ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 玉置浩二さんのライブ参戦!

 金曜日の大宮に参戦してきました。感想、例によって長いです。どうして簡潔に書けないかなあ?軽く落ち込み(笑)

  • カリント工場の煙突の上に、しあわせのランプ、Mr.Lonely

 この流れが最高でした。そして、ちょっと飛んで「メロディー」あたりがわたしが愛してやまない大好きなバラードたち。特に「カリント工場」は途方もなく苦しかった時に、毎日毎日聞いていたので、これを穏やかに聞ける今のわたしのしあわせを思いました。

  • ワインレッドの心、恋の予感、悲しみにさよなら

 ある意味お約束?という感じなのですが、この曲を聞いて、ちょっとまた〜?!と思いました。ごめんなさい。個人的には毎回なくてもいい気がするのですが。でも、まわりの年配の皆さんが大喜びをしていたところを見ると、玉置さんと言えばこの曲というイメージが強くて、きっと期待に答える歌のひとつなのでしょう。KinKi Kidsにおける硝子の少年のような曲です。

  • HAPPY BIRTHDAY〜愛が生まれた〜、風、あの頃へ

 このあたりは、古い安全地帯の頃の歌です。
 こういう「自分だけの歌ではないもの」を、平和にわけへだでなく歌えるっていうのは、いいなあと。それにしても、素晴らしい歌でした。わたしの中の思い出とリンクして、せつなさでいっぱいに。きっと音楽ってこういうものなのでしょう。

  • LaLaLa…、プレゼント、LION

 今回のアルバムの中に入っているもののなかで、多分ずっと歌い継がれて行くであろう曲たちだと思います。
 プレゼントはドラマの中身が蘇えって仕方がなかったです。この人、ちょっと前まで菅野さんとお芝居していたんだなあ・・・なんて思ったり(笑)「ライオン」はとってもわかりやすく、文句なしの応援歌です。この人の最近の曲を聞いてみると、素直でまっすく心に届くものが多いです。往年の大スターは、凝りにこった作品作りを経て、年と共にシンプル嗜好に戻っていく人が多いような気がするのですが、この方もそういう域に近づかれた?と思ったり。

  • 発散だー!金持ちさんちの貧乏人、じれったい、キ・ツ・イ、田園

 実は、このあたりのアップテンポのはじける曲が、現在、わたしは一番好きかも。テンションが最高潮になり、ぴょんぴょんはねたくなります。「田園」が流行ったドラマ、「コーチ」は毎回見ていたし、この曲も大好きだったのですが、何年もこんなに好きなままでいるとは、思っていませんでした。この曲だけは、プログラムに毎回入っているとうれしいです。最初はバラードから好きになった玉置さんの世界ですが、会場全部で大盛り上がりの歌が、今は一番大好きです。

  • やせっぽちの星

 ねことの思い出の歌だそうです。わたしにも亡くしてしまったネコたちがいるので、愛猫を思い出して涙しそうになりました。
「なにも してあげられなかったね あんまり一緒に いられなかった」この辺は号泣モノです。
 まとめて考えると、新しいアルバムにこだわらず、いろいろな曲がまんべんなく歌われていました。
 安全地帯の曲も数曲歌ってくれて、もちろん玉置さんがボーカルなのですから、ちっとも違和感がないのですが、「こういうことができる」ということは、ファンの側にも、本人たちにもきちんとした、線引きができているということなのだろうなあと思いました。

  • 「た〜まちゃ〜ん!」と声を掛けたおばちゃんがいて、彼女には前回の大宮でも会ったんです。また会えたわという気持ちと、あまりの間の抜けた掛け声にずっこける気持ちが半々。でもみんなでクスクスと小さく笑いつつ、温かく受け入れられていました。

 また、「男前」という掛け声もあって、吹き出しました。確かに男前です。こんな言葉が違和感ないくらい、50代とおぼしき男性やご夫婦がたくさん。わたしなんて、このコンサートでは若輩者という感じです。穏やかな春のひざしの中で行われたようなコンサート。でも、まわりを見ていても、50代男性は熱いなあと思いました。多分この世代の方々も発散の場を求めているのです。若い子が集まる場所もあっていいと思いますが、はじけるおとうさんたちを見ていると、こういう場が必要だわとつくづく思ったりしました。

  • その他もろもろ

 正直に言うと、前半、声がでにくい?と思う場面もありました。声量は最初から申し分なかったですが、一部高音で声がかすれたりする場面もありました。でも、後半に向けてどんどん声の伸びがよくなった感じでした。彼の声は、ファルセットと地声の切り替えがとってもスムーズでなめらか。ファルセットも声量がたっぷりでダイナミックです。素晴らしく美しいファルセットにやられました。
 わたしは、何を考えていたかというと、どの曲を聞いても「オットに聞かせてあげたかったなあ。オットが聞いたら喜ぶだろうなあ」とそのことばっかり。実は、わたしよりもオットが玉置さんの大ファンなのです。
 彼よりも先に、彼の大好きな歌声を聞いてしまったことに、ちょっとだけ、罪悪感(笑)次回はぜひ、一緒に!!
 それから、古い歌がたくさんあったせいか、自分のいろいろな思い出がよみがえってちょっとヤバイ感じでした。ぽろぽろと流れはしませんが、涙がたまってこぼれそうになったことが数回ありました。多分、特に古い歌にはひとつひとつ、その頃の思い出が一緒にからまっていて、彼のすばらしい歌を聞きながら、どうしても自分の過去が蘇えったり、その曲を聞いた頃の気持ちになってしまったからだと思いました。すごく染みる歌でした。
 いずれにしても、玉置さんとバンドの皆さんのチームは小さいけれど、とてもまとまっていて、お客さんも含めてとっても温かいやさしいムードに満ちていて、とても居心地が良い、温かい空間でした。彼はあまりおしゃべりがうまくありません。何度か自分の気持ちを伝えようと一生懸命でしたが、「いろいろあって・・・」と言ったまま黙り込んだりしてました。
 でも、お客さん側もそんな不器用な彼を良く知っているので、好意的で静かに彼の言葉をゆっくり待っているのです。そんなに大きすぎるホールではないので、隅々までが、好意で満ちているのが、なんとなく感じられて、歌声に満ちたぬくぬくとしたさなぎの中で守られているような心地よさでした。「愛されてるなあ、玉置さん。」とつくづく思い、大好きな人がみんなに愛され、守られているしあわせを思いました。多分、アーチストさんの側でも、こいいうとっても好意的で温かいムードが次のライブに向かう勇気につながるんだろうなあと、そんなことを思いました。
 ひとつだけ、閉口したのは、隣の60代とおぼしき女性のふたり組が、テレビを見ているように、ふたりでしゃべっていたこと(笑)一階席の後ろの方だからと言って、茶の間じゃないんだから・・・と何度かそう思いました。「あのバンドの中にひとり女の子がいるよ。」「え〜?!いないよ」なんて会話をずっとしているのです。「いるってば、奥さんだよ」とかって話を短く終わらせるため、思わず返事をしてしまいそうになって思いとどまりました。変な席に座ってしまったかも・・・と思いかけたのですが、「悲しみにさよなら」を聞いていたおばちゃんが、涙をぽろぽろこぼしているのを見て、「ま。いっか」という気持ちになりましたよ。彼女たちにとっても大切な玉置さんなのです。彼女たちも大ファンのひとりなんだわ、と再確認しました。
 一緒に行ってくれたトモも大満足だったらしいです。(彼女は、バラードがお好みだそうです)あと一度6月の末に見に行きますが、今度こそオットとふたりではじけてきます(笑)