントを見ると同じタイミングで彼女もこっちを向いて目が合いました。視線を合わせた途端、ただ目があっただけなのに、撫でてもいないのに盛大にゴロゴロいいだして、それだけで何だかとっても彼女に愛されている感じがして大いに慰められた気がしました。
アネはこの経過をずっと横目で見ていたためか、「婚礼箪笥は絶対にいらない」と宣言しています(笑)