ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 久しぶりの電話

昨日とってもうれしいことがありました。
高校3年生の元生徒のTちゃんから電話があって、また今年からレッスンに来たいというのです。
彼女は小学1年生から6年生まで6年間ピアノを習っていたのですが、中学で忙しいバトミントン部に入った時点でやめました。
入れ替わりで小学生になったばかりの妹のAちゃんが習いに来たので、ずっとこのお宅とのご縁は続いているのですが、やめちゃった生徒でも、一度はご縁があった子にはずっと年賀状を出していて、うちの生徒たちはわりとみんな年賀状を返してくれて、近況を伝えてくれたりして、それがとても楽しみです。
Tちゃんは、毎年のように「いつかまたピアノを習いに行きたいです。」と書いてくれるものの、もう大きくなっちゃったし、本当には習いに来れないだろうなぁと思っていたところがあったのですが…
このたび、本当に来ることになりました。うれしいなぁ。
彼女、大学の保育科に入学が決まったのですって。
実は彼女との思い出はちょっとほろ苦いものがあります。
というのも、小学校一年生の時にうちに来始めてしばらくはとてもうまくやっていたのですが、2年生の時、彼女は肘を骨折してしまい、半年間ピアノが弾けず、戻ってきた時にもしばらくはリハビリが必要で、だましだまし弾いているうちに、すっかりと同時期に入った子たちから遅れてしまい…彼女の中でピアノに対する苦手意識が出来上がってしまっていたのでした。
それは全然彼女のせいじゃないし、それは折に触れて伝えていたつもりだったけど、多分、どこか一歩遠慮があって、踏み込み切れなかったような気がします。ヘンに気を使い過ぎ、腫れもののようにしたのがいけなかった気がしていました。
その後もずっとレッスンは続けていたけれど、いまひとつ成長の波に乗れないまま、消化不良のうちに中学に上がってしまったので、本当にピアノを楽しむところまで経験させてあげたかなぁと考えると、まったく自信がなかったのです。
今回電話をもらった時「わたしね、先生のところに行ってる妹がいっつもうらやましかったの。ずっといつになったら先生のところに習いに行けるかなぁって思ってて。他の先生に習うことははじめから考えてなかったし。だから実現してものすご〜くうれしい!」と言ってくれました。
それはまったくこっちのセリフです(笑)
妹のAちゃんも、今度来ることになったTちゃんもわりとおとなしくて、あんまり感情を表に出さないタイプのおんなの子なので、そんな風に思っていてくれたことがわかり、心底うれしく思いました。
あれから6年。
わたしもあの頃よりちょっとは経験を積んだけど、今度こそ彼女にピアノや音楽の楽しさ、成長する楽しさを教えてあげらるかなぁ。
うちにご縁がある子はなぜかひと癖もふた癖もある子が多いのだけれど、たとえば誰の目から見ても才能の塊のような子には、それ相応のふさわしい先生がいるでしょうし、普通の音楽大好きの趣味人を育てるのが上手な先生だっていていいと思うし。
身体に障がいがあったり、心のコントロールがむずかしい子だって、音楽は誰でもその人なりに楽しめるものだし、時間がかかってもそういう子たちとじっくり付き合うのが上手な先生だっていてもいいと思うのですよ。大変だけどね。
Tちゃんは6年間のブランクがあるから、しばらく大変かもしれないけど、早く距離を縮めて行けたらいいなあ。
今年はわりと好調で、ここひと月で生徒がふたり増えることになりました。
もう一人習いに来始めたAちゃんは(あっ!うちの教室イニシャルAちゃんが3人もいる!!)楽器を買ってもらって、やる気満々ですごいスピードで進んでます。
そんなこんなで、またピアノを教えるということが中心の生活になりつつあって、すごくしあわせなことだなぁと思います。
しばらくは教室が継続できそうでうれしいです。
やっぱり音楽と、そして音楽を介して人と関っている暮らしが好きです。