ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

美しいと思う季節の日本語

これは、先週の土曜日の朝日新聞の朝刊に載っていた記事です。
この記事を見ていたら、なんて日本語って美しいんだと思いました。
ひとつひとつ、漢字も美しいし、語感も美しい。
最近、なんだかどんどん日本語の表現が画一的になってきて、つまらなくなってきたなあと思います。
もっとわたしを含め、日本人は日本語を大切にしたほうがいいと思いました。
さて。
記事の中で、「美しいと思う季節の日本語」ランキングが紹介されていて、一位はちょっと意外で「夕凪」でした。
2位以下をざっと紹介すると「新緑」「木枯らし」「花冷え」「夕立」「朧月夜」「春一番」「夜長」「麦秋」「春霞」。
この中でわたしが一番好きな言葉は「朧月夜」。
う〜ん。とは言っても漢字にするとちょっと源氏物語の登場人物っぽい感じで「おぼろ月夜」と書くとよりしっくりくるような。
この言葉がタイトルの歌が教科書に載っている歌の中で一番好きというのもありますが、言葉を聞くと春のそわそわした空気感とか、ぼんやりと薄明るい月明かりとか、まだ暖かくなりかけの風にそよぐ菜の花とか・・・いろいろな光景が目に浮かびます。
一方「夕凪」という言葉にはオフコースの鈴木氏の曲の中に「夕凪 日は暮れまどい〜♪ 遠くに港の灯見え隠れして〜♪」で始まるすごく好きな歌「潮の香り」があって、これもまた凪いだ海辺の肌にまとわりつく湿った空気とか、ちょっと蒸し暑いイラっとする感じとか、低いところにあるおひさまを浴びてキラキラと光る海の景色とか、ものすごくいろんな光景や感覚までもが蘇る言葉です。
ほかに好きな言葉は・・・と考えると「花冷え」「春霞」など春の言葉が多いなあと気がつきました。
ちなみに11位以下の中にも好きな言葉が入っていて「花曇り」「薫風」。やっぱり春の言葉でした。
そしてわたしの中では、やっぱり言葉と歌がセットになっていることが多くて、どの言葉を聞いてもその言葉が載っているメロディー、歌が浮かぶことにも気がつきました。
そういえば、歌詞も最近は話言葉や感情を単純な言葉で直接的に繰り返すものが多い気がして、ちょっとつまらないなあと感じることが多いです。
流行っている歌はどれも想像力を挟む余地がないし、あえて読み解く必要を感じないものがほとんどだし、韻を踏んであるものも少ないです。
そうじゃない人のそうじゃない作品群も知ってますけど(笑)ご本人やファンはともかく、事務所とか音楽番組の作り手さんとかに、そういうものを積極的にメディアに乗せていこうという意志はあんまり感じられないのが残念です。
歌番組で流されたり、生放送に出てくる歌手はだいたいいつも同じ顔ぶれで、曲もどうかすると似通っていて、この人にこの歌ありき、この歌詞は彼女、彼しか歌えないというものも少なくなりました。
それに対して昔の歌謡曲って情感あふれる歌詞が絶妙に美しいメロディーに乗っていて、しかもそれぞれの歌手の表現力もすごかったなぁと思います。
氷雨」なんてスキー場でこれでもかとかかっていて、決して陽気な歌じゃないけど(笑)、広瀬香美さんやユーミンの名曲に混ざって流れていても全然イヤだとは思ってなくて、なんだか妙に心に響いたことを覚えています。
そもそも今はNHKでしかほとんど見なくなった演歌というジャンルの曲たちも、当時は大人だけのものじゃなくて、小学生の頃のわたしの心を鷲掴みする曲もいっぱいあったっけ。
舟歌」とか「北国の春」とか、こたつにみかんで眠いのを我慢しながら、この日ばかりは夜ふかしも咎められず、レコード大賞や紅白のステージを一生懸命に見ていた記憶がありますが、なんだか子ども心にも日本人の心の歌だなあとグっときたのを思い出します。
どうしてこの記事に特別に食いついたのかというと、最近日本語の美しさとか、日本人の情感のきめ細やかさとか、そういうのをすごく感じる本を読んだからです。
あれを読んでから、ちゃんと見たもの聞いたもの、触れたもの、匂い・・・そんなものにちゃんと心を澄ましていたいと思うようになりました。
それは何?ちょっと待ってくださいね。次の日記で書きます。
そういえば・・・まったく話は違いますが、今年はやたら彼岸花が遅いなあと思っていたのですが、先週あたりから、なぜか家々の隅っこに鉢植えしてある彼岸花をたくさん見かけるようになりました。
そもそも彼岸花って鉢植えにするものでしたっけ?
わたしのイメージの中の彼岸花は、田んぼのあぜ道とか、河川敷の遊歩道の傍らにところどころ群生しているもの。
家々の玄関先、鉢やプランターに植わっているのを見て、なんだか不思議な気持ちになりました。
彼岸花をみると、いつぞやかのライブの帰りに寄った薬師寺の伽藍の隅っこにまとまって咲いていた花を思い出します。
それで以前に取ったデジカメの写真を探してみたらありました。

ついでに日付を見たら2010年の10月8日。記憶をたどってみると、2010年は平安神宮ライブの翌日に薬師寺を訪ねてたみたいです。あら。花を見た時期は今年とほぼ一緒ではありませんか!!ということは、お彼岸の頃に咲く・・・と言われている彼岸花ですが、今頃でも遅いわけじゃないのかな?
関西のお友達によれば、キンモクセイの開花日も関東より微妙に遅かったし、もしかしたら東と西で差があるってことなのかもしれないけど。
そういえば彼岸花のことを歌った歌もあったなぁ。曼珠沙華っていう百恵ちゃんの歌。この曲もとても情感あふれる曲でした。