ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 安全地帯 コンサートツアー2011 『田園〜結界』

9月23日東京国際フォーラム、行ってきました。
実は先週届いたアルバム『安全地帯XII』を聴いた段階で既にこのライブに対する期待は半端なく高まっていました。

安全地帯??(DVD付)

安全地帯??(DVD付)

このアルバムです。
amazonのサイトでジャケ写を見た段階では正直に言うととんでもなく盛り下がっていて(ごめんなさい、笑)というのは下の方に「清く正しく美しく」と書いてあったからです。
正直「今それをよりによってアンタが言う!?」的な違和感が拭えずにいました。
そしてそれをこのタイミングで臆せず言ってしまうこの人ってば…やっぱりタダモノじゃない…という恐れのような期待のようなヘンテコな感情。
更にちょっと前に発売になったシングルのタイトルは「結界」といい、このタイトルにも違和感を感じたわたしは、どちらかと言えば拒否モード全開だったのです。
しかーし!!!
自分の気持ちを持て余しつつ届いたアルバムは……正直に言って……聞きしにまさる最高傑作でした。
そして最初タイトルだけでこれはダメ…と決めつけていた2曲が一番リピート率が高い2曲になろうとは(笑)
ああ、これだから人生っておもしろい。
このアルバムについて語り出したら大変なことになるので、それはまた別途。
(ひとつだけ言っておくと、かなりファンク的な要素も感じたのです。某バンドとコラポ…見たひ…かも。こんな気持ちになるなんてびっくりです、ごほごほごほ。)
今日はライブの話をします。
さて。祝日のこの日、昼間はものすご〜く濃厚なつよしトークをしておりました。
数年来の仲良しの友達と、初めてお会いした方と3人で、つよしさんゆかりの場所でたくさんおしゃべり。とてもとても楽しい時間はあっという間に過ぎて…
そのあとで、夕方オットと会場前で待ち合わせました。
なんとなく落ち着かなかったこと、及びこの日すでに1万歩近く歩いていて、ものすごく喉が渇いていたこともあって、開演前からいきなりワインで乾杯するわたしたち夫婦(笑)

画像はワイン越しの東京国際フォーラム。最近わたしはあんまりお酒を飲まなくなったので、いつ以来のお酒だろう?と考えたらなんと仙台以来!すっごい久しぶりです。
会場は男女ほぼ半々。同世代以上がほとんどで、あの場所では、多分わたしは若い方だったかも(笑)夫婦や家族連れも結構多かったです。
2階席は使われていなかった?というツイートを見ましたが、少なくともわたしたちがいた1階席はほぼ満席でほとんど空席はなかったです。
座ってみたら、一番後ろのブロックですが、前が横も縦も通路でびっくりするほど見やすい席でした。
曲はオープニング1曲目が田園!!
後で気がついたのですが、安全地帯としてこの曲をやるということがどれほど特別なことなのか、この段階ではわたしたち夫婦にとってはまだその意味がよくわかっていませんでした。
(というのはわたしたち夫婦が昔ながらの安全地帯ファンではなくて、玉置さんソロからのファンだからです。)
これはいきなりKinKiコンで「ソメイヨシノ」や「妖〜あやかし〜」をふたりが歌いながら出てきたような衝撃なのでした。
このツアーでは他にもたくさんのソロ曲が安全地帯としてカヴァーされていたのですが、多分抵抗がある方にとってはかなり抵抗があったかも?
わたしたちはそんなに違和感はなかったし、むしろ好きな曲がいっぱい聴けてうれしかった…が本音です。
さて。
この1曲目の田園から意に反してすでにうるうるしていたわたし(笑)
まだまだ半信半疑…だったはずなのですけれども…
ああ、こんなに才能ある人が歌を捨てないでいてくれて本当によかった。この歌がまた聴けて本当によかった。ヘンな先入観で来るのをやめなくてよかった…そんな気持ちも徐々に芽生え始め…もう彼の手中に落ち始めている…かも!?(早いよ!笑)
玉置さんは最後までひと言も発せず、ひたすらに21曲、全力、渾身のライブを行ってました。
来るか来ないか?なんてレベルではなく、このライブにステージの上の方々の、どれほどの情熱がつぎ込まれているかはすぐにわかりました。
ああ疑ってごめんなさい。
実はわたし、MCがなかったことも、帰り道まわりの人がしゃべっていた話が聞こえてくるまで気がつかなかったほどでした。
歌やパフォーマンスが何よりも雄弁に語っていたし、不思議としゃべってほしいとはまったく思っていませんでした。
会場は最初の曲が「田園」で総じてノリが良い曲が多かったこともあって、わたしたちより前のブロックはほぼ1曲目から最後まで総立ち。
男性のファンがとりわけうれしいメニューだったと思います。
(わたしも多分そっち組かも、笑)
わたしたちのところからは座ったままでも全然楽しめたので、このあたりの席は結構座っている人が多かったかも。でも、みんなノリノリで手拍子したり身体を揺らしたり…音楽好きの昔少年少女たちは(笑)しばし我を忘れて熱狂的に楽しんでいたと思います。
若干ニューアルバムからの曲が少なくてちょっと不満足な感じもしましたが(単純にもっと新しい曲たちが聴きたかったのです。)わたしたち夫婦にとってはマレーシアで散々聴いた思い出の曲「太陽さん」や「じれったい」「Mr.Lonely」「JUNK LAND」などが聴けたのはとてもうれしかったし、しかも玉置さんの声の安定感、安全地帯やサポートメンバーたちの一体感も半端なくて、いい音でいいグルーブで大満足でした。
特にオットが大好き「JUNK LAND」はありえないくらいすごかったです。
冷静なイントロから徐々に少しずつ上げてゆき、最後fffまで全員で高みに上り詰めて行ったのですが、客席も置いてきぼりにはならず、ちらちらまわりを見たら、誰もが熱狂してとってもいい顔をしてました。
以前にも触れた気がしますが、昨年と今年は以前KinKiコンのサポートにも入っていらした川村ケンさんがキーボードで入っていらっしゃいました。
KinKiの時以来ずっとこの方のブログが大好きでアンテナに入れて読ませていただいているのですが、ひょんなところから玉置さんでまた再会いたしました(笑)
この方、KinKiではとっても落ち着いた素敵なパフォーマンスをされる方という印象だったのですが、安全地帯のバックでは多分最年少でムードメーカー、なんとなくステージでの存在感がレボレボっぽい感じで大好き。
誰よりも熱くて笑顔がとってもステキでした。
玉置さんの次にこの方を追うのに夢中になっていたわたくしでございます(笑)
って、そんなことを言おうと思ったんじゃなかった。その川村ケンさんのブログにもこのツアーの内側からご覧になった感想がたくさん出てきますので、ご興味がある方はご覧になってみてくださいね。
玉置さんは、『ブラトニック>DANCE』ではドラムを『太陽さん』ではシャンベ(西アフリカの太鼓)を叩きながら歌ってらっしゃいましたが、とってもシャープなリズム感とキレのいい音。とても上手で、しかも歌もちっともブレず、心底びっくりしました。
これらの曲以外は、ギターを持って歌っていたのですが、どの曲もフェイク満載、マイクをはずした生歌あり、客席に歌わせて自分はフェイクのみという曲もあり…とにかく歌声の凄さを惜しみなく前面に押し出した演出になっていて、21曲、とにかく歌声をこれでもかと満喫させていただきました。
多分昨年からの一連の出来事や、古くからの安全地帯のファンの方で、いろいろとわだかまりつつライブ参戦した方も少なからずいらしたことと思いますが、曲を重ねるごとにどんどん客席が熱狂していくのが伺われました。
それだけ歌の力が素晴らしく、よく練られ、演奏者がよくまとまったライブだったと思います。
アルバムの中で不思議な味を出している、延々絵本みたいな語りが入っている『無力の剣』という曲があるのですが、この曲がとっても印象に残りました。
小さい頃一人で寝れなくて「これを持って眠りなさい」と王子様が母から渡された剣。大人になって腰にぶらさげたまま抜くことがなかった、父譲りのハイドラの剣。深い闇に伏せた姫のために一度だけ抜いたその剣は実は母からもらった新聞紙の剣だった…というお話から始まるのですが、哀愁漂うとっても素敵な大人の歌でした。
玉置さんが、安全地帯のメンバーがステージでかざす新聞紙の剣。歌声を聴きながらこの光景を見てたまらない気持ちになった方は多分たくさんいらしたのではないかと思います。
最後の方でステージに大きく「V」の字が書かれたフラッグが出てきます。
風にはためくフラッグを大きく掲げて「結界」を歌います。
アルバムの最初の方に「V」はビクトリーのVではなくて、「ピース」(2本の指を出すピースです)だと説明してありました。
まさしく「安全地帯」は平和の象徴、安心できる場所としての「安全地帯」というネーミングだったそうです。
「結界」は田園の世界を踏襲した感じで、これは思いのほかノリノリで気持ちがガーっと上がる元気ソングでした。
安全地帯というとねっとりした恋の歌という印象が強い方が多いのではないかと思いますが、実は元々彼らの頭の中にあった音楽は普遍的な愛の歌だったのだそうです。
戦略として出たデビューソングに縛られていた足かせが、実はやっと「安全地帯」という母体でもはずれたということなのかもしれません。
そして最後の曲は「清く正しく美しく」。
実はこの曲をはじめてアルバムで聴いてから、わたしはこの曲の虜になっていました。
玉置さん作詩作曲のこの歌は、わたしたち以上の世代の人が聴いたら絶対に感じるところがあるはず…という歌です。
玉置さんは

自分の生涯をかけて安全地帯(平和)という名を背負い、その名のもとにいつか世界が一つになれることを心から信じ、そのためにメンバー・スタッフと共に愛のために戦っていきます。
「清く正しく美しく」という「日本」独特のすばらしい精神を伝えたく、これこそ究極の“ラブソング”アルバムと考えて製作いたしました。

と言っていて、このあたりのくだりは誰かさんとも共通点があるところで、別途エントリーを変えて、このふたりを絡めたエントリーをしたいと思っています。
拒否反応がある方には華麗にスルーしていただいて、ちょっと聞いてみたい…という方にっはぜひぜひ読んでいただきたい文章です。
おっと横道にそれちゃった(笑)
ラストの歌「清く正しく美しく」だった。
この歌にはこんな歌詞があります。

「悲しい時は空を見て 誰も悪くないと言おう」
「さびしい時は海に来て もう自分を責めなくていいと言おう」
中略
「悪いものなんてない 悪いものなんてない
この世にあるものはいいものばかりに決まってる」

静かに、でも朴訥と語りかけるように歌う玉置さんの歌声は静かに胸を打ちます。

誰も助けちゃくれない 誰もわかっちゃくれない
自分は自分でしかない

このあたりは、失礼ながらもうひとりの大好きな人のことも浮かんできて(どっちにしろオットごめん、笑)胸がぎゅーっとなりました。
更にこんな歌詞もあります。

もっと笑って笑ってもっと
ぼくらの愛が清らかだとわかるように
中略
もっと手を振って手を振ってもっと
ぼくらの愛が正しいところに向かっていけるように

ああ、大好きな人たちがみんなしあわせでいてくれますように。
世界中のすべての子どもや大人が安心して暮らせる世の中になりますように。
そして涙腺決壊の最大のポイントはここ。

良き人たちのピンチを救えるのは
汚れたものたちの最期のチャンスなのだから
足を半歩前に出せ必ず誰かが見てるから

ここのところあまりにもダメダメなわたしにとっては、痛いけれどもたまらなく励まされる一節でした。
この歌は壮大な歌なのですが、後半部分はほとんど暗がりの中でハンカチを探す作業に追われたわたくしでありました(笑)
アルバムの多分手書きのタイトルを見た時に、この曲がこんな号泣曲になるとは夢にも思わなかったわたくしでございますが、この歌はすべてのオトナへの応援歌だと思います。
「清く正しく美しく…清く正しく美しく」
ほんとにほんとに崖っぷちの彼が最後の力を振り絞って歌うからこそ説得力がありました。
誰がいけないんだ、誰のせいだ…いい加減誰かを責めるのはやめよう。自分を責めるのもやめよう。
何度失敗したってまたやり直そう。国を担う人がどんどん変わる世の中だけど、何度変わっても同じだ…などと思うのはやめよう。
何度でも信じていこう。そして、何より人のせいにしないで、今自分にできることを全力でしよう。
この歌を聴きながら、本気でそんなことを思ったりしました。
ステージの向かって左側にずっとはためいているピースの旗。
歌っていることが、演奏していることが、本当にしあわせそうなステージの上の方々。
最後の方はひとつのドラムを囲んで、安全地帯のメンバーがみんなでドラムのスティックを持ってドラムロールをします。
タッタタタタッ タタタタッ タタタタタタタタタタッ…
心を合わせたその音の心強い響きを聞きながらそんなことを思いました。
アンコールは、安全地帯の大ヒット曲「I LOVE YOUからはじめよう」と玉置さんのリードによるアカペラの「夏の終わりのハーモニー」。
声はひとことも発しなかったですが、音楽でいっぱい語り、とてもいい顔でステージを後にした玉置さん。
わたしたち夫婦はそのあと、なぜか有楽町のプーケット料理のお店のオープンエアスペースで乾杯。
あろいなたべた 有楽町店はまるでマレーシア時代に戻ったようななつかしい雰囲気です。
テラスにあるみたいなプラスチックの椅子、アルミのお皿。スパイシーだけどおいしいリーズナブルなお料理。そしておいしいビール。
この日はほどほどにひんやりした空気、風が吹き抜けていたので、有楽町にいるというよりは、まるでプーケットの海岸沿いの屋台にいるかのようななつかしい感じでした。
ここで約1時間くらいオットとご飯を食べ、思い出を語り、玉置さんを語り帰ってきました。
ライブの時間は21曲みっちりで2時間ジャストくらい。
この濃厚さはまるで4時間のライブを見た感じにも思えて心地よい充実感でした。
週末はしばらく「清く正しく美しく」の呪縛に捉われて、オットもわたしも歌い放題だったのですが、あるきっかけでなぜかNijiの詩に戻りました。
オットを巻きこんで、E☆Eと安全地帯を絡めた話とか、なんだか妙に盛り上がったのですが、その話はまた別途。
安全地帯や玉置さんのファンの方で、今年のライブやアルバムに抵抗があるけど、実は行きたい気持ちもあって迷ってらっしゃる…という方がいらしたら、迷わず行った方がいいと思います。
何度も行かれている方の文章や掲示板を呼んだら、やっぱりライブの内容が素晴らしいので、日に日に評判が評判を呼んでお客さんが増えているみたいです。
百聞は一見にしかず。ぜひぜひ行って自分の耳で聴いてみることをオススメします。