［KinKi Kids］ ピアノを弾くつよしさん。

　今朝は、9時過ぎから生徒さんがたくさん来ました。今日明日と、地元の小学校がお休みなのです。振替レッスンに最適･･･ということで、午前中はびっちり6レッスンということになっています。
　さて、3人目にはさまってしまったのが、大人の生徒さんで、わたしより10歳以上も年上ですが、とても若々しくておっとりした奥様です。今日は前に騒々しい男の子がいて申し訳なかったのですが、韓流スターファンで、光一さんのファンでもあるというこの方、やさしい笑顔で彼にも手を振ってくださいました。
　わたしもKinKi Kidsファンだということを知っているので、「SHOCK」の話やソロコンの話を時々レッスンの後なんかにピカピカの笑顔で語ってくださいます。冬ソナの曲を弾いたり、パクヨンファの曲を弾いたりして、美しいメロディーに少女のような顔をなさる、ステキな奥様です。
　その彼女が自分のレッスンが終わるのもそこそこに、「先生、夕べのつよちゃん見ました？わたし、とっても歌えてた（この「歌える」はカンタービレの意味です）と思うんですけど･･･先生、どう思いました？」と不安げに聞くのです。彼女、わたしがどう思うか、そればっかり夕べから考えていたんですって（笑）それはなぜ？
　「わたしもすごくいい演奏だと思いましたよ」と言ったら自分のことのようにうれしそうににっこり笑って、「ああよかった〜！」とほっとしています。「そんなに厳しい目で見てそうな気がしました？！」と聞き返したら、そうではないけれど、わたしがどう思うか気になってドキドキしてたんですって。（なんでやねん！）そして、そんな彼女にほっこり。
　それにしても、つよしさん。ピアノが上手になっていてびっくり。いつぞやかの「LOVE×２愛してる」で音大に行った時とは雲泥の差だったのでびっくりしました。いつ練習したのでしょう。
　まず手首や指先の第一関節がぐらぐらしていないことにびっくり。腕から指先にしっかりと力が伝わる形で、しかも安定して弾いてました。簡単なようでいて、むずかしいのですよ、これは。
　毎日のように、未完成な演奏を聴き倒しているわたしとしては（笑）、最後まで、この子、この曲を完走できるかしらん？というドキドキのパターンは知り尽くしているので、つよしさんの演奏を聴いても、ぜんぜん不安になったり、心もとなくてドキドキしたりはしませんでした。かなり弾きこんでいるのは一目瞭然だったし、弾くのが精一杯の演奏ではなくて、ちゃんと「歌えて」いるし、大丈夫だなと思ったの。特に大サビまで、ちゃんと計算して徐々に気持ちを上げて行って、大サビにつなげるところではっきりとしたクレッシェンド。この辺りが上手で、とってもいいなあと思いました。強弱の幅が広くて豊かな音色でした。きっと歌い手さんたちも、誘うようなクレッシェンドで歌い出しやすかったことでしょう。
　絡み合う光一さんのギターやシンディーのソプラノサックスも気持ちがこもったいい演奏をしていて、なんだか聞いていて、とっても穏やかな気持ちになりました。全員の音がやさしいというか、繊細というか、この「恋」という曲のテイストに合った味付けがなされていて、久しぶりに「堂本ブラザーズバンド！いいじゃない！」とうれしくなって見てました。
　実を言うとわたしは、生徒たちに「もっと歌って」「もっと歌わなきゃ、伝わらないよ」としょっちゅう言います。技術は繰り返し教えてあげればいくらでも上達するし、ちゃんと身につきますが、「歌い方」「伝え方」は結局は自分で掴むしかないという気がしているので。
　ファンの欲目も差し引いて聞いていただければ、ギターにせよピアノにせよ、つよしさんと言う人は、どの楽器を持たせても、自分の気持ちをまるで歌声のように、本能的に上手に楽器に載せることができる人なのだろうと思います。
　もちろん、専門的に見れば課題だっていっぱいあって、たとえば椅子の座り方とか、肘の使い方とか、ちょっとここを変えれば音ががらっと変わるのに･･･と思うところもありますが、ピアノだけでご飯を食べている人ではないのですから、これだけ人を気持ちよくさせてくれれば十分という気がします。多分練習する時間がちゃんとあって、個人レッスンをきちんと定期的に受けたら、ピアノでもかなりの腕前になることだけは、確かだと思います。この曲のための味付けなのか、そもそも彼の色なのかはわかりませんが、音色が思い切りやさしくて、力がうまく抜けていて、歌にこめられた気持ちが押し付けがましくないのがいいなあと思って聴きました。
　そんな話をとりとめもなく光一さんファンの生徒さんに話したら、満足げに頷きながら、「先生はそう言ってくださると思いましたよ」と彼女。だ〜か〜ら〜！！なんでやねん！
　光一さんについても、ギターを弾く姿が、とってもグルーブたっぷりで、立ち姿も含めてとっても素敵に見えたので、思ったままに言うと、彼女は「やっぱり、KinKi Kidsが合わさると最高！っていうのが、証明されましたね！」と　にこにこしながら言ってました。そうよね、そうなのよね。と次の子が来るまで思う存分KinKi Kids談義をしてしまったわたしたちなのでした。