ちょっと前、日記の更新が止まりがちになってしまうくらい夢中になった本を紹介します。
- 作者: エリザベスノックス,Elizabeth Knox,鈴木彩織
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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- 作者: エリザベスノックス,Elizabeth Knox,鈴木彩織
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2007/08
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ただし、レイン的おすすめ度は高いです。読みかけている間、いったん本の世界から離れて尚、気がつけばこの物語の中のことを心配したり、あの人のあの言葉はどういう意味だったんだろう!?と考えこんだりしていたのですから(笑)かなりの重症です。
それだけ架空の世界がリアリティーを持って迫って来たということで、夢と現実の間を行ったり来たりするような楽しさを、長い長い物語のページを繰る間、存分に味わうことができました。
さて、そもそもこの本には心踊る帯がついていて、そこにはこんな風に書いてありました。
すべてが死んでいる「その場所(プレイス)」には「夢」しかなかった。(上巻 虹のオペラ)
あなたは、わたしに、「夢」で語る。(下巻 震える大地)
この文章を読んだだけで、ものすごく惹きつけられたのですが、更に帯には
夢をあやつる力を持つ者にだけ許された不思議な場所で、ある一族の物語が始まる
とか
量産される昨今のファンタジーのなかで、読む人に勇気と希望を与えてくれる秀逸な作品。謎が謎をよぶストーリーに、読者は大いに悩まされるだろう。しかし、最後まで読み通した人だけが味わえる驚きと感動と幸福。久々に読書の楽しみが堪能できる作品だ。
とあり、これが惹きつけられずにいられましょうか!?という感じ(笑)
読んでる途中は、様々な気持ちに捉われて、登場人物の誰を信じていいものやら途方に暮れたり、主人公のあり方に疑問を抱いたりもするのですが、最後まで読んでみて初めて、「あそこはああいうことだったのか!?」とわかることもたくさんあります。
この物語は家族の物語でもあって、途中で何度もみんなの気持ちがばらばらになっているように見えたり、どうして誤解を解かないのだ?とイライラしながら読み進めたページもありますが、最後まで読んでみると、「そういうのが家族っていうものなんだろうな」と思ったりもします。
すべてを常に包み隠さず話さずとも、心のどこかはいつもつながっていて、絶対的な信頼や愛情は決して費えたりはしないのだし、あせらずとも時が来ればちゃんと元通りの形に何度だって復元可能…そういうのが家族っていうものなんだなぁと。
大雑把に言うと、主人公は裕福な家で育ったいとこ同士のふたりの少女たち。片方は北島マヤを彷彿とさせるような不思議さと持って生まれた才能のかたまりのような少女。もう片方は知性と理性のバランスが良くて容姿も端麗な一見何もかもを持っていると思われている少女です。
こういう場合、たいがい天才少女、右脳の塊のようなタイプの方(彼女の名はラウラと言います。)に夢中になるわたしですが、今回は不思議とそうはならず、彼女のいとこローズ嬢の目線で彼女の気持ちに寄り添いながら物語を読みました。
読後感がすばらしく、最後まで読みきればこそ!という達成感みたいな気持ちが味わえます。
少々お高いのが難点ですが(ハリーポッターレベルです、笑)お勧めの一冊です。