ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

エネルギーに変えて〜♪

さっきからこの一節がものすごく浮かんでいるのですが、なんの歌だったっけ?
とんと思い出せません。最近こういうことが多いのは年のせいかしら。
軽〜く書き始めましたが、ちょっと重たい話です。
そんなテンションにないわとか、引っ張られそうという方は遠慮なく回れ右でお願いします。
書くのをやめようかと思ったのですが、書かないと尾を引いてしまいそうだったので、さらっと書いて終わりにします。
これまたオトートのバイト話です。
まだまだバイトは決まりません。もう多分20個くらいは面接を受けたのではないかしら。
でもめげない。そこが彼のいいところ。そう信じて応援してきました。
今は不況だし、それじゃなくても「働く」ということはとてもむずかしい世の中です。
バイトの子を取るにしても、もちろん条件がいい子を取りたいのはあたりまえのことだと思います。
彼は先天的に筋肉の病気を持っています。
日常生活にはほぼ支障はないといえ、たとえば灯油缶のようなものは持てないし、多分本でいっぱいの段ボールを隅っこに何個も積み直したりするのもムリです。
だからたとえばそんなに力仕事がないと思われる職場の試験を受ける時も、そのことはちゃんと面接を受ける時に本人が申告するように言ってあります。
万が一何かあったらオトートも大変なことになるし、雇ってくださった方にも迷惑がかかるからです。
でも幸いにも、小学校以来インフルエンザ以外で学校を休んだことはないくらい丈夫だし、小学校以来電車の遅延以外で遅刻したこともないくらい実直です。
家の中で自主的に始めた皿洗いはもう2年を経過したし、家事は頼めばなんでもやってくれます。
そんな彼はどうしてもバイトがしたいと思っていて、本当は事務系とかがあれば多分何の問題もないし一番いいと思うのですが、今のところいい出会いがなくて、連戦連敗しています。
さて。
おとといの朝のこと。
彼はまたコンビニのバイトの面接を受けに行きました。
どうも電話をした時からものすごく印象が悪かったのは知っていたのですが、一度面接をお願いしますと言ったのだし、言ったことには責任を持たないと…わたしはそう言いました。
後から考えるにこれは失敗でした。直感的になんだかイヤだなと思ったのだから、何がなんでもやめるべきだったのかもしれません。
そして、面接の時間よりかなり早めに家を出た彼がカンカンに怒って帰ってきました。
面接をしたコンビニの店長が、持病のことを言った途端、怒りだして即効帰されたというのです。
「どうしてそんな持病があるのに、なんで来たんだ。仕事をしたいなんて思うんだ。ああ、時間を損した。もったいない。」
話はひとつも聞いてもらえず、追いだされるように帰されたそうです。
バイトを断られたばかりか、そもそも面接を受けに来たことを叱られたというのです。
そして彼は、今まで雇ってはもらえなかったけれども、感じよく対応してくださった、すべてのコンビニの店長が、実は心の中でそんな風に思っていたのではないか?と疑い、猛烈に凹みました。
自分は仕事をしてはいけない人間だというレッテルを貼られたと思い、今まで一度も言ったことがなかった「もういやだ」という言葉を吐きました。
彼のような病気を持っている人は、これからだってそんな風に言われることもあるかもしれないし、そのたびに凹んだりしていてはこれからだってやって行けません。
だからこんなにひどい目にあうことだってある…ということを知れたというのもいい勉強をしたのかもしれません。
勉強させていただいたのかも…!?と思います。
でも、こんな勉強の仕方はあんまりです。
このことが尾をひいて人生そのものに絶望して「もういやだ」ということになっちゃったら大変なので、親として考えうる限り、常識の範疇で言えるだけのことはすべて言ったし、そういう人ばかりの世の中じゃないからね…とそこは力を込めて言っておきましたが…
まったくやりきれない出来事でした。
たとえば現在働いている人たちの中にも、彼のように身体に持病がある人もいれば、突然の病に見舞われる人、心に持病を抱えた人もたくさんいることでしょう。
アネも一時期心のバランスを崩して一度会社をやめましたが、その後ほぼ1年間、パン屋さんでアルバイトをしながら、少しずつ在宅から本業の方へ戻り始め、今ではかなりの量の仕事をしています。
今でも多分完全に心の状態が元に戻ったわけではないとは思いますが、求められる仕事が目の前にあって、自分の体調と闘いつつ、折り合いをつけながらがんばって仕事をしています。ほんとうにありがたいことだとつくづく思います。
学校の先生だって相当の割合で心を病んで入院したり休職したりする時代だし、大なり小なり持病を抱えながら働いている人は世の中にいくらでもいると思います。
でも…どうしてその店の店長はオトートに怒りをあらわにしたんだろう?
わたしはずっとそのことを考えていました。
「雇うことができない。」というだけでなくただバイトを求めて真面目に面接を受けに来た学生に「怒り」の感情をぶつけなければならなかったのか?
オトートはその店に買い物に来る客でもあるわけで、その相手に「怒り」をまともにぶつけて彼に得になることはひとつもないと思うわけです。
オトートがたとえば、友達に「こんなめにあった」と話をする。
家族に「あそこのコンビニの店長にただバイトをしたいと言っただけで叱られた。」と言う。
それは店にとっても負の評判になるわけだし、相手が悪ければ、「こんな目にあった」とツイッター掲示板に名刺しで書かれてしまうかもしれない。
(もちろんそんなことはしませんけど、誰もそんなことはしないとは言い切れないですよね、笑)
少なくとも多分オトートもわたしたち家族も、その店には二度と行かないし、誰かがその店の話をしたら、故意にではなくても「あのコンビニでヤなことがあってね。」とか「非常識な店長でね…」とは言ってしまうかもしれない。
そんなこと、ちょっと考えればわかるはず。
そんなことを少しも考えられないくらい…腹立たしい出来事だったのかな?なぜそんな風にまともに怒りをぶつけたのかな?そもそも怒りの原因はなんだろう。
そう考えた時に「恐怖」があるんじゃないかな?とふとよぎりました。
なかなか条件に叶ういいバイトの人が入ってくれない。やっと面接に来たと思ったら、とんでもない使えなさそうなヤツが来た。
こんなんじゃ店はつぶれてしまう。
なんでうちにはこんなんしか来ないんだろう。
単なる妄想ですけど(笑)
そんな風に思ったのかな?!
そういう気持ちでいらいらと仕事をしていたら、きっと仕事だってうまくいかないだろうし、「なんで自分だけがこんな目に合うのか?」なんて気持ちにもなったのかもしれません。
ある意味気の毒な人なのかもしれない…と思うことにしました。
逃したサカナは大きいぞ!!(とあえて我が子ながら言ってみる、笑)
なんせこんなご時勢、こんなに真面目で辛抱強くポジティブでがんばり屋な子はなかなかいないのにな。
腕力はないけれども細かい仕事はていねいにきちんとするし、何事もあきらめない不屈な闘志があるのにな。
そもそも価値観をどこに置くかによって、人の価値は大きく変わってくると思います。
たとえば見合い相手としては、健康体な人を選ぶのはあたりまえかもしれないですが、健康体の人と結婚しなければしあわせになれないわけでもない。
「持病ごとこの人でなくては」と好きになって結婚してしあわせになっているカップルだって世には五万といると思うのです。
健康な人だけが仕事をするべきな世の中であるならば、健康を害した人は働くことをやめなくてはなりません。
もしや今が健康だとしても…いつか突然自分も健康ではない方の仲間になってしまうかもしれません。
(正確に言えば、オトートは生まれつき染色体の数がひとつ足りないとはいえ、現時点で健康体であるわけで、別の観点からすれば、健康を害しているわけではないのですけれども)
あのコンビニの店長は今後自分が病気になった時点で、自分の価値を認められなくなったりしないのでしょうか?
「そんな身体で働こうなんて非常識だ。」自分に対してもそう思うのでしょうか!?
それにしても先天的な病気を持って生まれたことはオトートの非でもなんでもないのに、理不尽だなあと思います。
たとえばほんのちょっとだけ歯車が変わったら、もっとみんなが楽しく安心して働ける、生きて行ける世の中になるんじゃないかと思うのです。
たとえばできないことを数えるのをやめて「こんなこともできない」を「(アレはムリでも)これならできる」に変えてみる。
「誰かに迷惑を掛けられないように」「被害を受けないように」ばっかりに神経を配るのをやめにして、何か自分にできることはないのかな?と考える。
だいそれたことはできなくても、ちょっとだけ誰かのために何かをして…結果的にそれが誰かの笑顔につながって、相手にとっても喜ばれたら自分だってちょっとうれしい。
自分の自信にだってつながる。自分の価値がちょっとだけ見出せる。
たとえ自分に何かあったって、きっと同じように誰かが助けてくれるだろうと思えるようになる。
社会が信用できる場所になる。
むずかしいことなのかな?
ともあれ、オトートにとってとんでもなく悲しい出来事が、ひとつひとつ彼の新しい明日へのパワーになりますように。
ネガティブな出来事も「エネルギーに変えて〜♪」ポジティブな明日へとつなげていけますように。
だから〜何の歌だろう!?結局思い出せませんでした(笑)
さて、次のエントリーからはとりあえず気持ちを変えて天川に戻ります。
最後まで読ませちゃったみなさまがた、こんな話題でごめんなさい。