ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 人生いろいろ

 昨晩の余韻から一転、わたしはと言うと今朝からレッスン続きです。でもなんだかこうやって、朝から堂々と音楽と人の間に立てるというのがとてもうれしかったりして。どうやらまだ昨晩の興奮を引きずってます。なのでわたしにしてはちょっとテンションが高いレッスンをしているかも。クールに面白くが売り物なのですが、なんだかちょっとキャラが変わっています。今日の生徒はラッキーなんだかアンラッキーなんだか(笑)ただ今のところ、午前中の3人を終えて、午後のレッスンまでブレイク中です。火曜日なので、夕方は8時半まで続いていきます。体調は少し食欲がセーブされているほかはほとんど元通り。こんな時、丈夫に産んでくれた母には感謝しなきゃと思います。
 さて、演歌みたいな表題ですが、最初に来た生徒さんの話です。突然降りかかった災難により、ぎりぎりの精神状態でやって来ました。話を聞きながら同情でいっぱいなのですが、うまい言葉が見つかりません。
 何が起こったかというと、彼女と大学生の息子さんがバイトしているコンビニが実は先週突然閉店して、親子で失業してしまったそうです。そのコンビニと言うのはこの間わたしが「コンパス」があるはずと最初に走りこんだ、一番家から近いあのお店です。この突然の閉店騒動で、今地元では大騒ぎになっています。かなりの収入をそこで得ていた彼女と息子さんはもちろん「被害者」と言っても良い立場なのですが、苦しい立場なのは、コンビニの経営者が弟さんだったから。実の姉弟なのに、閉店まで追い込まれた現状を全く知らされていなかったのだそうで、それが何よりショックだったそうです。「お客さんと同じように、ある日店に出ようと通って来たら、張り紙を見たのよ」と涙ぐんでおっしゃっていました。家族の問題やお財布事情や諸々がいっぺんに表に出て、地元にほとんど集まって暮らしている親戚中がぎくしゃくしているし、間にはさまってどうしていいものやらわからない・・・と。気の毒でかける言葉もありません。
 そんなわけで珍しく「練習してありません」と。「大丈夫、大丈夫」と今日のレッスンは一緒に新曲の譜読みをして、片手と連弾などをしたのですが、最後に「先生、『明日に架ける橋』と『アメージンググレイス』弾いて」とおっしゃるので、ちょっとだけ聞かせてあげました。初級用の楽譜なので、そんなにむずかしいアレンジではありません。なのでカッコイイ演奏にはなりませんが、心をこめて。
 どちらも彼女にとってはちょっと前に取り組んだ曲たちです。こんなへたっぴな演奏に涙ぐみながら耳を傾けてくれた彼女は、「もう1回、しばらくこの2曲やってもいいかしら?」と。もちろん、もちろん。この曲たちが彼女を励ましてくれますように・・・。この曲を毎日弾くことで、彼女が元気を取り戻せますように。