ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 安全地帯 30th Anniversary Concert Tour Encore "The Saltmoderate Show" 4月27日 その1

行ってきました。安全地帯ライブ。
全国ツアーの最後が渋谷公会堂3日間で、ちょうどオーラスのひとつ前の公演を見たことになります。
実は昨年の東京フォーラムCホールでのライブチケットは外れてしまい、行けませんでした。
というわけで、安全地帯としては2年ぶり。一昨年の東京フォーラムぶりです。
玉置さんの生歌を聴く機会としては、昨年のBLUE NOTE TOKYOがあって、ここはライブハウスでバックも最小限、ありえないほど贅沢な生歌満載のステージを経験しました。
あの時は生歌の威力にひたすらやられて、ものすごく感動したのに、感想はスルーしちゃったのですよね。
何があったんだろう?
イマイチその時のことが思い出せません。だからちゃんと書かないとダメなのですよね。
なので今回はリベンジです。
さらに、読んでいただくとわかるのですが、特に今回のライブでは、わたしが好きな別のアーチストさんとの共通点もいろいろと感じたのです。
同じように感じられる方もいるんじゃないかと思われますので、お暇があったらぜひぜひ読んでいただけたらうれしいな。
なにぶんにも長いので、時間がある時にゆっくりとどうぞ。
さて。
渋谷公会堂で開演5時なのに、当日ぎりぎり3時過ぎまでレッスンをしていたし、オットと敷地内に入ったのがなんと4時50分!!うっわ〜ぎりぎり・・・と思ったのに、なぜか会場の敷地はぎっしりとファンでいっぱい。
確か4時半には開場しているはずなのにどゆこと?と思ったら、すでに開場が20分押し。
こ、こ、これはもしかして・・・とよからぬ想像をしてドキドキし始めたところに「リハーサルが長引いていておりますので今しばらくお待ちください・・・」というアナウンス。
玉置さんを前にするとなぜかママになっちゃうわたしは、すでに胃がしくしく。
横でオットが声をひそめもせず、無遠慮に「来ないんじゃないの?」と言うのを「しーーっ!!」「なんてこと言うの。このファンだらけ(あんたたちもじゃ、笑)の環境で!」と押しとどめ(そういう人なんです、笑)ドキドキしながら開場を待つことややしばらく。
なんか情報ないかな?と開いたツイッターで。
「リハーサルが遅れてるそうです。そんなに念入りにリハーサルをやっているということは、どれほど素晴らしいライブが待っているのだろう。ワクワク」というツイートを発見!
・・・なんてポジティブな発言!すごいね、それでこそファン!とすでに負けた気がしつつ・・・(笑)
そうそう。そういう気持ちでいなくっちゃね。
「カッコわらい」なんてくっつけたことを後でひれ伏しながら後悔することになります(笑)だってあまりにも素晴らしかったんですもの。
この方のおっしゃることは大正解、そのとおりでした。玉置さん、ちょっとでも疑ってすみませんでした!土下座(笑)
途中やっとロビー開場、そして本会場と段階を踏みつつ、うわ〜っとそこら中にいた人たちがあっと言う間に会場内に吸い込まれていき、30分弱遅れでライブがスタートしました。
ちなみにロビーにはこ〜んな看板が。

根尻七五三(ねじりしめぞう)氏。
これは今回のアルバムで生まれたキャラクター。もちろん玉置さんです(言うまでもないか、笑)
合言葉は「愛を!!」「鳴らせーーーっ!!」(ほら、どっかで聞いたことあるフレーズでしょ、笑)
「俺に惚れるなよ〜っ!」。「いらっしゃ〜い!」(三枝風に、笑)
ちなみにこの七五三氏(コスプレ)にはライブの最後にお会いしました。涙目で爆笑でした(笑)
ついでにアルバムも一緒に紹介すると。

安全地帯XIV~The Saltmoderate Show~

安全地帯XIV~The Saltmoderate Show~

こちらです。
お花もたくさんたくさん。
このお花も見つけてにこにこ。

前日のライブにフジテレビのキクチさんがいらしていたことを知っていたので、めざましテレビとかでちらっとでも映像映らないかしら?と思ったり。
席についてみたら、ありえないほど前でびっくり。端っこだと思っていたら、全然端じゃなく、センターのブロックでしかもマイクの位置から10mくらい。前回のあの小さなライブハウスよりもずっと近い席でした。ありえない。ドキドキドキ。
こんなに近いんじゃ埋もれても仕方ないなと思ったのですが、渋谷公会堂ってあんなに前の方からちゃんとスロープになっていて、前の人が全然邪魔にならないの。すごく見やすくてよかったです。
ただしそんなに前だったこともあり、一旦始まってから一度も座れなくて、わたしは全然慣れてるけど、腰を痛めていたオットはもうありえないほどヘロヘロ(笑)
そもそも終演後「今日くらいの音響がいいな。音がマイルドで耳に優しかった」と言おうとしたら、オットが「なんであんなにライブ会場って音が大きいんだろう。耳が壊れるかと思った」と言い、この感覚の差!!ゲラゲラゲラ。
年の差なのかライブ経験の差なのか・・・なんだかいろいろと感じ方が違っておもしろかったです。
ちなみにこのコンサートの模様は、6月と7月にスペーウシャワーとスカパー!で放送されるというチラシが配られました。

6月1日(土)BSスカパー!(BS241Ch)午後10:00〜11:30 ※無料放送
7月13日(土)スペースシャワーTV(CS322Ch)午後9:00〜11:00

と書いてありましたので、一応お知らせしておきます。雰囲気だけでも伝わるかと。音楽好きな方にいっぱい見ていただきたい内容になってましたよん。
ここからは、ライブそのものの感想になります。
前にも書きましたが、我が家は玉置浩二ソロから入ったファンなので、正直に言うと、安全地帯の初期の歌は、茶の間程度の知識しかなくて、たとえばアルバム曲の中には知らない曲もたくさんあります。
特に今回のライブはわりとコアなファンが好きなマニアックな曲も多かったような。
とはいえ、近くの席の方たちはほぼもれなくファンクラブの方たちで、超ノリノリ。縦ノリ横ノリ、ナンデモアリ。
ちなみにとなりのおねえさまたちは、手を上げっぱなし腰振りっぱなし。時おり「こうじーーーっ!!」とか叫んじゃったりなんかして。皆さん元気!若い!負けてない(笑)
そしてわたしたちもいきなり始まったディープでロックな世界の雰囲気に一気に飲みこまれ、一気に「どうにでもしてちょーだい!」モードにまで駆け上がる(笑)・・・最初の方はまるでライブハウスのようなノリで、妖しくて色っぽい世界の中で確かなものはステージの上の方たちの存在感だけ。
これだけ近いとちゃんと息遣いが聞こえるし、ちゃんと人の創りし世界だとわかる。その存在感に安心する・・・ってな感じでしたね。
5曲目くらいまでは畳み掛けるような激しい曲が続き、息つく間もなく次の曲へ。やっぱり玉置さんは声量が凄いです。
わたし的に特に印象に残ったのは、3曲目の「悲しきコヨーテ」かな。最初にコヨーテの吠え声から始まるこの曲。その高らかな雄叫びとローヴのような衣装を身にまとった玉置さんの佇まい、別人っぷりにすでにメロメロ。
玉置さんも演じるように歌う人で、わたしは多分そういう人がとても好きなんだと思います。何にでもなれる人。どんな気持ちにも沿える人。
続く「熱視線」では「熱い視線つらぬいて〜♪」のところで指した指、射るような視線がほんとに近過ぎてドキドキ。歌声、音と共に矢のように飛んできました(笑)
途中で何の曲だったか忘れたけど、ギターの武沢氏とふたりで一本のマイクで顔を寄せ合ってハモるところがあって、となりのお姉さま方がキャーキャー言ってるのを見て、ああいずこも一緒とか思ってしまった(笑)
あまりに近くだったので、たとえばアイコンタクトだったり、肩を寄せ合って誰かとマイクを通さずにしゃべったり、ひとこと言葉を交わしたり、そんなシーンもたくさん目撃したのですが、30周年の歴史、もっと言えば学生時代からの同郷時代からの絆のようなものも感じたし、その雰囲気はあまりにも自然で、そんなにグループとしてのファン歴が長いわけではないわたしでも、安全地帯っていいなぁと思いました。
それから、玉置さんは常に全力投球でものすごい声量で歌っているので、やっぱり水をよく飲んでいて、それと同時に何かを口に放り込む姿がたびたび目撃され、しかもちょっとしてそれを吐き出している?ようにも見えたので、何を口にしているんだろう?と思っていたら、のど飴を半分に切って小さくしたヤツなんですって。徳永さんに教えてもらったとおっしゃってました。
あとで聴いた話によれば、前日のライブには徳永さんがいらしてたそうで、喉が枯れてきたら、こうして飴を小さくしたものを口に含むといいと教えてもらったそう。でも玉置さんは我慢できなくて、すぐに吐き出しちゃうとおっしゃってました(笑)

この日は珍しく、長い長いMCがあって、彼は決しておしゃべりが得意な人ではないですが、ゆっくりゆっくりと、でも噛み締めるようにたくさん、本音で話してくれました。

何より心に残ったのは、MCの最初に会場に向かって「愛してます。」「愛してます。」「愛してます。」と3回言って深々と頭を下げたこと。
そして、ライブの途中も、歌いながらも、何度も何度も会場全体に向けて大きく両手を広げて、ぎゅーっとその手を胸の前で交差して、抱きしめるような仕草をしました。
まるで、メンバーとスタッフと、ついてきてくれるファン(と妻ですかね、笑)だけが味方とでも言うようなそんな切実な感じが伝わってきて、胸が詰まりました。
きっといろいろ過酷な道を通ってやっとここにたどり着いたんだろうなあ。
同じ目をした人を知ってる・・・思わず浮かんだ別の顔。

玉置さんという方は、ご存知の方も多いと思いますが、繊細すぎる一面を持っていて、心を病んでしまわれたこともあったし、表舞台から姿を消して軽井沢で静かに暮らしてらしたこともあったし、一時期はファンクラブも解散して、活動が完全に停止してしまったこともありました。

復帰後も、とことん追い込まれていた頃、FNS歌謡祭に来なかったという事件はまだ記憶に新しいところですし、一昨年のツアーの途中の博多では、ライブに出るのが怖くて怖くて、お酒を飲まずにはいられなくなって、ステージでお客さんと喧嘩になって週刊誌ネタにもなり、とんでもなく非難を浴びたこともあったのだそうです。

そんな彼が旧知の安全地帯の仲間たちと手に手を取り合って、もう一度やり直そうと立ち上がったのが去年。
去年は30周年にもかかわらず、半分謹慎中のような事態でもあって。
記念ライブは故郷の北海道でひっそりと行われたのと、フォーラムのCホールのみ。わたしたちのように外れたファンもたくさんいました。

そして今年が本当の意味でのリベンジ。
全国ツアーを行い、ひとつひとつの場所を丁寧に回りつつ、30年のやり直しツアーということで、タイトルにも「30th Anniversary Concert Tour Encore」、「アンコール」という文字が入ったりしているのでした。
一昨年、問題になったところでもちゃんとおわびライブを行い、どんな風に思われても仕方ないと思ったけど、ファンが暖かく迎えてくれて、本当に感動したそうです。

MCの最後の方では、福岡での喧嘩事件のあとは、安全地帯解散まで考えたという話まで飛び出して、ああ、解散をしないでくれて本当によかった・・・と胸をなでおろしたシーンもありましたが、一方で前向きな未来の話も。
学生の頃、アフリカの子どもの写真を見たことが忘れられず、せっかくこうして仲間と共に音楽活動をしているのだから、ほかにも仲間を集めてアフリカの子供たちを助けるための活動を始めたいという話をしてらして、そこがとても印象的でした。
自分を立て直すことだけで精一杯だった玉置さんが、今は音楽により健やかさを取り戻し、アフリカの子どもたちに何かできないかと前向きに動き出してらっしゃる。
その道のりはきっと長く厳しく辛いものだったと思うけれども、ああ、ここまで元気になったんだな。本当によかった・・・と感無量という気持ちになりました。

最後の三日間は東京だったし、わたしが参加した27日にも、たくさんのお客様が会場にいらしていたそうです。
影でずっと安全地帯や玉置さんを支え続けてきた方たち、安全地帯の恩人の方たちへお礼のの気持ちを歌にこめた特別なコーナーもありました。
(多分、この辺のリハーサルで時間が押したものと思われます。)

売れてる時も売れなかった時も、玉置さんがトラブルを起こした時もずっと見捨てず見守り続けたスタッフの方々。
今は亡き、安全地帯の今後を心配し続けて亡くなったプロデューサーの方を悼むコーナー。
「希望の光」「海路」あたりが新しいアルバムの中では感謝の気持ちを表す曲たちという位置づけで歌われてましたが、ものすごく前向きで、メロディーも美しく、清々しい曲たちでした。
これらの曲と「ただいま・・・おかえり」という曲が新しいアルバムの中でも心が温かく満たされる曲たちで、聴いていて幸せな気持ちがあとからあとから湧いてくる感じ。
アップテンポでガンガンいける曲も大好きですが、玉置さんの歌うこういう前向きな気持ちをもらえる曲もやっぱりわたし、大好きです。
年齢を重ね、たくさんの失敗、障害を乗り越え乗り越えここまで歩いて来たからこそ浮かぶメロディーや詩。

これらの曲は、わたしの中ではどちらかと言うと「命」に着目する玉置浩二ソロテイストの曲っぽい?とも思えるような曲だとも思えたのですが、なんとなくそのふたつの世界(安全地帯とソロ)が無理なく融合し始めているような、そんな感じを覚えました。本当のところはよくわからないけれど。

それからこの日は、これまた玉置さんの恩人とも言える松井五郎さんのためのコーナーもあり「悲しみにさようなら」が歌われました。
ご本人はお母さまの急病によりいらっしゃれなかったそうですが、とても暖かい雰囲気の中歌われましたよ。

同業者の中にも東京公演にいらした方が何人かいたみたいで、徳永さん、miyaviさん、コロッケさん、翌日は沖仁さん、津軽三味線奏者の上妻宏光なんかもいらして、何人かはステージに上がられてセッションもされたそうです。

前日には坂東玉三郎さんがいらしてたそうなのですが、中でも玉置さんが語っていた、玉三郎さんの言葉はとても印象的でした。
ちょっとニュアンスが違うかもですが、紹介すると・・・

玉三郎さんは、どんなことがあっても、あなたはやめちゃいけないよ。
何を言われても前を向いて歌っていればいいんだ。
覚悟を決めなさい・・・的なエールを送ってくださったのだそうです。

そのMCを聞いていて、たとえどんなに苦しい時も 「見てる人は見てる」 「わかってくれている人はいつだってちゃんとそこにいて、どんな時もわかってくれている」というのを感じました。

なんとなく本当の実力がある人、本当に前に出るべき人が前に出ていない感じがする最近の音楽世界ですが、1mmでも動かそうと日々努力を重ねている人のチカラを感じたライブでもありました。
はぁ。
(何考えてるの?って?・・・多分言わずもがなですね。ビンゴ!笑)

最初アカペラから始まってキーボードの薄目のバックの音とコーラスだけで歌われる「希望の光」という曲にはこんな歌詞があります。

ここからだ ここからだ
ここからやるんだ
さっきまでのこの男に
さあ、ケリをつけて
言ってやろう 
希望という
君がいると

清々しい決意。いくつになってもまた始められる。中年男女がたくさんいた会場ですが、きっとみんな励まされたんじゃないかな(笑)
いえいえ、若い子たちも前回よりずっと増えていたのですが、その子たちの心にもきっと届いたに違いありません。
素晴らしかったです。

そして驚いたことに、このコーナーが終わってそろそろ後半戦かな?と思っていると、一旦玉置さんとキーボードのお二人以外がみなさんはけてしまわれるではないですか!!
(次のエントリーへ続く)