ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

オトートのスキー教室

オトートが2泊3日の日程を無事に終えて帰ってきました。
彼の筋ジストロフィー症という病気がわかった小学1年生の頃には、明るい未来などもうないかもしれないと思ったこともありました。心から笑うことも、これからはないんじゃないかと。進行性の病気でもあるし未来のことを考えるのはとても怖くて、考えないふりをしていた時期もありました。
 ところがどうして(本人なりにはいろいろあっただろうけれど)傍目には十分元気な小学校時代を過ごすことができ、中学になった今もみんなと一緒に元気にスキーに行き思いっきり楽しんで帰って来ることができたわけです。こうして元気いっぱい楽しい思い出いっぱいに帰ってきた彼を見ていたら、素直に神様ありがとうという気持ちになりました。しあわせですと素直に言える今日に乾杯!
 もちろん、そうはいっても簡単ではない持病もちですから何かあってからでは遅いので(たとえば、骨折などをして長期間筋肉を動かさなかったりしたら、筋肉の寿命を縮めることにもなりかねません)、今回のスキー教室を迎えるまでには何度も学校に出向き、担任の先生や保健室の先生とも何度も打ち合わせたり、前日にはもしも筋肉の疲労が激しくなったときのために長靴を届けたり、当日のインストラクターの先生に宛てて、気をつけていただきたいことをお願いするお手紙も書きました。オットも万が一迎えに行かなくてはならない事態を想定して、今週は出張を中断してジャカルタから戻って日本で待機していました。考えられる事態にはなるたけ全部対応したつもりではありましたが、それでも留守番している家族はみんな帰宅するまでは落ち着かない3日間を過ごしていたのです。
 本人はリフトで上がった先がどうだったの、スキーですべるのは気持ちよかっただの、山の上でファンタスティポがかかっていただの、いろいろな話をして疲れ果ててあっという間に眠ってしまいました。ホッと胸を撫でおろして、わたしも今日はゆっくり眠れそうです。
 そういえば、覚えている方がいらっしゃるかどうか、以前にオトートの病気のことを知らない体育の先生に入学早々、病気のことを説明していたにもかかわらず、真面目にやっていないとみなされて、みんなの前で叩かれて本人が落ち込んでしまい、わたしまでその先生に苦手意識を持ってしまったという事件がありました。親の方はいまだにちょっと根に持っていたわけなのですが、10ヶ月の時を経て、当のオトートはすっかりその時の先生との関係を改善していたことがわかりました。気がつけば仲良くなっていて、「怖いところもあるけれど、話せばわかってくれるし、いい加減ではない信用がおける先生だ」ということを発見したんだそうです。スキー教室の前に、「誰にあんたの体のこと頼んでおけばいい?」と聞いたときに真っ先にその先生の名前をあげたときには正直びっくりしました。頼りないなあと思うことが多い末っ子のオトートですが、なんだかたのもしくなったなあと思えて、うれしくなった出来事でした。