ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 竜巻 

月曜日以来メディアを騒がせている竜巻のニュース。
実はこの竜巻が我が家のすぐそば(一番近いところで1kmくらいのところ)をかすめて通り過ぎて行きました。
とは言っても、我が家周辺は被害はなかったのでご安心を。
そうなんです。
ほんとに間一髪なところで竜巻の被害を免れました。
メディアでひっきりなしに流れたニュース映像や新聞記事の中に、うちの住所もちょいちょい入っていて、それを見てびっくりした方からたくさんのメールやお電話をいただきました。
高校、大学の時の友達や、マレーシア時代の友人、娘のようにかわいがってくださった方たち、ヨガの先生、オットの学生時代からの友人、出会ったきっかけはふぇるまーたですが、今では普通に会ったり遊んだりしている友人たちからも多数お電話やメールをいただいていて、恐縮しております。
日頃お互い日常生活に忙しくてなかなかコンタクトは取れなくても、いつも心のはしっこに留めてくださってて、何かが起こった時に大丈夫かな?と反応していただける。
そんなたくさんの方々の存在をとてもありがたく思いました。心からの感謝をこめて。ありがとうございました。
おかげさまで何もなかったからこうして日記が書けているわけですが、ほんの1kmでも竜巻の進路が逸れていたら…大変なことになるところでした。
いまだに停電している地区もあるし、怪我をした人、壊れてしまった家々。ここ数年、自然の猛威はさらに激しくなっている気がします。
今の家、地区に引っ越してきてもう20年以上になりますが、こんなことは初めてです。
本当は日記に書きたい話題、報告が他にもたくさんあるのですが、とりあえずこの話題から今週はスタートです。
そもそも月曜は朝から青空の間に間に雲がもくもくとたくさん出ていました。
生ごみを出したあとも、花がらを摘んだり、草をひいたりしたので、燃えるごみを何度も出しに行ったのですが、ゴミ置き場で空を見上げるたび積乱雲がさらに発達している感じ。しかも所々が黒くて、ぱっと見にも不気味な形をしているのがとても気になりました。
こりゃきっと午後から荒天になるなぁと思ったので、早いうちに洗濯ものを入れてしまわなければ…と思ってました。
オトートは早くに大学の友人たちと出かけていって、アネは家で仕事中。
オットは坐骨神経痛の疑いありということで、こちらも9時過ぎには自転車で整形外科へ。
猛烈に混んでいたらしく、なかなか帰ってきませんが、早く帰って来ないと雨が降り出しちゃう…自転車なのに…とやきもき。
実際に薬をもらって帰ってきたらもう1時半を回ってました。
それからみんなでご飯を食べて〜ひと息ついたのが2時ほんのちょっと前。
「黒い雲がいっぱい出てたから、そろそろ洗濯ものを入れた方がいいぞ」とオットに言われ、急いで取りこんだ時に見上げた空は黒とグレーと白の水彩絵の具が雑然と混ざったような感じ。
遠くの方で雷鳴がしてきましたが、まだまだ雷そのものは遠い感じだし、 網戸になっていた2階の窓を閉め、エアコンを入れてちょっとだけ休憩。本を読もうとベッドに上がったら、ルナも一緒にベッドに上がってきました。
こうなると「お昼寝しましょ!」と誘われているような気持ちになり、いい気持ちでちょっとうとうと…
しかけたところで、突然雷が近くなってバリバリとものすごい雷鳴。
あれ?ずいぶん急に近くなったなあという感じ。雨もざーっと降り始め。
こうなったらもう動かない方がいいと思い…このまんまお昼寝パターンだなと思っていたら
ほどなく…「これはもしや地震?」というくらいのものすごい揺れ。
さっきまでこんな風あったっけ?雹でも降ってる?というくらい、音が鳴ってるではありませんか。
ガタガタガタ、ガタガタガタ…と窓に風や雨が打ちつける風は尋常じゃなくて、正直怖いほどでした。
下の部屋でバロンにつかまっていた(バロンは雷が怖いので、そばに家族がいるとだっこだっこと離れなくなります、笑)オットが言うには、下の部屋で唯一窓が開けっぱなしだったお風呂場から、急にひゅーっ!!とものすごい風が吹いてきたそうです。
とにかくその音が尋常じゃなかったのですが、そこがわたし…睡魔に勝てず(笑)…数十分くらいルナを抱きしめてうとうと…
したところでご近所さんから電話で起こされました(笑)
(今にして思えば、まさしくあの時1km先を竜巻が通り過ぎた瞬間だったのかなぁ?という感じ。)
「ねえ、うち、飛んでないかどうか確認してくれない?」
「はあ?どゆこと?」
「なんかさっき竜巻が通ったらしいのよ。」
彼女の職場は市内の数キロ先の中学校ですが、隣の中学の屋根が飛んだとの報告を聞いて、慌てて家のことを確認しようと思ったものの、家には誰もいない…ということで、たいがい家に誰かしらいる我が家に電話してみようと思ったそう。
半信半疑のまま窓を開けて、彼女の家、およびうちの近所の様子を確認してみましたが、もちろん変化なし。
でもあきらかに外がただならぬ雰囲気です。
ヘリコプターがパタパタと音を立てて2機飛んでいるのが見えました。
すぐに思い出したのは10年以上前に地元で大きな火事があった時のこと。あの時もすごい勢いでヘリが飛んでいたのでした。
ニュースになるような何かがあったのかしら?と胸騒ぎ。
あのヘリはいつから飛んでいるんだろう?
家電で友人と話しながら、ちらっと携帯をのぞいたら、関西の友達から「竜巻大丈夫?」というツイートがいっぱい。
(今回たまたま地元のご近所や友人知人よりも、都内県内在住の家族よりも、遠くの友人たちの方が断然情報が早かったという不思議、笑)
これはどうやらおおごとだぞ!とそこで初めて思い至って半信半疑のままテレビをつけてNHKに合わせたら…
直後、車で5分くらいの中華屋さんが映ってびっくり!!
「これ、あそこじゃない?」「ああ、あのセブンイレブンの方から見た景色!」とオットと顔を見合わせて口をあんぐり。
さらに出てくる地名、出てくる景色、いつも通っている生活道路。知っているところだらけではありませんか!!
そしてうちの「市」の名前が連呼されてる!!こりゃあ大変だ。
すでに雨はやんでいて、外は台風一過のような晴れ。にも関らず騒ぎはどんどん大きくなっている模様。
そして、ずっとけたたましく続くヘリコプターの音、音、音。
これは日が暮れても夜になっても、翌朝もまた、ずっとずっと続きました。
あとにして思えば、隣の市や町や県を巻き込んで、ずいぶん広範囲に多くの世帯が停電していたそうです。
空から見ると真っ暗なエリアがたくさんあって、それを報道しようとヘリがあちこちを飛んでいたらしいです。
当日の夕方になって駅のそばの郵便局や買い物に行ったのですが、駅のこちら側はいたっていつも通りの風景なのに、駅の向こう側はなにやら慌ただしく人が行き来して、ブルーシートを抱えた人が急いで自転車を漕いで走り去って行ったり。踏切の向こうに何やら木端らしきものが散らばっていたり。
(いつも週末に行く)ホームセンター付近がとっても危ないらしいよ。バイパスから南に抜ける道路は途中で通行止めになってるらしい…いろいろ行き交う人が口々に話をしているのを耳にするものの、ほんの少し距離を隔てただけでこの静けさ。
テレビにひっきりなしに映っている光景は確かに地元のものであるはずなのに、なんだか遠い世界の出来事みたい。
このギャップは何?
こんな風に「たまたま」で分かれた運命はあまりにも極端で、被害に合われた方のなんともお気の毒なこと…
こちら側の景色の中に、ひとつだけ変わったことがあるとすれば、買いものをしていて携帯が鳴る人、携帯電話を耳に押し当て「大丈夫だよ」と話している人が多いというくらい。
うちの市はおよそ33万人が住んでいるそうですが(ニュースの請け売り、笑)都心からほどよい距離なので、都内に通勤通学している人が圧倒的に多いのです。
それらの家族から、続々消息を尋ねる電話がかかってきているのだろうと思われます。
ニュースを聞いて驚いた人は、とりあえず電話で家族や家の無事を確かめようと思うでしょう。
さらにテレビを見た親類縁者やお友達が次々と連絡してきたと思われます。
あっちでもこっちでも受話器を持って誰かとなにやら話してる人がたくさん。
夜も更けてニュースステーションが始まると、今度は徒歩3分の市の施設の内部が映し出され、ブルーシートを受け取る人たちや、避難してきている人たちが…これは遠いところの話ではなくて、ほんのすぐそこで起こっていることだというのがにわかに信じられない気持で見てました。
竜巻というものは、本当に通り道の帯状の部分だけがくっきりと被害にあうみたいで、近くを通っている国道の西側、バイパスの北側はなんの被害もないのに、東側、南側の通り道は大変なことになっているというのが刻々と映し出され驚かされます。
たった1kmの先には半壊した家もあれば、瓦が少しだけ飛んだくらいの被害も入れると、無傷では済まなかった家はとてもたくさんあって…
もうさらに数キロ行くと、全壊した家もあれば、家財道具が散らばっている家もあって…サッカーの金属のゴールも飛んだそうだし、武道の道場が土台を残してすべて吹っ飛んだところもテレビに映りました。
さらに、停電区域はやっかいで、一見竜巻の被害とは無縁な場所でも、倒れた電柱がカバーしていた地域に沿って電気の送電が途絶えたところがあったのでしょう。停電だけ長く続いた場所もあった模様です。
そもそも尋常じゃない蒸し暑さの中で、電気のない生活は本当に大変だったことと思います。
自然の怖さを思い知るなぁ。
そしてもっとヘンなのは、こんなに近くでありながら、すべての情報を全国の人と同じようにテレビで得ているという不思議。
この違和感はなかなかぬぐい去ることができず、カーブスで会ったみなさんも、ご近所さんも、なんだかみんなとっても戸惑ってました。
ただし月曜日はどこも始業式で早々と下校していたし、幼稚園や小学校の子どもたちは帰った後だったのが不幸中の幸いでした。
我が家は家族もそれぞれ建物の中にいましたし、電車のダイヤは乱れてましたが、オトートが帰ってきた夜遅くにはもうちゃんと動いてました。
竜巻があと1時間早く起こっていたら、オットはまだ竜巻の通り道のあたりを自転車で漕いでいたでしょう。
これが翌週だったら、地元の小学校の低学年や幼稚園児が帰宅途中だったかもしれません。
いろいろな偶然が重なって運が良かった人、悪かった人、いろいろだと思いますが、あれだけの竜巻に襲われて、一人として亡くなる方がいなかったことは不幸中の幸いだったと思います。
それにしても…急に空が暗くなった、なんだかおかしいと思ってから竜巻が来るまでの時間が本当に短かったらしいことを報告しておきます。
直前に洗濯ものを取りこんだわけですが、その時にはよく言われるような竜巻の前兆らしきもの、わたしは感じませんでした。
たとえば、空気が冷たく感じたというほどでもなかったし。
たとえば、強風もほんとのほんとに直前まで吹いてませんでした。
朝から雲がいっぱい…というのでは最近ではよくあることですし、南国のような積乱雲も今は珍しいことではなくなってしまいました。
というわけで、実感としては素人が竜巻を予想するのはとてもムリだと思いました。
最近はほんとに異常気象続きだし、雨に関してはちょっと怖いという気持ちを持っているし、雷も怖いですが、それだけじゃなくて、風も注意しないといけないんだなあと思った今回でした。
少し前に茨城での竜巻のニュースを見た時も、気をつけなくてはとは思いましたが、どこか遠い国の出来事のような感覚があったと思います。
でもでもでも。うちの近所でも起こりました。
もちろん雷雨だけでも危ないですし、竜巻となれば尚のこと予測が困難だし、危険だなあと感じたら、侮らずなるべく家にいる、建物に入るというくらいしか対策のしようもありませんが、どうぞみなさまもお天気の変化を経験則から過信しないように、お気をつけくださいね。
災害は忘れた頃にやってくる。この言葉が一気に現実味を帯びました。
被害に合われたみなさま方に、一刻も早く日常が戻りますように。