ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 平和です!!


 自分のレッスンが近いので、夜になってから毎日ピアノを弾いているのですが、かなり夢中になっていて、ふと気がつくと防音室に張り付いている顔を発見してギョッとします。ミントです。
 彼女は食いしん坊にも程があって、夜になるとわたしにどこまでもついて回ってえさを求めます。家の中で「おかあさんのストーカー」と呼ばれています。糖尿病食のカリカリごはんはいつも置いてありますが、そちらはイマイチなようで、寝る前にほんのちょっぴりもらえる缶詰を待ち焦がれています。缶詰を食べている間に注射を済ませるのがいつもの習慣なのですが、食べ物に夢中な時のミントは針を刺されたって全く平気!鈍感なのか食欲が勝っているのか(笑)どうかすると注射針を見ただけでごはんへの期待が高まってゴロゴロ言うかもしれません。
 缶詰をあげるタイミングを間違えると、寝る前にもう1度もらえると勘違いしてにゃあにゃあ言って来るので、寝るぎりぎりまで待たなければなりません。というわけで、トイレまででもレッスン室まででも、どこまでもどこまでも追ってくることになるのです。ピアノ室は完全に密室ですし、音も小さくしか漏れないはずですが、この中にわたしがいることを嗅ぎつけると万人のようにドアの前で待っています。ドアの前を通る家族に邪魔がられても全然平気!なんと言われようが一切負けないのがミント姐さんの心意気です(笑)
 さて、なぜか彼女、シューベルトを弾いているときはピアノ部屋の前に寝そべってリラックスして目を閉じて聞き入っているのに、アップテンポのバッハのプレリュードになった途端にむっくり起き上がって、部屋のドアを引っかきます。昨日なんて、なぜか彼女の力でレッスン室の分厚い扉が開いてしまい、集中しすぎて全く状況を把握していなかったわたしは、突然ドアを開けて入ってきた我が家のネコの姿にギョッとしました。まるでホラーでした(笑)なぜか、バッハがミントを狂わせるらしいです(笑)
 一方こちらは、ルナ。

 アネの手の中で、ほにゃ〜っとうたた寝中です。マレーシアではイギリス人の英語の先生と会話のレッスン中に、よくわたしの背中に駆け上がってきたりして、「ノーティーガール!」と笑われていたお転婆ですが、最近だんだん年を重ねて丸くなってきたような気がします(笑)勘違いかもしれませんが(笑)
 お転婆なくせに鈍くさいので、お隣の大屋根に登ったはいいが降りられなくなって、リュックを背負ってはしごをかけて救出に行ったこともありましたっけ。2階から落ちて物干し竿を折ったのも彼女です(笑)生徒たちがいる間は決して出て来なかったのに、最近は撫でてもらおうと、玄関で待ち構えている彼女です。ルナという名前の由来はアネが小さい頃に流行っていたセーラームーンのうさぎちゃんが飼っているルナなのですが、あのような賢さの片鱗もありません(笑)そこがかわいいのですけれど(笑)
 もうひとつ、昨日とても面白い出来事があって、それは生徒の話です。Fちゃんです。
 彼女がレッスンの前に一冊の本を取り出しました。「のんびりこぶたとせかせかうさぎ」という本です。「これは、せんせいに宿題です!来週までに読んでね!」というので、「へっ?!なぜ?」と思いつつ思わず受け取ってしまいました。
 金色の折り紙で作った自作のしおりがはさんであるポプラポケット文庫です。挿絵が大好きな長新太さんで、おもしろそうなのですが、なぜ彼女がわたしにこの本をよこしたのか、さっぱり見当がつきませんでした。
 それが、バロンの散歩の時、彼女のおかあさんに会って事情がわかりました。前回のレッスンの時、Fちゃんが宿題がたくさんあると言ったとき、わたしが「いいなあ、宿題かぁ。なつかしい響きだなあ」と言ったのですって。それをFちゃんは覚えていて、「先生も宿題をやりたいんだ」と思ったらしいです。「それならわたし(Fちゃん)が宿題を作ってあげよう」と思ったようです(笑)
 「ご迷惑だとは思ったのですが、あまりにFがやる気満々にしおりなんか作っているものですから、止めるのもナニかなあと思って、そのまま持たせちゃいました!」とおかあさま(笑)「確かに言った!言った!」と大うけのわたし(笑)
 というわけで、宿題をもらったので、来週までに読まなくてはならないことになりました。かわいいFちゃんであることよ(笑)こうやって、家に帰ってまでわたしの言ったことを思い出してもらえるなんてしあわせです。たとえちょっとした勘違いが混ざっていたとしても、そこにちゃんと愛情の気配があるのがわかるし、いつだって誰からだって、思ってもらえるのはうれしいです。
 さて、ここのところ、たいしたことを書いていない日記なのに、なぜか分不相応にたくさん拍手をいただいて、うれしいです。いつも、ありがとうございます。
 拍手コメントをいただきました、Tさま(でいいのかしら!?)。楽しんで来ますね!行ってみなければわかりませんが、いっぱい励ましていただいているお礼に、ちょっとでもお裾分けができますように。