ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 マトリョミン

 日曜日に雨あがりの西郷山公園をそぞろ歩きしていたら、ベンチで音楽をしている不思議なふたり組を見ました。
 片方はギターで、もうひとりの女性は最初高い声でハミングしているのかと思ったのですが、なんだか様子がヘンです。
 好奇心が津波のように押し寄せてきて、気になって気になって仕方ないので、ちょっと戻って遠くからガン見してしまい、ちょっと失礼だったのですが(ごめんなさい!)違和感の正体がわかりました。女の人がなぜか手に「マトリョーシカ」を持っているのです。うちのサイドボードにもいるロシアの入れ子人形のアレです。
 それを手のひらに掲げ、もうひとつの手で触ってはいないのですが、なにやら操作している様子なのです。
 これは何?これは何?どうやら女性が歌っているのではなくて、マトリョーシカから音が聞こえる気がするのは気のせい?音がそういえばテルミンみたいでもあるけど、だってマトリョーシカだよ。人形だよ?しばらく聞いていると演奏している曲はグノーの「アベマリア」らしいことに気づき、余計に気になるではありませんか。ロシアのお人形が歌う?「アベマリア」。なんとも不思議な光景です(笑)
 頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになってしまい、その後もずっとずっと気になっていたら、きのうの朝、一緒にいた友達のひとりがはてなのURLを送ってくれました。タイトルをクリックしていただければ、そのページに飛ぶことができます。名前はマトリョミンというのですって。
 一瞬にしてほし〜い!!と思ってしまったのですが、ちょっとかじってみようか!と思うには高すぎるし、ついでに調べたお教室情報によれば、かなり先まで教室の定員もいっぱいみたいです。もちろんそんなに安い講習費ではないのだし、そこに通うのなら、ピアノがんばれば〜!?という感じ。残念ですが、テルミン使いにはなれそうにありません(笑)
 なんとも面白いなあと思ったのが

わずかな演奏動作にも敏感に反応するため、

演奏者の技量はいうまでもなく、気質や心理状態までもが

音にあらわれる。

という解説文です。おもしろいけどちょっとコワイと思ったり(笑)そもそも音楽ってものは、気質や心理状態をあらわしてナンボなんでしょうけれど(笑)
 そういえば、マトリョミンからはちょっと離れますが、西郷山公園の反対側では、車椅子のご婦人が詩吟を歌っておられました。お隣のベンチに座られている同世代の男の方は大正琴を演奏なさっていて、気持ちよさそうなこと。
 都会のど真ん中のオアシスに鳴り響いたふたつの音楽。
 思えば高校時代は、部活でレクも兼ねてしょっちゅう代々木公園に行って、混声合唱を楽しんだものでした。「あの素晴らしい愛をもう一度」なんかを歌いながらカップルの前をわざと通りすぎて、いやがらせまがいのことをして遊んだり、「ほら〜っ!チェルシー♪」なんてコマーシャルソングをハモってみたり、かと思うとハイドンの「天地創造」なんかを真面目にドイツ語で歌っちゃったりもしましたっけ(笑)まるでへんてこ宗教集団だね!なんて言いながら。
 合唱部って特別な道具もいらないし、寄れば触ればすぐに誰かが音叉(振動でAの音を出す道具です)を振って即効ハモリを楽しんでました。まわりにたまたまいた皆様には迷惑だったのでしょうけれど(笑)大好きなバリトンの先輩のそばにこっそり近づいて歌うのも楽しかったなぁとか・・・朝から思い出の海にどっぼ〜ん!です(笑)
 その点ピアノは不便です。なんせかついで公園に行くことはできないし、遊具のように置いてはありませんからね!!
 そんなどうでもいいことをつらつら考えていたら「ピアノの森」が読みたくなって、朝から数巻引っ張り出してしまいました。森のピアノ・・・いいなぁ。
 いかんいかん!今日は午前中から中学生の生徒たちがやってくるのです。午後もまたいっぱい生徒が来ることになっていて、終了予定は8時半。
 今日も一日、元気で過ごしたいものです!ああマトリョミンマトリョミン!(意味もなく言ってみたかっただけです。失礼!!)