天川村で過ごした一日目の夜、オットがわざわざ荷物の中に入れて持ってきてくれたポータブルの再生機で剛さんの平安神宮のブルーレイを観ました。
もちろん配信時にも一緒に観ているし、Blu-rayが来てからもきれぎれに一緒に観たりはしていましたが、なかなか端から端まで一緒に見る時間が取れず。
夕飯の片付けもいらない旅先なら時間もたっぷりあるし…ということで鑑賞会(笑)
そして、やっぱりこの円盤はとりわけ素敵だよね~と散々言い合った後で。
いつもの「どうしてこの才能がもっと知りたい人、届くべく人へと伝わっていかないのだ?」という話に。
オットが海外にこのまま持って行ったらいいのにと言い。
極上のバンドでの極上のパフォーマンス。
平安神宮という日本ならではの歴史ある建物やその文化、それらを損なうことなく今とうまく融合させて、上手に生かした素晴らしい演出と。
照明や音響の新しさ、素晴らしさ。
そして真ん中にいる剛さんの歌声や踊りや楽器の才能と・・・
その価値がわかる人たちにちゃんと見てもらえたら、グラミー賞だって夢じゃない気がするのに!!と憤慨し(笑)
わたしはもう円盤にして売り出した後なのだから、NHKでまるっと放映したらいいのにとか。
百歩譲ってWOWOWとかネトフリとか、限定のコンテンツでもいいから放映したら、きっと思わぬところから反響がたくさんあると思うんだけどなぁと言い。
まだまだ全然「知られていない」というその一点が唯一の残念ポイントで。
もったいない!もったいない!としばし二人で言い合ういつもの儀式がここでも(笑)
旅先の夕食はいつもの我が家と比べるととても早いので。
お腹がくちて、ブルーレイをまるまる一本見てもまだ9時過ぎ・・・
いつもならこれからお風呂に入る?もしくはまだ片付けが残っているという時間ですが、旅先ではすべてが終わっていて。
猛烈な睡魔に襲われて、持って行った本を一字も読めないまま、あっという間に寝てしまいました(笑)
この日に限らず、天川ではいつもびっくりするほどぐっすり眠れて、早朝5時くらいにはすっきりと目が覚めます。
早朝4時過ぎには起きたオットが、家から持ってきたドリップコーヒーを淹れてくれて、とりあえずコーヒーだけ飲んで身支度をして車に乗ります。
朝食は8時半にお願いしてあるので、それまでに宿へ戻る予定。
車で約30分ほど山を降りて、天河弁財天社の朝拝へ向かいます。
宿から外へ出ると、ピリッと冷たい山の朝に包まれていて。
朝もやがかかった光景は、なんとも幻想的です。
この頃昼間はわりと暖かで、チュニックにウインドブレーカーくらいでちょうどいい気候でしたが、さすがに山の中、朝晩はとても冷えるので。
朝拝中は椅子に座ったまま、まったく動かないこともあって、中にも薄手のダウンベストを着込んで車に乗ります。
車で走っている最中、天川初日の朝はとにかくたくさんの動物に遭いました。
特に驚いたのが最初に見た動物で、動揺していて(笑)うまく撮れなかったので上記インスタの画像の3枚目にこっそり貼ってありますが、もこもこしていてちょっと太めなコ。
「鹿?…だよねぇ…でもあんな太った一見豚かも?と思うような鹿っている?」
なんて話してて。
帰ってから宿のご主人に聞いたら「多分カモシカでしょうな」とのこと。
たいそうびっくりしました。
その後温泉街の無人販売所で購入した「天川村洞川の自然観察」という小冊子を繰っていたら、確かに載ってました。
なんと出会った生き物は、特別天然記念物のニホンカモシカだったのです!!
「カモシカのような足」とよく聞く比喩があるので、すらっとしているものだとばかり思ってましたが、本物カモシカさんはずんぐりむっくりで親しみが持てる体型でしたよ(笑)
カモシカの次にメスの鹿が悠然と目の前の道路にいて。
車を停めたわたしたちの前を悠然と横切ってゆき。
その後には傾斜のある山道をゆっくりと駆けてゆくオスの鹿も見ました。
今まさしく山の大自然の懐に抱かれているのだなぁと実感させられる出来事でした。
その後も翌日、翌々日と毎回天河さんへ向かうべく早朝の道をひた走ったのですが、初日のように生き物に出くわすことはありませんでした。
一日目の朝は曇っていたし、朝拝の時間よりもかなり早めに宿を出てまだ薄暗かったこともあって、車窓からあんなにたくさんの動物を見ることができたのかしらね?と話しました。
宿の方に「いっぱい鹿がいましたよ!!」と、興奮気味に報告したところ。
ご主人が「夏の鹿はさしが入って旨い」とか「冬場の鹿は赤身でさっぱりしている」とか、まったく噛み合わない会話が展開して笑いました(笑)
(自然)動物園で珍しい鹿を見つけた感覚のわたしたちと「食材」と思ってらっしゃる地元の方の感覚の違い!!
そりゃそっか。「地産地消」だ。
これらの生き物は増え過ぎると畑を荒らされる害獣にもなるわけで。
実際こんな山の上にもイノシシが出て困っているとおっしゃっていたし。
自然にバランスを取っているのだろうなぁと、そんなところにも思いを馳せました。
考えてみたら2日目の夕食はイノシシ鍋で、3日目の夕食は鴨鍋でした。
イノシシは初めて食べましたが、思いのほか癖がなくておいしかったです。
いろんな意味で、なかなかできない経験をしたなぁとしみじみと思ってます。
おっと話が逸れちゃった。
弁財天へ向かう話に戻します。
そうこうするうちに、あっという間に天河弁財天へ向かう橋が見えてきて。
BGMを「縁を結いて」にするタイミングが遅すぎる!!と文句を言われる妻(笑)
慌ててかけるも、ワンコーラスくらいであっという間に到着してしまいました(ああ、笑)
生き物と言えば・・・天河弁財天社の参道の真ん中を歩くナナフシにも出会いました。
宮司さんたちが落ち葉を掃き清めてらしたあとから参道を歩いたら、何かが落ちていて。
あれ?何?と目を凝らしたら大きな虫でした。
それが下記天河弁財天社の画像3枚のラストの画像です。
オットがつまみあげてしばし眺めたあと、人に踏まれないところへそっと置いてあげてました。
まだまだ朝拝の時間までに時間があったので、先に来迎院の銀杏の木にご挨拶。
この木の画像はこれまでの旅でも何度も載せていますが、今回の旅で撮った画像の中から何枚かインスタに載せたのでよかったらご覧ください。
わたしたちは特に信心深い方でもないですし、神社へもお寺へも普通に分け隔てなくお参りするしで、そんな人たちがなぜ毎朝神社の朝拝へ?と思われるかもしれませんが。
天河弁財天で朝の冷たい風や鳥の声など生き物の気配を感じながら、宮司さんが奏でる笛や太鼓の音と共に、とても凛とした声で発せられる祝詞や御真言を聞く時間はとても清々しくて背筋が伸びる気がしていて。
本当に気持ちがよくて、一度経験したらまた行きたくなります。
誰に知られなくとも、山間の村で毎日毎日朝に晩に、規則正しく祈りの時を過ごす方々の存在があって。
そんな方々のお蔭もあって、日々のわたしたちの暮らしの平安と幸せが保たれているような、そんなありがたい気持ちになります。
お祈りの後半ではコロナウイルスの流行が収まって平穏な世の中が戻りますように…と宮司さんが心を込めてお祈りをなさっておられました。
その場に一緒に立ち会って、ささやかながら共に祈る時間の清々しさよ。
あそこにいると、目には見えないけれど、生きとし生けるものすべてに宿り、守ってくださっている神々の存在が容易に信じられる気がするし、すべてに感謝したくなります。
お祈りの時間の後は、参加者みんなでお神酒や昆布をいただきます。
そして。
いつも旅の途中で必ず一度だけおみくじを引きます。
大吉を引きたいというよりは、ここに書いてある言葉や句がいつもとても素敵なので、じっくり読んで味わうのを楽しみにしているし、家に帰ってからも、何かと思い出してよりどころにしたりします。
今回も小吉でしたが、おみくじに書かれていた句がとても好きでした。
長閑(のどか)なる 春の野中を家人と 心安けく 行く心地かな
とても味わい深いです。
そんな時間もゆったりと過ごしつつ。
お名残惜しく、駐車場周りの景色を見回して。
目に焼き付けて(笑)
今度こそ1曲まるまる聴くべく「縁を結いて」をセットして。
剛さんの美しい声と共に、雄大な山の景色に浸りながら一路お宿のある洞川へとまた車で上がって行きます。
お宿へ着くとちょうど8時半くらい。
ほどよくお腹もすいて、お宿の朝ごはんがおいしいこと。
煮物や湯豆腐、卵焼きにお魚の甘露煮、お漬物に海苔。
ご飯がすすむ小さなおかずもたくさんあって、炊きたてのご飯がびっくりするほどおいしいです。
オットが4膳(びっくりですよね、笑)わたしもありえないことにおかわりをして2膳目を食べ。
毎朝、おひつに入ったごはんはあっという間に空っぽになりました(笑)
ついつい食べ過ぎてしまうので、天川の旅ではいつもお昼は抜いて朝夕2食でちょうどいい加減です。
食後のコーヒーをいただいてから、この日はみたらい渓谷を歩きました。
その話は次の日記で。