ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 神去なあなあ夜話

神去なあなあ夜話

神去なあなあ夜話

山へ行ってきました。
いえいえ、本当に行ったのではなくて、お話の中で。
見つけてしまったのですね〜神去村のその後の物語。七福神巡りの帰り道に。
この物語の主人公、平野勇気くんのその後が気になって、まるでそこにいる人のように心配したり、幸せでいてくださいと思ったりしていたので、やっぱりこれは読まないわけにはいかないでしょう、いえいえ、読まずにいらりょうか・・・という勢いで、途中まで読みかけの本たちをすっ飛ばし、ほぼ2時間くらいで読み終わってしまいました。
もうちょっとゆっくり読めばよかったなぁ。もったいないことをしました。
そして、深い深い山奥の村の一員のような気持ちで読んだので、冒頭の、山から帰ってきたような気分・・・になったというわけです。
ちなみに前作はこちら。
神去なあなあ日常

神去なあなあ日常

こちらもものすご〜く面白かったですよん。
まだ読まれていない方には、やっぱり順番通り読むことをオススメします。
今回読んだのは、あくまでも前作の外伝というか続編というか、そういう作りになっています。
この物語の紹介のところには、こんなことが書かれています。

内容紹介
100年先を見据えて作業をしている、神去村の林業の現場。そこへ放り込まれた平野勇気も、村で暮らして1年が過ぎ、20歳になった。山仕事にも慣れ、憧れの直紀さんとドライブに出かけたりもするようになったけれど……。
お仕事小説の名手が描く林業エンタメ第二弾! 秘密がいっぱいの神去村へ、ようこそ!
内容(「BOOK」データベースより)
三重県の山奥で、林業に取り組む平野勇気、二十歳。神去村の起源、住人の暮らし、もちろん恋にも、ぐいぐい迫ります。お仕事小説の旗手が贈る、林業エンタテインメント小説の傑作。

林業エンターテイメント・・・って書き方もおかしいと思うのですが、本当にそうなの(笑)
前作ですでに、この小さな過疎の村の村人はあらあた知っているような気持ちになってますが、さらに、そのみなさんのその後とか、近況とか、里帰りして聞いてきたような気持ちになりました。
主人公勇気が仲良くなった人たちとのその後、なんだかそりが合わず、敬遠していた人とのその後(ぷぷぷ)仲良しのちびっこ、サンタくんが小学生になってからのその後。
勇気の恋の行方。
そしていつもの面々の100年経っても変わらないんじゃ?という日常(笑)
もうなつかしくてうれしくて、ワクワクしながら読みました。
まだまだ読んでない方の方が多いことと思いますので、あんまり深くは感想を書きませんが、すっごくhappyな気持ちになれること請け合い。
オススメで〜す。
ちょっとだけネタばれすると、今回のクライマックスは神去村のクリスマス。
思い出しただけでニヤニヤしちゃう、爆笑エピソードが満載でした。目に涙を溜めて読みましたよ。
更にお稲荷さんのエピソードも超楽しくて、そしてちょっとだけハッとします。ああ、なるほどと頷かされます。
それから村の長老、繁ばあちゃんと勇気の攻防のページの楽しさよ!!(笑)
途中で勇気がある理由で一人でお昼ご飯を食べるシーン、名古屋に買い物に行くシーンが出てくるのですが、ここで都会の暮らしと過疎の村の暮らしについてとても考えさせられました。
さらに、今日明日だけじゃなく、100年後も見据えた林業のあり方、山での暮らしの描写や神去村の昔ながらのしきたりについてたくさん触れてらっしゃる文章を読んでいると、しをんさんもつよしさんの「shamanippon」というクリエーション、「戻ることが未来」・・・の音楽、発想に触れてらっしゃる?と思った部分もいくつかありました。
楽しい話ばっかりじゃなくて、なあなあでなっともしゃーない村の覚悟や現実、今初めて明かされた過去のとんでもなく不幸な出来事の話なんかもあって、この物語がただの夢物語ではないことをあらためて知ります。
いいお話なので、ぜひ。
ちなみに前にこのお話の前の「神去村なあなあ日常」という本を読んだ時に書いた感想はこちら。
よかったら併せてお読みいただければと思います。
これから一生の仕事を探そうという学生さんや、今のままでいいのかしら?と疑問を抱いてらっしゃる若いみなさんにもこういう世界もあるのかって視野が広がる1冊だと思います。オススメです。

ちなみに、コメントをいただいた藍色さんからトラックバックをいただきましたので、トラックバック返しさせていただきました。