ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 きみはいい子

溜めすぎてて、もはやどこから書いていいかわからないので(笑)新しい日記から書くことにします。
書きかけの日記がいっぱいあるので、もうちょっと舌?がなめらかになったら、だんだんにアップしていきたいです。

昨日はどうしても見たい映画があって、銀座まで行ってきました。
ほんとうはもうちょっと近くで見たかったのですが、ちょうどいいところでやっておらず、楽譜を買いがてら丸の内のTOEIに行くことにしました。

大好きなブロガーさん、のんのんさんが薦めてらした「きみはいい子」です。
ちなみに公式サイトはこちらです。

HPに飛んでいただいて、イントロダクションを開くと太字でこんな風に書かれています。

かつて子どもだったすべての人にー

誰もが誰かに傷つけられ 誰もが誰かに愛されている
人と人のつながりから生まれるささやかな「しあわせ」を描く、再生と希望の物語。

設定だけちょっと説明すると、とある小さな町の群像劇です。

主となる舞台は3つあって、ひとつは社会人一年生の主人公(高良健吾くん)が勤める小学校。
もうひとつは一人暮らしのおばあちゃんが住む学校のそばの古い家。
そして、夫が単身赴任中で、小さな娘とママ(尾野真千子さん)が暮らすマンションの一室です。

この方々の日常は近いところで展開していますが、重なり合うわけではありません。

いじめとかモンスターペアレンツとか、学級崩壊とか、給食費とか、解決がむずかしいさまざまな問題たち。
かつて幼児虐待された人がまた親になって自分の子どもを虐待してしまう問題とか。
ママ友社会のむずかしさとか。
老人の万引きの問題とか、認知症なのかどうかグレーゾーンのところにありながら、一人暮らしを余儀なくされているおばあちゃんとか。
自分の子どもに障がいがあって、常に周りに気を使い、張り詰めて生きてるおかあさんとか。

今、社会で起きていることを淡々と描く前半はちょっと救いがないようにも感じますが、イントロダクションにも書いたように、ふとした経験からヒントを得て、主人公は明日への希望を見出します。

暗いひとりきりの部屋の中で、日々仏壇の中の家族とお話するだけだったおばあちゃんにも、閉塞感あふれる親子にも転機が訪れて、小さな希望の日が灯ります。

予告動画の最後の方に大きく

世界は救えないけど誰かを救うことはきっとできる

抱きしめられたい 

子どもだって
おとなだって

というテロップが出てくるのですが、ほんとにね。ほんとにほんとにそうなんだ。

最後の方の、登場人物たちに畳み掛けるように変化が訪れる展開がとてもとてもすばらしいです。


主人公の高良くんも尾野さんも、久々に見た池脇千鶴ちゃんも、富田靖子さんも…渾身の演技でとってもいい味を出してました。

ちーちゃんは子だくさんのちょっと抜けてる感じの一昔前のかーちゃん?なタイプのママになりきっていて、相変わらず演技派だし。
尾野さんの抑えた演技も、だからこそちょっとそら恐ろしい感じもあってすばらしかったです。

おばあちゃん役の喜多さんの包容力のある演技、久々に見た男闘呼組高橋和也さん、こんな方でしたっけ?
何があっても動じない、穏やかで温かい特殊学級の先生をとっても素敵に演じてて、好感度アップ!

見終わったあと、わたしも物語のふところにぎゅーっと抱きしめられたような気持ちになりました。

とても心がぽかぽかと温まり、やる気が沸々と沸いてきて、さぁ歩き出そう!という気持ちになれる映画でした。

個人的に言えば、実際、ここ数ヶ月相当煮詰まっていた心がほどけて、やっと本当の意味で前向きを取り戻したような気がしました。

いえいえ。特に具体的に何があったわけでもないのですが…

ここのところ、いろいろと消化できない、でも誰にも言えないような小さなことの積み重ね、結果として一人で抱え込んでは煮詰まって、ため息ばかりついていたことが多々あって。

表面上は普通にそこそこ楽しく、ふわ〜っと暮らしていたのですが。

わたしの底の底の方で膝を抱えてずっとめそめそと泣いていた小さな子ども(ちょっとスピリチュアル的な表現を借りるなら、インナーチャイルドってヤツですかね、笑)が抱きしめられて笑顔になったような、そんな気持ちになりました。

時々は抱きしめてあげなきゃダメだなぁと思いました。誰でもなくわたしが…わたしの中の小さな子どもを!!
ほんとの意味でそれができるのは、きっと自分しかいないのだ!!

映画館を出るときは、断続的にそぼ降る雨にも関わらずとてもとても晴れやかでした。

ひとりパープルの傘を差して、銀座を歩き、ごはんを食べ、楽譜を探しに楽器店へ行ったのですが、行きはモノクロームだった世界にカラフルに色がついたような、大きな大きな変化を感じました。

これ、ほんとオススメの映画です。

朝の回でしたが、映画館は思ったよりは人が入っていて、わたしのようにひとりで来ている方が多かったです。

扱っているテーマは決して明るくはないですが、とにかく見終わった後が気持ちいいので、ぜひぜひオススメです。

わたしも仲良しさんのブログの感想で出会ったので、みなさまにもおすそ分けさせていただきます。
のんのんさ〜ん、ブログに書いてくださって、本当にありがとうございました♡

ちなみに…

ごはんをたべた後で、楽器店で2時間くらい楽譜を探していたのですが、とてもとても欲しかった教本を見つけました。
探しに行ったのは新しい生徒用の楽譜だったのですが、偶然に見つけた一番の収穫は、自分用のものでした。

ボロボロになるまでお付き合いする予感のテクニックの教本です。
多分とっても意外なやつ。

この話は新しい生徒話とともに、また別途。