先日来、日記にいろいろと書いていた、Sちゃんの妹のTちゃんが今月いっぱいでピアノをやめることになりました。
6年生だし、この間おねえちゃんのSちゃんのことで、お母さまと散々丁々発止があったので(涙)小学校卒業と共にきっとおしまいかなぁ?と予測はしてましたが、少し早めにその時はやってきました。
とても哀しいことに、TちゃんもおねえちゃんのSちゃんとまったく同じパターン。
お母さまに相当強引に、前の塾から次の塾へとシフトさせられて。
一旦新しいところへ行く気にさせてから、前の塾をやめさせないで、一週間を新旧の塾で完全に埋めてしまうという技に出られてしまいました(涙)
もう昨年末の時点でお母さまの中では心は決まっていたようでしたが、幸いにもまだ年をまたいだ振替含め、5回分のレッスンが残っていて。
突然会うことも許さずで退会させたおねえちゃんの時と違い、今月分は取り上げられずに済みました。ありがたや~
火曜日の夜遅く塾の後と、あとは日曜日の夕方しか空いてないということで、これまたおねえちゃんの時と同じ日曜日も返上で最後のレッスンの日々を過ごしています。
せっかくいただいた残り1か月、精一杯彼女にできることをしてあげたいです。
わりと直感的に(というか勘だけ頼りにともいう、笑)テキストや曲順など選ぶタイプですが、今回はものすごく時間をかけて入念に作戦を練って、Tちゃんとのラストの1か月に挑んでいます。
幸いにもお母さまに言われてやめるのであって、Tちゃん本人のピアノへの熱は失われていないようなので。
彼女の今のレベルで、無理がない方法で。
たとえば塾が忙しくてあまり練習する時間が取れなくても、ちょっと弾きごたえがあって、思いきり魅力的な曲を数曲仕上げて、いい気持ちでレッスンを終われるよう、全力投球です。
ただ…1月最初のレッスンに来た時、元々はすごく明るくて楽天的な子なのに、ほとんど口をきかず、無表情だったし。
ニキビがたくさんできていて、いかにも疲れた風だったのがとても気になりました(涙)
大変なんだろうなぁ、余裕がないんだろうなぁと思ったわけです。
元々音楽は癒しだから、ちょっとでも気が晴れるといいのだけれど…
Tちゃんはピアノを習い始めたのがそもそも3年生の3学期だから、まだ習い始めて3年弱。
十分にピアノのレッスンを経験させてあげられたと自信をもって言えないのは少し残念ですが、それでもきっと得たものはたくさんあるはず。
ピアノを習っていたのよいたのよ~と自信をもって言わせてあげたいではありませんか!!
そんなこんなで、わたしがラストひと月のレッスンで選んだのは次の曲たちです。
バイエル 「105」「106」
平吉毅州 虹のリズムから 「踏まれた猫の逆襲」
〃 〃 「エンターティナー」
全部やらなくても一部でもいいなぁと思ってましたが、最初の火曜日と日曜日、2回ですでにしてすごく楽しそうな顔になって、言われなくても練習してきてくれてるし、とてもいい状態になってきて、なんとなく明るい見通しも立ってきました。
最後のひと月ということで、お母さまが弾いていても叱らないで大目に見てくださっているそうで。
きっと練習することが楽しいのだろうなぁと思います。
バイエル105とスクランブル交差点はもう仕上がっていて。
踏まれた猫の逆襲は思いのほか楽しかった模様です。
実は彼女、3年生でピアノ教室にやってきた一番最初に「せめて猫ふんじゃった」くらい弾けるようになりたいと言っていたのを思い出しました。
その「猫ふんじゃった」が最初に教えてあげた曲で(笑)ラストに「踏まれた猫の逆襲」ってドラマチックじゃない?と言ったら、声をあげて笑ってて、とても喜んでくれました。
「踏まれた猫の逆襲」は、猫ふんじゃったのパロディーっぽい部分もたくさん入っていて、ニヤッとする箇所がたくさん。
さらに複雑なメロディーやリズムで翻弄してきて…その割にはわりと弾くことはやさしめなので、とても気に入ってくれました。
一方で、バイエルはピアノを習ったことがある人にとって「終わっている」と思えるのと、途中でやめちゃったというのではずいぶん印象が違うから。
どうしても「おしまいまで終わった」と自信を持たせてあげたくて「これだけは何がなんでも」と思ってました。
ちょうどあと2曲でおしまいというところまで来ていたし、ことのほか105番はすぐに仕上がって、今は普通に卒業試験としてちょっとむずかしめな106番に挑んでます。
スクランブル交差点は、クラクションっぽい重音で交差点でいらつく運転手っぽい音を鳴らしたり、すいーすいーと車が流れる描写があったりして、とても楽しい曲なので、あっという間にできちゃった!!
エンターティナーとブルグミュラーのアラベスクは、これらが弾けたら絶対に楽しいはずだし、自信をもって勧められますが、あまり練習しないでやるには、少し難易度が高いかなぁ?と思ってたのですが…なかなかどうして。
今はとてもやる気満々で、心底楽しそうです。
月末にはお別れだと思うと少し…いやいやかなり、さみしい気持ちもありますが。
彼女とわたしの間で仲たがいをしたわけでも、彼女がつまらなくなってやめるわけでもないので。
結果的にはとてもいいお別れができそうだと思ってます。
あとはおねえちゃんと共に「がんばってね!!」と言うしかないのがちょっと悲しいですが、今、できることをやって悔いを残さないでお別れができたらいいなぁと思ってます。
さて。
月曜日の出張レッスンで、わたしが小学校の時にNコン(NHK主催の合唱コンクール)の県大会で歌った歌を生徒とハモりました。
「気球に乗ってどこまでも」という曲です。
この曲は平吉毅州さんが作曲者として名前を連ねてらっしゃいます。
ピアノ曲もたくさん書いてらっしゃる方で、上にも書いた「踏まれた猫の逆襲」もこの方の作品の一つです。
わたしは当時まだ小5だったので、作曲家が誰とかまったく意識してませんでしたけれども、ピアノの先生になった今、伴奏を弾いてみると、ああなるほど平吉さんだ!!と思うところがたくさんあって楽しいです。
使う和音や和声進行がちょっと洒落てて。情景描写もとても上手なので、作品に触れるととても心に沁みる作家さんのひとりです。
ちなみに当時通っていたピアノ教室で「練習しない王」くらいの勢いで(笑)超劣等生だったわたしは、まったく伴奏者に選ばれることもなく(笑)
多分、立候補さえしなかったものと思われます(笑)
むしろ歌う方に選ばれたのさえ奇跡という感じ(笑)
そんな人が今、伴奏のオーディションを受ける子に必勝の技を教えたり、生徒と歌うために伴奏している不思議ったら(笑)
そして。
コンクールで大きなステージで歌うことの高揚感は、今でも忘れられません。
本当に楽しかったなぁ~
肝心なコンテストの成績は銀賞で、全然名演奏とかではなかったと思うけれど、練習した時間や学校の代表として遠征した思い出は何物にも代えがたい貴重な体験でした。
そして、時を経て。
わたしが小5の時に歌った合唱曲を、現在小4の子とハモれる幸せ。
彼女は昨年から小学校の合唱サークルに所属しているのですが、コロナ禍で昨年4月から止まったまま。学校の授業でも歌は歌えなくなったのだそうです。
うちの教室のレッスンは、集団ではなくて一対一なので、お互いにマスクをして、向かい合わず、ピアノの方を向いてちょこっとだけ歌を歌います。
「それがどれだけ楽しみなことか!」と生徒たちが言ってくれるので、わたしも気をつけつつも楽しもうと思っています。
そんなこんなで、昨日生徒と共に大好きな歌を歌える幸せを噛みしめたせいなのか???
昨夜スゴイ夢を見ました。
生徒が「今年のNコンの課題曲はね、これなの。先生、歌いたい!!」と楽譜を持ってきたら…
なんとその曲は「堂本剛作詞作曲だった」という夢。
これ、今後、めちゃくちゃありそうではないですか!!
夢から覚めた瞬間「うきゃーっ!!」と大喜び(笑)
剛さんって自分をさらけだす、ものすごく内省的な歌も作れる人ですが、一方でとても普遍的で誰の心も打つ曲が書ける人でもありますよね。
たとえばいきものがかりさんの「エール」とかアンジェラアキさんの「手紙~拝啓十五の君へ」とか…名曲もたくさん生まれているNコンです。
「いつか!!!」のまた新しい希望がひとつ生まれてしまった!!!
そうなるといいなぁと言霊を投げておこうと思います。