ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

2021奈良天川旅日記 その1 曽爾高原まで

さあ出かけよう!という段になって。

「どこへ行く?」という会話はするまでもありませんでした。

オットもわたしもイメージしている場所は一緒でただひとつ。

コロナ禍になってからずっと「また行きたいね」と何度も言っていた「天川村」一択だったからです。

わたしたち夫婦は最初に訪れて以来、年二回くらいのペースで毎年かの地を旅しています。

奈良に行き始めた最初の頃、奈良まほろば館のおねえさんにいただいたアドバイス

「奈良を旅するなら、まずは心を開いて出会った人に話しかけるようにするといいですよ。」

この言葉がとても心に残っていて。

その時は「話しかけて始まる旅」だなんて、まるで子どもたちがやってるポケモンゲームみたいだ!と思ったのですが(笑)

実際奈良に行ってみると実にそれは的を射ていて。

ひとつ聞くと3つくらいていねいに教えてくださるやさしい奈良の方々、とりわけ山間部のおだかやな天川村のみなさんと交流のなんと楽しいことか!!!

「危ない人、病んでる人も多いから知らない人を簡単に信じたら危険!」とか。

「こんなことを言ったらきっと相手に迷惑」とか。

「通りすがりの観光客になれなれしくされたらいやだろう。」とか。

そんなひとりよがりの防御壁を張り巡らせることが恥ずかしく思えてきます。

そもそもわたしは(仕事の場以外では)とても人見知りなので。

あまり自分から知らない方に話しかけることができなくて。

一方、オットはわりと誰の懐にも瞬時に入って心安く話ができる方なので。

はじめての方々との会話はオットにまかせっきりになるパターンが多いのですが。

奈良へ行くと・・・とりわけ天川ではあら不思議。

簡単にはじめての方々に心を開くわたしが出てきて、びっくりします。

いつもなら一瞬ためらうタイミングで、考える前に目の前の方に声をかけてしまうわたし自身に本人が一番驚いています(笑)

そんなこんなで、村の方々とじっくりゆっくりと親交を深めていくことがどんどん何を置いても大切でかけがえのないことに思えてきて。

帰って来てしばらくすると、またかの村の方達に逢いたくなって。

気がつけば天川村は我が家にとっても「ふるさと」のような場所となりました。

いつものお宿の、まるで家族のように心を寄せているご家族と再会して、お元気でしたか~?!と尋ね合って親交を温めたいし。

いつも朝拝に行かせていただく天河大弁財天社をまた訪れて、宮司さんたち、巫女さんたちが、ていねいに参道を掃き清めたり、祈りを捧げたりする日常を垣間見たり、朝の清々しい空気や小鳥の声を聞きながら、祈りの場に立ち会いたい、共に祈りたいとも思ったし。

来迎院の大銀杏にごあいさつもしたいものだし、山の中の苔の道を歩きたいし。

いつまでも川の流れを眺めていたいし、トンビが大きく旋回しながら鳴く声を聞きたいし。

さらには何年か越しの天川村のある方との約束が現在進行形のまま止まっていて。

どうしてもその約束を遂行したいという気持ちもあって。

行くならもちろん天川よね?というのは暗黙の了解だったのでありました。

さらに・・・

2年前の春「次に秋に行くなら曽爾村に行ってみたいね!」と話していたら。

いつものお宿のご隠居さんのやさしいおじいちゃんが

「ここからやとそんなに大変ではないですよ。ぜひぜひ行かれたらと思いますよ。」

とおっしゃってくださってたこともあって。

曽爾村にもまだ行けてないのに(涙)」とずっと思っていて。

今ならちょうどいい時期かもしれない!!と早速初日に山へ上がる前に寄る計画を練りました。

それにしても、いつの間にかJR東海のネット予約「スマートEX」がとても便利になっていたのにびっくりです。

予約が家でできるのはもちろん、いつも使っているPASMOSuicaなど交通系ICカードを登録しておけば、東京駅でいつものように改札でタッチするだけで新幹線に乗れてしまうなんて!!

まるで浦島太郎です(笑)

事前直前の発券の手間もなく、前日や当日にメールで「明日ですよ!」「今日ですよ!」とちゃんとお知らせが来るのも超安心で(笑)本当に重宝しました。

当日は早朝に家を出て。

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車窓からですが、こんな風にはっきりくっきりの富士山に感動したりもしつつ。

前日まで120%予定が入っていたので、なかなか気持ちが切り替わらず。

少しは睡眠を稼ごうと思っていたのに興奮してて眠れずで(笑)

あっという間に「超特急」で京都へビューン!!

「時速250キロ~♪」なんですかね?今も(笑)

前日に久々に旧交を温めた京都在住の大親友は今東京にいるというのに、翌日関東在住のわたしが京都に降り立つ不思議(笑)

久々過ぎてなつかしさすら感じる京都駅で。

わくわくしつつ近鉄に乗り換えようとして、ふと。

あるべきものが見当たらない!!とびっくりしました。

あれっ!?せんとくんは??

最後に奈良に旅した時(2019年5月初旬)にはいた気がするのですが(涙)

調べてみたら、2019年の春に「いなくなった」と書いてあったので、その直前に我が家は旅したのでしょうかね?

毎回毎回「彼」に逢って同じ画像を撮るのがとても楽しみだったので、ちょっと残念。とても悲しかったです。

そこから特急に乗って、いつものようにまずは大和八木駅で降りて。

いつもの成城石井でワインを調達。

さらにコンビニで軽くお昼の買い物をして・・・軽のレンタカーに乗り換えて。

家から持ってきたスピーカーを車にセットして。

さあ出発です!!

スピーカーへはBluetoothWalkmanSpotifyから音を飛ばしてドライブのお供にするのが我が家流。

なぜかオットのこだわりがいつしか「天川村に入ったあたりから剛さんの歌声を聴く」ということになっていて(笑)

いやいやいや。レインが無理やりかけるんでしょ?と思われてそうですが(笑)

違うんです!!オットです(いつかこの案件についてはラジオにメールしたい、笑)

初期の旅でわたしが彼の曲を刷り込んでしまったのは間違いないと思うのですが、今ではオットが天川で剛さん(FUNKというよりは、堂本剛名義の曲を聴く)ことを儀式のように思っていて(笑)

特に神社へ向かう道すがら、かの地が近づいてくると「縁を結いて」を聴くのをとても楽しみにしています。

(今回はとうとう聴くだけじゃ飽き足らず、毎度剛さんと一緒に朗々と歌い出して、やめてーっ!!と思った妻、笑)

山道をひたすら走りながら聴く曲は「赤いSinger」でしょ。「瞬き」でしょ。「赤い鼓動のHeart」に「Heart Disc」に「彼方(タイムマシーン)」とか「街」あたり。

今回は「カバ」もよく聴いたし、最新アルバムの「愛のひと」も伸びやかな声がすご~く山に合うんだよなぁ~と言ってましたよ。

もう一人、夫婦でやっぱり大好きな玉置浩二さんの声ともまた声の質が違ってて、繊細で美しい声なんだよなぁ~なんてそんな話もしつつです。

ちなみに平地ではいろいろなミュージシャンのFUNKを聴いたり、玉置さんのノリノリな曲たちを聴いたり。

高橋優くんとか米津さんとか、わりと自由に選曲してます。

曲によっては熱唱したり、ジーンと聴き入ったりしつつ、大好きな奈良の田舎の景色を楽しみつつ、小回りが利く軽自動車でひた走るというのが我が家の旅の楽しみで、今回も堪能させていただきました。

さて。前段が長すぎ。

もちろんこの日の最初の目的地は曽爾村です。

当日のお昼過ぎにレンタカーに乗って、駐車場到着は確か14時半くらいでした。

この日はとても暖かくて、秋装備でユニクロの襟のないダウンのベストを間に着る用意していたのですが、歩いているだけで汗をかいて、長袖薄手のブラウス一枚くらいで十分でした。

駐車場を出てわりとすぐ、一面のススキの野原が広がっているところに出られます。

こんなにたくさんススキを見たのは初めてでしたが、本当に美しかったです。

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四方八方に広がる遊歩道を歩いたり、高い丘に途中まで登ったり、公園の広場のようにベンチが置いてあるところもあって、開放的でとても気持ちのいい空間でした。

気持ちのよい水辺もあって、周りに草がたくさん茂っていて水鳥もたくさんいて。

一見水が濁ってそうなのに、いえいえどうして。

近づいてみると水がとても澄んでいて底まで見えて美しかったです。
ちょうど日が傾き始めた辺りで行ったので、西日にそこら中のススキがキラキラとして、とても美しかったです。

そして冬枯れのいい匂い。マスク越しにも新鮮な空気がおいしいこと。

わたしは小さい頃、山口県の片田舎で育ったので、この「匂い」にも郷愁を感じてすごく幸せな気持ちになりました。

そして翌日ツイートしたのがこれ↓

ラストの画像にオットが映っていて。

オットの身長は175センチなので、ススキの丈の高さが伺えると思うのですが…

ボランティアさんは、最近ススキの数が減っているし、ススキの丈があまり高くならなくて、残念だとおっしゃってました。

山をよく知ってらっしゃるお友達に伺ったところ、外来種の種が来訪者の靴で運ばれてしまったり、人がたくさん来るが故の、いろいろな問題もあるそうで。

外から行く人たちがマナーを守るべきなのは当然のこととして。

現状の情報も共有しつつ、せっかくの美しい景色をみんなで守っていけるといいなぁと思いました。

オットがナウシカの「その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」の絵そのものみたいな光景だ!!と言ったのですが、ほんとそんな感じでした。

おだやかな午後のひととき。

今この時、この場所に行けた幸せをしみじみと噛みしめました。

まだまだ続きます。

(こんな調子で書いてたら、いつまでかかることやらです、笑)

 
 
 
 
 
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