ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 インカ・マヤ・アステカ展

 上野の国立博物館インカ・マヤ・アステカ展を見に行って来ました。
 小学校の頃からこれらの時代の歴史や「謎を解く」みたいな本が大好きで、よく読んでいました。太陽信仰やピラミットやミイラの話はよくわからないながらもとても面白かったし、マチュピチュ、クスコの映像をテレビで見ると、なぜかとても心惹かれたりしました。
 また、マヤ暦やマヤ文字の不思議とか、頭に穴を開けるなど精巧な外科手術、精密な天体観測やインカ道のすごさなどその高度な技術、文明には興味津々だったし、なによりもそんなに高度に発達した文明が、なぜ忽然と消えたのか、とても不思議でもありました。
 なので開催のニュースを聞いた当初から「行きたいなあ」と思っていたのですが、なかなか機会がないままに終盤になってしまいした。
 そうしたら先週シンガポール在住のお友達、bonyarihitsujiさんにお会いした時、彼女が「行こうかと思って」というので、絶好のチャンスとばかり便乗させていただきました。
 貴重な石碑や土器や仮面、ヒスイや黄金や貝などでできた装飾品など、たくさんのものを間近で見ることができ、とても興味深かったです。
 特にものすごく複雑な絵文字だったマヤ文字や、文字がないインカで使われた「キープ」と呼ばれる紐の束(その結び目によってインカ道を駆け巡った人が情報を伝えたのだそうです。)には興味を惹かれました。
 せっかくだからということで、500円で音声ガイドを借りて回ったのも大正解で、説明付きで見ることにより、じっくり見た方がよいポイントがよくわかりました。平日の午前中にもかかわらず、展示物の前はどこも人だかりがすごかったのもあって、1時間ちょっとかけて、ゆっくりじっくり回りました。
 ただ、少しは覚悟をしていったのですが、特にアステカ文明のコーナーは「生贄」についての話が満載で、見て回るだけでかなりへこみました。
 メソアメリカの、「人間の新鮮な心臓を神に奉げなければ太陽が消滅する、という終末信仰」とか、「テノチティトランの神殿で日常的に生贄の神事が行われ、さまざまな祭においても多くの生贄が神に奉納された。」とか、生贄を確保するために戦争を行い、場合によっては3500人もの生贄を捧げたなんていう話は聞いているだけで滅入りました。
 そこを通り抜けた後にインカのミイラのコーナーがあったのですが、そちらはあまりに保存状態がよくてびっくりしたものの、怖い気持ちにはなりませんでした。穏やかな顔の表情までそのままだった親子のミイラは、まるで何百年も眠り続けているようにさえ見えました。
 それにしても見所がたくさんありすぎて、まだまだ時間が足りない感じでした。また、見ている方々がとても熱心なので、どの展示物の前からもなかなか人が動きません。かなりお年を召した方もたくさんいらっしゃったのですが、皆さんの元気さにも驚かされました。わたしの方が余程へたってました(笑)
 あんなにかつては何代にも渡り繁栄した文明も、今となってはほんの少しの遺物しか残っておらず、わずかの痕跡から当時の生活ぶりや文化を想像するしかないわけで…わたしたちが今生きて唯一無二だと思っているこの時代やこの文化も、大いなる人類の歴史の中では、ほんのほんのひとしずくに過ぎないんだろうな。まさしく「大河の一滴」…なんてことを思ったりしました。
 博物館を出た後は、bonyarihiutsujiさんとふたり、駅前で韓国料理のランチを食べながらいろいろな話をしたのですが、それにしても暑い日でした。窓から見えるデパートの屋上の温度計が見る見るうちにどんどん上がって行き、12時半には34度だった気温が、2時前には36度まで上がりました。
 これが9月20日も過ぎた日のことなんてとても信じられません(笑)「こんなんじゃ、多分シンガポールに帰ったら涼しく感じるね」と笑い合いました。最近の日本の夏の暑さの前には、シンガポール、マレーシアの暑さも絶対にかないません(笑)それにしてももう10日もすれば衣替えなのに…まだまだ夏の続きです。考えられません(笑)