ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

アルバムLOVE FADERSについて その2 「I'm just me」 渋い!!!

ロングパス過ぎて、もう忘れちゃった方もいらっしゃるかも?ですが、この日記は7月11日の下の日記の続きです。

fermata.hatenadiary.jp

面目ない(笑)

今年の夏は例年と違ってコロナ禍で自粛して、田舎へも旅行へもどこへも出かけられない生徒たち&生徒の親御さんからの要望がたくさんもらい。

いつもより4割増しくらい、ずっとレッスンをしてました。

その過程で成行き上、いっぱい新しい挑戦をせざるを得ない状況がやってきて。

学生時代、初めて音大の掲示板で募集広告を見て学生の家庭教師気分でピアノを教え始めて以来、はや30年以上レッスンしてますが、こんなに自分が勉強しながら教えた夏ははじめてかも。

常にピアノ部屋と往復してました(笑)
久々、超がんばったなぁという感じ。

そんな中、このアルバム「LOVE FADERS」は常にそばにあって。
毎日毎日、レッスンをしている時以外はほぼ流しっぱなし。

車に乗るとオットが速攻でHDDを起動させて、アルバムの再生ボタンを押してくれるので。
ずっとずっと「LOVE FADERS」は我が家の日常とともにあって、聴き倒しつつ今に至っています。

ここ最近ではもう一枚。アネにCDを借りた米津さんのアルバムが加わって。

2枚まとめてずっとずっとルーティーンで聴いてます。

剛さんと米津さんはどこかまとっている空気が似てる気がしてて。

米津ファンのアネと剛ファンのわたしで、いつかこの二人には共演とか競演とかして欲しいね~と話します。

剛さんの歌の中に米津さんの声で聴いてみたい曲があるし、米津さんの曲の中にも剛さんが歌ったらどう料理するだろう?ちょっと聴いてみた~い!!という曲があります。

いつか実現しないかなぁ…

さて。

まだ仕事場では若干夏休み仕様の余波は残ってますが、やっと先週から学校も新学期が始まり、落ち着きつつあるところなので、アルバムの感想の続きを書きます。

(この夏、生徒もわたしも、ものすごくがんばったレッスンについても別途書きたいです!)
というわけで、アルバム発売の頃まで一気に遡って…続きを書きます。

 発売後、一番最初に聴き始めた頃、仲良しの友人たちと最初に交わした会話は「前作を軽く越えたんじゃない?」「絶対に越えたよね~!!!」

と言う話でした。

音楽がかなり熟成された感があるよね!とか。

断然肩の力が抜けたね。迷いがなくていい意味でやりたい放題!

な~んて。

口々にポジティブな感想を述べ合いました。

そして

「全編踊れる!!」「こういうの待ってたね!」

なんて。

そして。

そんな状況を象徴してた、この頃にしたツイートの掘り起こし。

ほんと「CREPE」という曲は、なんの脈略もなくたまたまキッチンに飛び込んできた人をも巻き込んで踊らせてしまうから…侮りがたし!!!

これはムスメに限らず、リモート飲み会でしこたま呑んだ後に歯磨きに降りてきたオトート然り(笑)

調理中に不意におなかすいた~っと入ってきたオット然り。

家族みんなが、不意打ち「CREPE」で思わずノリノリになるというおもしろい現象が起きていて(笑)

真っ先にノリノリになる人の代表がオットなわけですが(笑)

「仕方ないよ!FUNKのノリってどこか盆踊りのそれと似てるもん!」

とオット。

ええーーーっ!?

「違うと思うよ(当惑)?」と言いつつ。

オットってば「ぁほい!!」「ゃほい!!」「ほいさっさ!!」

とか合いの手なんか入れてるし(笑)(笑)

(そういやFUNK TRONでも合いの手を入れてたな!笑)

いえいえ、バカにしてるんじゃなくて、心から楽しんでるんですけどね(笑)

それが証拠にCREPEがかかると、どこからともなく飛んできてやたーっ!!とか言って輪に加わります…盆踊りの??…いやいやいや。

やっぱりどこか、このグルーヴは盆踊りとも似てるかも??と思い始める妻なのでありました。

いやいやいや。ごめんなさい!ごめんなさい(笑)

そしてこの曲がリード曲になっていて、ラジオでも真っ先にかかったし、MVが作られたり、何かと耳にすることが多いのも、わかるなぁという感じ。

無条件に楽しい!!どこまでもノリノリで突っ走って行ける感じ。

「CREPE CREPE Da Da La Da…」と口ずさみながら聴いていたら、どこまででも走って行けそうな気がします(自転車で、笑)

なんて言ってるかさっぱりわからなかった最初の部分の謎が解けたら、もうそうとしか聴こえないのも不思議だなぁと思いつつ(笑)

とはいうものの、ENDRECERIの音楽はパッと聴きの語感、ディクテーションだけで捉えてたイメージと、歌詞カードをじっくり見てからでは、まったく違うイメージを持ったりもするので。

せっかくのおもしろさを味わう機会、逃してなるものか!?と、あえて最初は歌詞カードを見ないで聴くことから始めます。

とはいえ発売からはやふた月以上が経ったので、今現在は、気になったところからちょこちょこ歌詞カードを見始めたところです。

えっ!?そうだったの?があちこち出てきて、おもしろくなってきました。

さて。

アルバムを手にした翌朝、発売日の朝に「『FUNK一途beasts』のソロギター、めっちゃ気になったんだけど、あれは誰が弾いてるんだろう?」と友が聞いてきました。

即答で「竹内先生!!」と答えたわたし。

なぜ即答できたかと言うと、わたしもこのアルバムで最初に食いついたギターソロのうちの一つがここだったからなのでした。

やっぱり食いつくポイントは一緒だね~と笑い合ったのも、今は昔。

すでに思い出の域ですけど(笑)

特にあのギターは秀逸!なんと言ってもキラキラと明るくて、とっても前向きな気持ちを運んで来てくれるよね!!さすが竹内さん!なんて言い合いました。

(もちろん今でもやっぱりあの曲のあの部分は大好き。)

ちなみに、もうひとつ、同じようにものすご~く食いついたギターソロは1曲目の「LOVE FADERS」の直後、「Everybody say love」へのつなぎのギターソロです。

あの曲ではギターソロはマサ小浜さん。

わたしは小浜氏こそが、今回のアルバムに新しい風を吹かせた方のおひとりなんじゃないかと思ってて。

彼が入ったことで、ENDRECHERIの世界観がさらに広がって、その演奏に触発されたミュージシャンのみなさま方や剛さんの音や歌声にも、新しい何かを感じたような気がしました。

そしてそして。

友人たちと、今回のアルバムでとても印象的だと思ってたことが一緒だったことがあって。
それは『渋いね!!』ということでした。
その「渋い」の代表作のひとつに「I'm just me」があると思うのですが。

この曲について今日はちょっと詳しく書きます。

(前置き長すぎ、笑)

初めて聴いた瞬間からこの曲の虜になりました。

好みのど真ん中。夢のような1曲だなあと思います。

ちょっと別格な感じに特別に好きな1曲です。

ドラムが白根さん。ベースが渉さん。ギターが竹内くん。

キーボードがGakushiさん。

とてもシンプルな構成です。

最初、とてもグルーヴィーな白根さんのドラムロールのような音から始まって。

身体を揺らし始めたら…4小節目、アウフタクトでいきなり歌に入ります。

「ラドレファッレ~ ドレ ラー #ソー ソー♪」というメロディーに乗せて

今日もきっと良き日になるよ~♪

と始まります。

最初の方は渉さんのベースは剛さんの歌声に寄り添うようにユニゾンで。

合間合間にパキパキと乾いた音の、超魅力的な低音のリフを鳴らします。

音数がそこまで多くなくてシンプルであるがゆえに、剛さんのその渋い歌声と、渉さんの寄り添うようなベースの音がダイレクトに伝わってきます。

この歌声とベースの絡みつくようなふたつのメロディーはどこか官能的で。

そこに加わる白根さんの粘っこいグルーヴィーな音ときたら!!

この曲はベースやリズム隊の音が大好きという人種にはたまらない大ご馳走なのではないかしら?わたしはそうです。

思わず、氷の入ったグラスにバーボンとか注いでちびちび飲みながら聴きたくなってしまいます。

渉さんは剛さんの歌声と同じリズム隊のドラムやキーボード、ギターの間を行ったり来たりしながら、まとめあげていくキーパーソンでもある感じ。

ミディアムテンポで、変化をつけ辛いと思うのですが、剛さんの歌に年輪を重ねてきた渋みがあって、このシンプルな構成を、まったくダレずに魅惑的に聴かせながら引っ張って行くのが凄いです。

順番に、剛さんの歌声と楽器たちがユニゾンするところがとても好き。

時に完全1度だったり、8度のオクターブだったり。

またひとつ、ユニゾンの奥深さを知る。

おかずたちもすごく気持ちよくて。

Gakushiさんのエレピの細やかで感情を揺さぶられるトリルとか。

竹内さんのきらりと光る直感的?とも思える音だったり。

剛さんの歌は、アクセントの置き方、センスいいなぁと思ったり。

要所要所で、白根さんの軽やかなハイハットがめちゃくちゃ効いてて、超気持ち良いなぁとうっとりしたり。

その後も繰り返し繰り返し、このメロディーは何度もずっと歌われつつ。

剛さんの歌が次のメロディーに移っても、楽器は底の方のどこかで最初の音列を鳴らしてて。

そこには歌は入っていないのに「今日もきっと良き日になるよ」がおまじないのように、ずっと聴こえているような気さえします。

音楽としても繰り返しが多くてとてもシンプル。

だからこそさまざまな仕掛けや遊びがあって楽しいです。

タイトルがまた素敵だなぁと思うのです。

「I'm just me」

ラストの方で、このタイトルのままの歌詞がドラマチックに出てくるところ。

歌声ごと音の階段を駆け上がるところがとても好きです。

クライマックス。

声もファルセットへの替わり際で、やわらかくてとても美しくどこか儚い。

余韻が凄い。

ふわふわと漂うように次のフレーズに入ってもしばらく残るやわらかい声。

どこか希望と諦めが混ざり合ったような不思議な落ち着かない感じがしたりもして。

「わたしはわたし」と「わたしはわたしでしかない」が混ざり合っているかのよう。

諦め??いやいやちょっとニュアンスが違うかな。

あきらめるという字が入っていても、そんな意味ではなく、俯瞰とか本質を見極めるとかの意味を持つ「諦観」かな。

この曲の詞には、あちこちちょっと哲学的な深さも感じていて。

はっきりとこう言いたいのよね?とわからないところもあるのですが。

なんでもわかりやすくて当然という風潮よりは含みがあって好きだなぁと思います。

歳を取ろう それなりに行こう

この詞のような境地になりつつある年齢のわたしだからこそ、グッと来て鼻の奥がツーンとしたフレーズなのかもしれないけれど(笑)(笑)

剛さんはまだ全然若いけど、経験値が半端なくて、そんじょそこらの私達世代よりも、ずっとずっと現実を知っている気がしていて。

だからこんな詞が浮かんだのかしら?なんて。

「ほんとだね!」「それなりに行こう!」ってぎゅっと手を握り合いたい気分になりましたのことよ(ファンの方々に殴られる!笑)

さて。

この曲の歌詞の中で、すごくいいなぁと思う詞の一つはココ!

今日もきっと良き日になるよ

空の色彩に染まって羽ばたこう

 

ここは、青い空のように曇りのないまっすぐな心で羽ばたこう…という意味なのかしら?

剛さんらしいフレーズだなあと思います。

さらに一見不思議だけれど、とても心惹かれるフレーズは

人は僕ら 心のイケた乗り物だろう?

僕ら心は 人に乗って どこへいくの?

混乱する世 彷徨うばかりの世 僕ら心は 人に乗ってどこへいくの?

ここ。

この感覚からの「I'm just me」なのだなぁと思うわけです。

人に乗って、人に乗せられて、ただただ運ばれていくのではなくて。

自分の意思で羽ばたこう。

「I'm just me」…かな?

今作「LOVE FADERS」では、白根さんと渉さんのリズム隊という組み合わせの曲がどれも相性抜群で素敵だなあと思います。

 とりわけこの曲は、とてもとても好きです。

たくさんの人生経験を経て、こんなに渋い歌を歌うようになった剛さん。

出会った頃の彼はまだ10代でしたが、40代でこんな風に素敵な大人の歌を歌う人になるとは想像していなかったです。

重ねてきた年齢が音に乗る、年輪がちゃんと音楽に出る音楽家が好きです。

若い頃のまんまじゃなくて、この曲のように、今だから歌える歌をこれからもいっぱい歌って欲しいなぁ。

ファンのわたしも同じように年を重ね、少しずつFUNK耳を鍛えながら、全然まだまだだけど、いけるところまでついて行きたいものです。