ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 [日記][ドラマ] だまってそこにいること。

きのう3年生の生徒とレッスンのあと「先生、ドラマ何見てる?わたしは『流れ星』が好き!」というので、同じドラマに激はまりしているわたしは大喜びで小学3年生と結構真剣にドラマの話をして盛り上がってしまいました(笑)
Mちゃんも「すっごくかなしい回だったね、せんせー」というので、だよね、だよね。と話していて「一番心に残ったシーンはどこ?」という話になり挙げたシーンがなんと一緒でした。
Mちゃんもわたしも主人公カップルが大好きで、このふたりのしあわせを心から願いつつ見ているのに、9話のツボはふたりともそこじゃなかったのでお互いびっくり(笑)そのシーンと言うのは…
上戸彩ちゃん扮する主人公があまりに哀しい展開になすすべもなく道端に座り込んで泣きじゃくっています。それを彼女を探していた松田翔太くん扮するお医者さんががやっと見つけ、とても哀しい顔をして彼女を見つめます。彼も小さい頃主人公と同じような境遇で親の夜逃げに振り回された人生を送っていて、自分の力ではどうにもならないことに巻き込まれてしまった彼女の哀しさがとてもよくわかるのです。
やがて彼はちょっとだけ距離を置いて彼女のとなりに座り、困った顔をしたまま黙ってただただ隣に座っている…そういうシーンです。
お話はそこで終わっちゃったので、続きがどうなったのかは来週のお楽しみですが、このシーンは物語の本筋とはちょっとだけはずれているので、まさか同じツボの人がいるとはびっくりしました。
更にこのシーンをあげる小3ってば…なかなかオトナだわ、Mちゃん。「こりらっくまのシールを別の子に先に取られちゃった」とベソをかいてたのと同じ子とはとても思えません(笑)
「あんなにかなしい声で泣いてるんだよ、りさちゃん。でもびょーいんのせんせーが来てくれてよかったよね。わたしだったら、あそこでなにかやさしいこと言われたらかえってヤだな。せんせーがだまってああやっていっしょにすわっててくれるひとでよかったよね。りさちゃんのこころの中はほんとにうれしいとおもう。りさちゃんがほんとのひとりぼっちにならなくて、よかったよね。」って…
ほんとにね、Mちゃん。わたしもそう思いました。
小学三年生と意見の一致をみて大きく頷き合って、お話そのものは哀しいのですがなんだかうれしくなってお互いにニコニコしてしまいました。そしてこの素敵な洞察力、きっとピアノの表現力にもつながることと思います。
ジョンレノンで京香さんが朗読してらしたイマジン。「想像しなさい」のくだり。
あの人の気持ち。この人の気持ち。彼の気持ち。彼女の気持ち。
母の気持ち、子の気持ち。
大好きな人たちのほんとの気持ち。
テレビの向こうで大いに話題になっているあの人やこの人の気持ち。国を動かしている人たちの気持ち。そしてとなりにいるパートナーの気持ち。
想像してみることの大切さ。
そういえば「流れ星」は極端にせりふが少ないという特徴があるので、登場人物の表情や前後のつながりを見て、かなり行間を読まなくてはならないドラマです。それこそ想像力がないとわかりません。
いろんな意味で小学3年生にはかなり難易度が高い気もしますが、これだけいろいろなことをちゃんとわかって見ているのが凄いです。
要は人と人がわかり合おうとする時、最も大切なのは「共感」かも。「そこにいて、ただただ一緒に感じていること」
みんながまわりの人のことをもうちょっと自分のことのように感じることができれば…もうちょっと世の中が変わるような気がするのに。