ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

指を動かしながら寝る子!

最後のレッスンは7時半からなので、眠いのはわからないでもないけど、おまけに彼女はソフト部の期待の新人で、運動量が半端じゃないのもわかっているんだけれど、チェルニーを弾きながら寝る子を初めて見ました(笑)いや、1対1のレッスンで寝る子自体、初めてかもしれません。本人が必死で目を開けようとしているのがわかっているので、あんまり厳しいことを言ってもなあ〜と黙っていましたが、一回ワークをやって目が覚めて、またソナチネ9番の2楽章があまりにも弾けてないので左手練習を始めたときにウトウトしていたのがわかったので、アダージョ(ものすごく遅いテンポ)だと眠くなる?と素直に聞いてみました。そうしたら「ハイ、なんだかゆっくりだと緊張感がない気がして・・・すいません。夕べ4時間くらいしか寝てなくて」とのこと、聞いたら深夜番組を見ていたんですって。中1の子が睡眠4時間は少ないね、なんて話をして、じゃあこれは?と(目を覚ます意味も込めて)ベートーベンの「悲愴ソナタ」の最初の部分を思いっ切り「じゃ〜ん!」と弾いてみました。ほら、ゆっくりでも緊張感たっぷりでしょ、と。そしてソナチネに戻って「この9番の2楽章はさ、ゆっくりだし、長調だし一見ただ弾くのは簡単だし、緊張感がない感じだけど、実は間を持たせるにはものすごいむずかしくってさ、緊張感の継続が必要なんだよ・・・」なんて話をしました。それでもあまりイメージが沸いていない様子だったので「う〜ん!にこにこ笑いながら一見気楽そうに弾いているんだけど、実はこっそり脇っ腹にナイフを突きつけられてるぐらいの緊張感を持って弾いて見て!」と言ったら、「たとえが怖すぎて目が覚めた〜、先生やめてよ〜」とヒンシュクをかってしまいました。(ごめんね!)
そういや大学の時合唱の授業というのがあって、専攻が一緒の130人で必須科目で受けていたのですが、これが午後一番という悪条件の上、教室に燦燦と日が入って、しかも課題曲が確か「6つの子守唄」(だっけかな?違うかも)とかっていう曲集で、一人ぐらい寝ていても平気だろう・・・・ということでみんながいつも居眠りしてしまい、先生がある日、本気で怒ってしまったことを思い出しました。「子守唄を課題曲にしたのは、授業中学生を眠らせるためじゃあない!」なんて、真剣に先生が怒れば怒るほどおかしくて、今思えば音大生だけの130人編成の合唱なんてものすごく贅沢なのに、なめくさっていて申し訳なかったです。
今日のレッスンのKちゃんを見ていて、あの合唱の時間の自分を思い出したのであまり気合を入れて怒れませんでした(笑)