ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 アンジェラ・アキ Concert Tour 2007-2008 “TODAY" 参戦記

 1月30日にアンジェラ・アキさんのライブを見て来ました。東京フォーラムAホール。この間玉置浩二氏のライブを見たのと同じホールです。
 今回のライブはアルバム「TODAY」を引っさげての全国ツアーでわたしたちが参戦したのは40本目。翌日の1月31日がオーラスだったらしいです。

TODAY

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 今回は大好きなサイトの「clear」そらちゃんに誘ってもらったのですが、本当に誘ってもらってよかったです。とってもとってもいい余韻の残るライブでした。楽しい1日をホントにありがとう!そらちゃん!
 彼女とは午前中から会って、目黒川沿いを一緒にそぞろ歩きしたり、六本木に降り立ってテレ朝で「しんどい」の垂れ幕を見たり(笑)ミッドタウンを散策したり、盛りだくさんな一日を楽しみましたが、楽しい一日の思い出がアンジェラさんライブを一緒に体感したことで、忘れられない思い出の一日になった気がします。感動を分け合えて本当によかったです。
 わたしというヤツは、印象的なライブに参加すると、翌朝頭の中で前日のライブの歌声が鳴り続けているのを感じつつ目が覚めるのですが、今回もそんな感じで、「たしかに」が目が覚めた瞬間から頭の中で鳴ってました(笑)寝ても覚めても彼女の歌声が頭の隅っこで鳴ってます。しあわせなおまけ付きです(笑)
 帰って来てからもう丸二日以上たつのに、いまだにずっとにこにこにこにこ半笑いで、ずっとアンジェラさんの歌を鼻唄を歌いつつご機嫌です。何をしていても、何をしゃべっていても、語尾に「(笑)」って全部着いちゃいそうなテンションです(笑)
 彼女の歌声や音楽性の素晴らしさもさることながら、あの気さくなお人柄とかMCの面白さにも完全にヤラれちゃって、帰って来てもいただいた「しあわせオーラ」をずっとまといつつ暮らしてます。
 ファン層がとっても広くて、老若男女、誰が見ても楽しいライブだと思います。もしかして、ファンクラブに入っちゃう?とそらちゃんと話しました。彼女ともまた一緒に行きたいなあ〜お互いホントに楽しんだよね(笑)
 さて、わたしたちの席はというと2階の3列目で、しかも真正面でした。アンジェラさんの弾くピアノの手元がびっくりするほどよく見えて、すっごくラッキーだと思う癖は多分ピアノを弾く人共通なんじゃないかしらん(笑)身体全体でffを鳴らそうと前傾姿勢になったり、思わず力をこめようと立ち上がりそうに弾いている姿にとっても親近感を覚えました。小柄な女性がパワフルな音を渾身の力をこめて出そうと思うとそうなるのです。実際ピアノがよく鳴っていて、大胆かと思うととっても繊細だったり、エッヂが効いた鋭角的な音が素敵と思ったかと思うとほわんと芳醇な音を鳴らしたり…多彩な音色を使い分けて、ご自分の声の魅力とピアノの音色が互いに引き立てあって益々魅力を増してました。
 前に何かの音楽のレビューで「そりゃあただただ素晴らし演奏を聴きたいというのなら、CDを聞くのが一番だということは言うまでもないが、ライブにはそれだけじゃない何かがあるんだ!だから人はライブに行く」というようなのを読んだことがあるのですが、今回もそれを思い出してふふん!と鼻で笑ってしまいました。「CDが一番」じゃなくて生の方が数倍素晴らしいアーチストはいっぱいいるのです。そして、彼女は間違いなくそのひとりです。
 開演直前、大音声で音源がかかり始め次第にクレッシェンドしてライブが始まるのですが、最後の最後、客電がついてからもまた、CDの音が鳴ります。ラストのCD音源ではすでに「生歌はこんなもんじゃなかったなぁ!」と物足りなく感じてしまうくらい、それはそれは生歌の威力がすごいのです。豊かな声量と圧倒的に安定した歌唱。本当に素敵でした。
 途中で、ポリスやPUFFY爆風スランプなどの既存の曲も歌うのですが、これがまたとってもよかったです。気負うことなく彼女らしく、とても楽しそうに歌っていて、心を打たれました。
 ちなみに、一応セットリストを拾ってきたので、載せておくと、曲目はこんな感じです。

1.Again
2.心の戦士
3.TODAY
4.Rain

ーアンジェラ・アキの勝手に英語でしゃべらナイトー(どうやら名物コーナーらしいです。)

5.EVERY BREATH YOU TAKE(THE POLICE
6.アジアの純真Puffy
7.BAD COMMUNICATION(B'z)
8.モラルの葬式
9.Kiss Me Good-Bye
10.乙女心
11.This Love
12.愛のうた
13.One Melody
14.孤独のカケラ
15.サクラ色
16.On & On
17.たしかに

アンコール

18.Runner(爆風スランプ
19.HOME

 前半はバンドサウンド中心のノリノリの曲が多く、途中からバンドがはけてピアノ1本のコーナーになり、また途中からバンドが合流しました。
 バンドはギター、ベース、ドラムスのシンプル構成でしたがその割りに厚みがある音でアンジェラさんの声や音楽を引き立てていましたし、ピアノの弾き語り部分はシンプルながら彼女の実力を見せ付けてくれます。華やかさとシンプルさの両方がバランスよく楽しめるのが、彼女のライブの醍醐味かもしれません。
 特におもしろかったMCは、大好きで大好きで大好きだった宮沢りえちゃん話と、後にそんなに好きだった彼女と遭遇したというエピソード。「韻を踏む」についての印象的な解説。たとえに出てきた「セブンイレブンいい気分!」の歌。「英語でしゃべらないと」のポリスの歌は実はストーカーの歌なんだよ!(笑)話とかかな(笑)わたしも自分のレッスンで使わせてもらおう!と思ったトークもありました(笑)
 いずれにしても、わたしが今まで出会ったアーチストの中で一番MCが上手だと思いました(笑)話題もライブと無関係なファンサービスのトークじゃなくて、ライブのテーマにうまく沿っていて、これから歌う曲への興味を上手に引き出してもらったり、笑いでうまくくるんでありますが、より曲の感動を高めてもらえる絶妙なトークでした。
 彼女はなんてったって歌が抜群にうまいし、曲もホントに素敵なので、職業としてシンガーソングライターを選んで大正解だとは思いますが(笑)塾の先生になっても名物有名講師になっていた気がするし、学校の先生になってもカウンセリングの専門家になってもやっぱりたくさんの人を勇気づけていたことでしょう(笑)天に二物も三物も与えられた方はここにもいましたよ〜という感じです。
また客席を乗せてひとつにするのがとっても上手で、気がつけばいっぱい一緒に歌わされているし(笑)「2階や1階の後ろの人たち〜!」と何度も手を振ってくれて、初めて参加した人だって後ろの人だって、疎外感は絶対に感じさせないぞ〜っ!という配慮と気概を感じさせてくれました。
 途中で、「苦しいことがある人は、会場の床に全部置いてっていいから。お掃除の人が全部掃き集めて燃えるゴミに出してくれるから」というような話をしていて、どこかのナントカケリーさんのMCを思い出しましたのことよ(笑)
 よ〜く聞いていると、言っていることにもいっぱい共通点があるのですが、アンジェラさんはすっごく真面目な語りを笑いに変えて話すのがとっても上手です。でも根本のところの考え方はすっごく近くて、ケリーとも似たもの同士なのかも…という印象です。
 そういえば、西川進さんの音にも久しぶりに触れることができ、「ああ、彼の音がする〜」となつかしく思ったりもしました。最後の方でバンドメンバーにもアンジェラさんがマイクを向けていて、西川氏が歌った場面もあって、「らららら〜ら♪らららら〜ら♪らららら〜ら〜♪」というフレーズなのですが、今朝、3日目になって、なぜかアンジェラさんの声を差し置いて進氏の「らららら〜ら♪」が頭を占領していて、また「(笑)」の魔法にかかって半笑いです。だれか助けて〜(笑)
 冗談はさておき…バンドサウンドの中ではやっぱり大好きな「モラルの葬式」が聞けたのが最高にうれしかったです。また、わたしが始めてテレビで彼女の歌声に遭遇した「HOME」や好きで好きで一時期聴きまくった「Kiss Me Good-Bye」も聴けてよかったです。「One Melody」では心をがっちり捕まえられたし「サクラ色」を生で聞けた感動は半端なかったです。
 そんな風に心が震えるほどよい歌を歌うのに、しゃべりだした途端大阪のおばちゃん!?というテンションになるところも含めて、また彼女のライブに触れてみたいです。
 こと音楽に関しては、一途でありたいと言うよりは、食わず嫌いせずに、とりあえず片っ端から聞いてみたいと思う方ですが、こんな風に不意にど真ん中のものと出会えることもあるので…これからもやっぱりこういうスタンスでいたいです。