だいぶ前になってしまいましたが、オットと参加してきたのでメモ書きしておこうと思います。
実は先週末、次のライブに参加してきてしまい、そっちも書きたいわけですが。
ひとつちゃんと書き終えなければ次にはいけない気がしていて…
とりあえずこっちから着手しました。(そもそも遅いよ!いつのだよ!!)
玉置さんのこのツアーに関しては9月の国際フォーラムにKinKi友ふたりとともに参加することが決まっていて、彼女たちの反応がとても楽しみなので、あんまり書きすぎちゃうとアレ(笑)かなと思い、今回は簡単に書きます…
(と書き出したのですが、最後まで書いたらやっぱり長くなってました。いつもながらの短い詐欺!笑)
玉置さんについては、もうひとつ、ここ2週間以上書いたり消したり、推敲したりを繰り返している下書きがあって。
タイトル「ガラクタだけど〜♪あなたにだけ歌える世界を教えてよ〜♪」というの。
「はぁ〜!?何それ!?」という方と、かたっぽだけなんとなくわかる方と。
「はは〜ん!アレとそれだね!」という方…といろいろだと思うのですが(笑)
これはもうさかのぼること3週間前くらいから、玉置さんの歌とつよしさんの歌との混ぜ混ぜの日記企画として着手。
でもなかなかに行き詰って、やっぱり別々に分けて書こうかな〜とか、えい!一緒にあげちゃえ!とか毎日迷っては決められず今に至ってます(笑)
ああ、こっちもどうしよう。
まだまだ迷い、推敲は続いていく…
というわけで、自分的にアップしづらいものはすっ飛ばして(笑)まずは葛飾でのライブについて。
今回「故郷楽団」というタイトル以外にほとんど情報がなくて、しかもあえてあんまりネタばれを読まずに参戦しました。
普通はアルバムなどが出てツアーというパターンが多いと思うし、実際玉置さんもそういうのが多かったと思うのですがあの魅惑のカヴァーアルバム「群像の星」も出したばかりだし。
近々、オーケストラとの共演のツアーも精力的に行われたばかりだし。
今回ばかりはまったく何をやるか想像できず、バンドもどのような方々が出るのかもまったく知らずに出かけました。
イメージとしては、多分「楽団」ってついてるからストリングスを含む大編成のアンプラグドのオケ的なものと、安全地帯のみなさまなど、プラグド系のいつものバンドの融合?なんて思ったりもしたのですが、半分は想像どおりで、半分はちょっと違ってました。
バックミュージシャンは本当に最小限。
こんな風でした。
キーボード トナミヨウ氏
ベース 六土開正氏
パーカッション 中北裕子さん
バイオリン 吉田宇宙氏
チェロ デュブイ ロビン氏
そしてギターが必要な場面では、玉置さんみずから演奏してました。
いろんな人のライブに行きますが、ここまでバックの人数が少ないライブは久しぶりで新鮮でした。
実を言うとここ最近思っていたこと…
それは、上手な歌手の歌ほど、なるべくシンプルな編成で、声そのものの魅力を堪能したいという気持ちが強いのに、売れてくればくるほどバックバンドが豪華になりすぎて、肝心な歌い手さんの歌が前面に出ないライブも多々あって残念に思うことが多かったのでした。
玉置さんは声量がスゴイから、どんなにバックバンドが豪華になったとしても声が埋もれてしまうことはないですが、それでもやっぱりバックが少なめの今回、とても贅沢に感じたのは、歌声がどんなときも前面に出て、存分に堪能できたからというのもあるような気がしました。
さらに…
今回この少ないメンバーの中にバイオリンとチェロがいて。
音がいい会場だったこともあって、玉置さんの声と弦との相性がすばらしく、お互いがお互いをとても引き立てあっていたような気がしました。
特に今回はわりとしっとりと聴かせるナンバーが多かったですし、弦の横にゆれる流れるような美しい音色は、まるで敷き詰められた分厚い絨毯のよう。
玉置さんの歌声をやさしく包みこんでせせらぎのような、そよかぜのような流れを作り、全体として気持ちのよい空間を生んでいたように感じました。
最初の1曲目に入る瞬間はチェロの心地よいフレーズからスタートしたのですが、重厚で、でもとてもなめらかで、ライブの世界にやさしくいざなわれて、とってもhappyな気持ちでするりと曲の世界観に入れた気がしました。
セットリストでは、最初の「花咲く土手に」がわたしの大好きなアルバム「カリント工場の煙突の上に」の1曲目の曲で、これをわたしがライブで聴くのは初めてだったかも。
これ、発売はいつだったんだろう?と思いamazonさんで確認したら1993年ですって!!
もうすりきれるほど聴いて(最初はテープだったのですよ!びっくりです、笑)完全に歌詞も頭に入っている曲を初めて生で聴く感動ったら。
この曲はふるさとで行われたおじいちゃんのおとむらい、野辺送りに参列する人たちを淡々と描写している曲で、郷愁を誘われるとても素敵な歌です。
花咲くふるさとに 星が落ちて
みんな 真白き 百合を抱いて
春風の中を 歩く
わたしが始めてこの曲を聴いたときは多分30になったばかりくらいだったんじゃないかと思うのですが、今聴いてもまったく色あせず、それどころかわたしも年を重ねたし、より実感を持って新鮮に響いてきて、こんな風に時を経て、また違った気持ちで名曲に触れられることのしあわせを思いました。
続いて2曲目の「カリント工場の煙突の上に」は何度もふぇるまーたでも触れていると思うのですが、やっぱり同じアルバムの歌。
この曲にも玉置さんの故郷での小さい頃の思い出がぎゅっと詰まっていて、歌詞もとってもリアルです。
北海道は、玉置さんの、安全地帯のみなさんの思い出の地であって、わたしの思い出の地ではないはずですが、アーチスト自らが思い出を手繰り、描いた世界を自分で歌う「ふるさとを歌う歌」というのはなんと普遍的に、心の心を揺さぶるものなのだろうと思いながら聴きました。
多分その地が北海道であれ、奈良であれ、東京であれ…そんなことはどうでもいいのかもしれません。
誰もが自分のふるさとを思いながら、いえいえ、わたしのように「ふるさと」と明確に言える場所がありすぎる?あるいは見当たらない?人もいると思うから、それぞれがその人なりの「心のふるさと」を思いながら聴けばそれでいいってことだな…
そんなことを思いながら存分に浸りました。
続いて挟まった「ALL I DO」や「aibo」はわたしにとっては比較的馴染みがない曲でしたが、前者は先日テレビでも歌われたし、後者は自伝的な本で読んだむかしの玉置さんを思わせる歌詞で、ぎゅーっと心を締めつけられたり、なつかしさにふわっとやさしく包まれたり。
わたしにとってはいろいろと、新鮮な気持ちで浸れてとてもよかったです。
そして「ふたりなら」がセットリストに入っていたことに震えました(笑)
これまたものすご〜く好きな歌。
そして、ふぇるまーたの常連さんなら多分ご存知だと思われますが、この歌は男女の恋の歌でありながら、わたしがいつもKinKiさんの絆を思い浮かべる曲でもあって(笑)
君がふさいだら ぼくが笑わせて
同じ夢 わかちあって
の歌詞も大好きだし、
君が泣いたなら 僕が笑わせて
ころんでも 立ち上がって
見つめあい 手をにぎって
な歌詞にもやっぱりグっときました。
ふたりなら 愛がある
迷ったなら そこへ帰る
最後には愛がある
それだけで 生きる
シンプルにスタートするけど、展開はなかなかにドラマチックで、とっても心が伝わるいい曲だなぁと思います。
玉置さんの歌声は、昔よりずっとシンプルになっている気がして。それがまた歌の世界観を引き立てるような気がしました。
どの歌手もそうだけど、年を重ねるにつれ、よりシンプルになっていく気がします。
若いころにはテクニックの限りを尽くして歌を歌っていた方々も、余分なものをそぎ落としてさらに洗練された歌の世界を構築していくような気がします。
もちろん何度も歌い、たくさんの経験を積み、それがまた歌に反映されてもいるのだろうと思いますが。
玉置さんの人生は、伝え聞くだけでもかなり波乱万丈で、アップダウンが激しく、世間的にもかなり叩かれたりした時期もありましたが、それらの経験でつぶれず、必死で這い上がってきた人だけが持つやさしさみたいなものが滲んでいて、だからこそ無敵の包容力を得て、本当の意味で人の心を打つ表現を手に入れたのかもしれないと思います。
この日の歌声は、本当にシンプルで、だからこそ音楽や表現そのものの純度が上がったような感じもあり…しみじみと伝わるものがありました。
できれば今回のように、時々はあちこち過去の扉を開いて、今の幾多の経験を積み重ねた身体と心で…いろんな歌を歌って欲しいなぁとしみじみと思いました。
セットリストの中には「サーチライト」とか「田園」とか「太陽さん」とか「メロディー」とか、ここのところ、比較的よく歌われる歌もたくさん入っていましたが、バイオリンやチェロの音が入ったことによって、またちょっと違う雰囲気も感じました。
特にバイオリンが自由に飛び回るオブリガードは音楽の自由度を増したし、洒落っけもたっぷりで。
さらに、六ちゃんのベースが、いい意味でアンプラグドでふわっとした演奏陣を下からがっちり支えていて、音楽に芯が通った気がしました。
リズム隊はドラムがいないので、パーカスの中北嬢がひとりで担っている感じでしたが、彼女は女性でありながら、とても力強く、紡ぎ出される音はどこかおかあさんのような包容力もあって、このバンドの音に合ってました。
特にシンバルを素手でパシっ!パシっ!と要所で叩く手がとっても印象的でした。
余談ですが、わたしの大好きな小説の登場人物に、船の料理人で釣りと天候を読む名手という、船全員の胃袋を預かる肝っ玉おばちゃんがいるのですが、なんだかそのおばちゃんのことを思い出しました。
いえいえ、中北さんがおばちゃんだということではありません。
このバンドの中枢を担う感じ、彼女が時々バックメンに指令を出したりしている様子がとっても頼もしく、音にも現れているなぁと思ったの。
彼女のパーカスは本当にかっこよかったです。
そうそう。
そういえば、今回は多分やらないだろうと思っていた、「群像の星」に入っている、他のアーチストさんの曲たちも歌ってました。
「I LOVE YOU」と「やっぱ好きやねん」の2曲です。
驚いたことに、前回ライブハウスで聴いたときよりも、もっともっとこれらの歌が玉置さんのものになってました。
まだまだ進化し続けていることにもびっくりだったし、先日「音楽と人」だったかで読んだレビューをまた思い出しました。
「これはもはや、(オリジナルの歌手への)憑依というようなものではない。音楽の乗っ取りだ!!」というアレです。
まさしくまさしく!!
前回よりさらにこの歌を自分のものにしていて、すばらしいなぁと思いました。
そしてそして。
わたしがこの日一番感動した曲のひとつに「あの時代に」という曲があります。
これが聴けたことが、この日一番の収穫でした。
この曲を聴いていると、玉置さんってほんとにシンガーソングライターとしてすばらしいと思います。
メロディーラインも大好きなら、曲の構成も展開がとてもドラマチックで意外な方向へ転がっていくのに、ちっとも強引じゃなくて…
ほんとにほんとに大好きな1曲です。
歌詞がまたすばらしいです。
ああ、分かち合っていただきたいのでyoutube張っちゃお!
この曲は1996年に発売された「CAFE JAPAN」というアルバムの中の1曲で、このアルバムもまたマレーシアで買ったのですが、いい曲ばかりで大好きなアルバムのひとつです。
この曲に関して言えば、作詞は須藤晃さんとの競作ですが、曲は玉置さん。
この曲もまたCDよりもさらに洗練された歌声でした。
いろんなことがあった過去を懐かしみ、何をも否定しない温かさ。
包み込むようなやさしさ。
ああ、玉置さんの最近かもし出している包容力のある雰囲気そのものだなぁという感じがして…とてもとてもよかったです。
ちょっとはしょりながら書きましたが、ライブそのものは休憩を挟んでも全部で2時間くらいかな。
ここのところ音がいいホールが続き、耳が贅沢になってしまったのではないか?という懸念を持つくらいなのですが(笑)やっぱり上質な音楽はいいホールで聴きたいですし、武道館やドームもたくさんの人が入れるという利点もあっていいとは思いますが、一方で本当の意味で音重視のアーチストさんがもっともっと増えていくといいなぁと思います。
逆に言えばごまかしがきかないとも言えるわけで、かなり上手な人じゃないと逆に辛いかもしれませんが…
今後どんどんホールの建て替えや修理修復に入る場所が増えることを考えると、こんな風にクラシックもやる音楽ホールを使うアーチストさんがもっと増えてもいいのではないかと思います。
こういうコンサート、大歓迎です。
さて。
ここからはライブそのものの感想とはちょっと離れますが。最近の音楽業界について思っていることを。
昨日、たまたまテレビを見ていて、今週のアルバムチャートのニュースがあって、一位のアーチストはものすごい売り上げらしいのに、まったく耳にする機会もないことに心底びっくりしたのですが、聞けば、細かく違いを分けると11種売りなんですって。
中身がどれだけ違うのか、特典がどんなものなのかはわからなかったですが、11種って…と絶句してしまいました。
もちろん聞いたことがないのだから、すばらしいとかダメだとか、判断することすらできないわけですが。
少なくともアーチストさんは誰もが一生懸命できることを精一杯やっているだろうに、まずはその「11種」の方に目がいって、残念ながらイメージとして、それがマイナスに働いてしまうのが、なんだかとっても気の毒な気がして…
そしてさらに商売が先を走り、歌っている人たちが置いてきぼりになっているような変な感覚を覚えました。
もちろん商売にならなければ、儲けも何もないわけで、次はない…ということがあることは想像に難くないですが…それはそれとして、やっぱり「これでいいのか!音楽業界!」と思ったので、そう書いておきたいです。
クラシックをやっていると、長い年月を経て残ってきた名曲にたくさん触れる機会があるわけで、一方で「今日生まれた音楽の中で、100年後、200年後に残っている音楽はどれくらいあるかな?」なんてことを常に考えてしまいます。
後の時代になった時に今が「あの頃は音楽の暗黒時代だった」なんて思われる時代にはなってほしくないなぁと思うのです。
一方で玉置さんに限らず、歌うこと、音楽を奏でること、楽曲を作ることが人生そのもので、その人が生み出した、あるいは表現した音楽が、人の心を動かさずにいられない、才能あふれる方々も実は今の時代にもたくさんいて。
そういう音楽を切実に求めている人もいて。
それらがイコール商売に結びつけばこんなしあわせなことはないのでしょうけれども。
商売という側面を時には抜きにしても、無形文化財のように見守り、保護されなくてはいけない「音楽」っていうものがあるんじゃないかなぁと思ったり。
あるいは「本物」をちゃんと見抜く目を持った商売の才能にあふれた方が、本当に守られるべき音楽を、商売というカタチにうまく乗せ、広めるという道がもっとあればいいのに…とか。
いろいろと思う今日この頃なのでした。
玉置さん、本当に素敵でしたよ。
わたしが次にこのツアーの音を聴くのは9月初旬ですが、全国を回っている間に、どんな進化を遂げているのかとても楽しみです。
余談ですが、とりあえず日程が京都とかぶらなくてほんとによかったです。
もちろんあちらはまだまだ取らぬ狸の…ですけれども。
ああ神さま、いい子にしているから…(笑)両方を存分に堪能できますように。
最後にセットリストを載せておきます。
1花咲く土手に
2カリント工場の煙突の上に
3 ALL I DO
4 aibo
5 ふたりなら
6 サーチライト
7 それ以外に何がある
8 しあわせのランプ
9 あの時代に
10 I LOVE YOU
11 やっぱ好きやねん
12 君がいないから
13 太陽さん
14 MR.LONELY
15 田園
16 メロディー