ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

7月20日の日記で触れた「Missing」11巻を読み終わりました。もう10巻分も異界と戦っている主人公達は、11巻目になってもまだまだ翻弄され続けています。肩が凝らなくて適度に怖くて、適度にドキドキなのですがもう、11巻目なのにちっとも物語の行き着く先が見えない感じがして、作者は大変だろうなあなんて思っていたら、最後に読んだあとがきでまさしく筆者、甲田学人氏が

風呂敷を畳むという行為のむずかしさを現在痛感しています。

と書かれていて笑ってしまいました。創作において楽しくてたまらないのは話をどんどん広げていく間で、それを最後に片付けて風呂敷をたたむのは本当に骨だというようなことを、ご自分の実生活の片付け嫌いと引っ掛けて書かれているのです。妙に説得力のある文章でした。実際に学生時代面白いと思って読み始めたファンタジーのなかには、20年もたった今でも未だに完結をみていなくて、途中で読むのを挫折してしまったものもあります。ものを創造する人の大変さを思いました。
 ものを創造といえば民放ドラマが最近元気がないと言われていますが、TV誌だったかのドラマ作家さんのコメントで、「最後どういう風に話をまとめるかは、まだ考えていません。」と堂々というのを聞いたことがありますが、そういうものなんだ?!とびっくりした覚えがあります。「公式サイトでファンの反応を見ながら2、3話先を考えています。」というコメントを見たときはショックですらありました。コミックを含めた原作モノやNHKのドラマ
*1がどこか安心して見ていられるのは、着地点が脚本家はもちろん、プロデューサー、監督など作り手や演じ手にも、しっかりとわかっているからなのかもしれない?!とチラッと思いました。
 話が逸れてしまいました。「Missing」の話でした。この話を読んでいると、いつも危ない目に会うことを予感し、明らかに冷気を感じたり危ないと思っているのに、人も呼ばずに自ら危険に飛び込んでしまう高校生たちがたくさん出てきて、わたしは「わかっているんならそのドアを開けなければいいのに、何で危険とわかっていながら行くかなあ?って思わない?」とアネに言ったら、彼女は大真面目に「それはね・・・・・」と物語の必然性や主人公達の性格をからめて説明してくれました。わたしは、霊を見たこともないし、今後も見そうもない気がしていますが、「このドアを開けたら危ないと思ったら絶対に開けないな」と思います。そんなだから、霊を見れないのかもしれませんが・・・・。別にヒロインにならなくていいから、平凡でいいや、そういえば深きょんがしんどいで「一生お化けを見ないですみますか?」と占い師さんに大真面目に聞いていてかわいかったけどおかしかったことを思い出したりしながらアネの話を聞いていると、突然、「おかあさんはどう思う?」と振られて言葉に詰まりました。「多分、そのドアを開けなきゃ、その章で終わって次の話に進めないからじゃない?」とふざけたことを言ったらアネが真面目に話して損したという顔をして去って行きました。ごめんね・・こんな感想で!。

*1:NHKの連続ドラマはオンエアー前にはほぼ最終話まで録り終わっていることが多いと聞きました