ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 堂本剛 平安神宮公演 2012 9月14日 その3

前の日記たちをあげたら、いろいろな方が反応してくださって、記憶が曖昧なところがだいぶカタチになりました。
つくづく自分の記憶があてにならない、怖いわぁ〜(笑)と思った部分もあったし、あたまの奥の奥にしまわれていた記憶が新しいヒントでひゅるっと正確に思い出させたものもありました(笑)
ご協力感謝です。
一番最初に文章をあげた時に読まれたキリという方は、全部揃ってからでもいいので、追記部分にざっと目を通していただけたらと思います。
だいぶ直しました。
と、考えると・・・しばらく経ってから読んでいただいた方がより正確な文章として読めるかもです。
さて。
続きに行きます。
「縁を結いて」以外の曲はタイトルについて触れられなかったので、便宜上テキトーにつけてあります。
そのつもりで読んでくださいね。
6.縁を結いて
お参りをした時に、いつもスティーヴさんが振っている、たくさんの鈴が連なっている楽器が置いてあるのを見たので、「きっと縁を結いて」もやるなぁと思ってました。
そして「縁を結いて」は近鉄京都駅でも発車ベルなんだから「京都の街中にも音が漏れ伝わってゆくこの会場で、この曲をやらなくてどこでやる!」と先日友人たちと気色ばんで話したことを思い出しました。むふっ。
イントロのところで結構長くffでこの印象的な鈴の音が入り、ピアノの伴奏のメロディーはいつもと違ったアレンジになっていたのですが「縁を結いて」だと確信しながら歌の始まりを待ちました。
出だし、一瞬だけつよしさんの声がかすれて去年ふたたび?とよぎりましたが、いえいえ、かすれたのはその一瞬だけでした(笑)
この歌はshipの時に聴いたようなさらっとバージョンではなくて、ひとことひとこと、ゆっくりと噛み締めるように、情緒たっぷりに歌っていました。
途中で扇型にレーザーの光が宙に向かって広がってゆき、すごく美しくて・・・つよしさんの声の広がりを絵で見ているような気分でした(笑)
高音のロングトーンで美しい声を思いきり響かせたり、ちょっとずつフェイクを入れたり、ゆっくりとひとことひとこと切って歌ったり・・・わりと自由自在な感じで歌っていたのですが、それでも品良く清々しくまとまったのは場所柄もあるのかな?
「奉納」という言葉が浮かびました。
さすが、大極殿を背にしょって、お客さんをはさんで応天門を見上げながら歌っているだけのことはある。
きっとご本人の瞳に映っている景色が表現にも影響を及ぼして、より神聖な声の音色になっていたに違いない・・・なんて、なんだか不思議な納得の仕方をしました(笑)



7.「どうしてだろう〜♪」が繰り返された新曲
この曲を聴いた時の第一印象は、そのたとえが当たっているかどうかはわからないけれど「吟唱っぽい」・・・でした。
この「どうしてだろう」は全編を通して、いたるところに散りばめられています。
まだ完成形ではないのではないかな。シンプルで、多分つよしさんの心の中であふれかえった「どうしてだろう」が、ありったけ。表現衝動に背中を押されるようにして、歌になって出てきたような曲でした。
つくづく彼は感受性が豊かで、いろいろなことを感じてしまうのだろうなぁとあらためて。
もし来年のアルバムに入るとしたら、まだまだあちこち手が入って、ぐっと洗練されるんじゃないかと思いました。
だからと言ってもっと洗練されたものを聴きたかったというわけでもなくて・・・まだ作りたてのそのまんまが聴けて「心の中をのぞいてごらん」と言われたような気持ちで・・・うれしかったです(笑)
「どうしてだろう」部分のメロディーは「ソミレドドーー♪」と「ソミレド↑ミーーー♪」。
問いかけるような言い聞かせるような。
「どうしてだろう」のフレーズの間にちょっとずつ詞が挟まって、また「どうしてだろう」
シンプルな構成のリピートだし、彼の歌唱力がなければ成立しない曲という気もしましたが、不思議と冗長にはならず、詩を鑑賞しているみたいな気持ちで聴いていました。
なんと言っても声の音色がすごく聴いていて心地良いし、音が少し薄くなると、虫の声がまるで楽器みたいに響いてきて素敵でした。
めちゃくちゃに、聴こえたところだけメモったばらばらの断片を紹介すると(あってるかどうかさっぱりわからないけど)
「未来はきらびやかな光なのに」「いつの日かぼくらがひとつの色で」「愛の色を奇跡と呼ぶのは」「〜そこに立ち尽くすよ。」「たどりつくのだろう」「ひとつへ」「いくつ繰り返せば会えるのだろう」
このくらいの長さのセンテンスがいくつもいくつも。
独白のような詩のような・・・淡々としたメロディーと詞が繰り返される曲でした。
青空に次々と雲が流れるような景色のBGMとして演奏されるような爽やかさなのですが、詞の内容はちょっと悲し気。「どうしてだろう」に呼応しているわけだから、砕けて言うと「(地球はとか日本はとか人類は)なんでそうなっちゃうのかなぁ」的な詞になるわけですが、メロディーが長調で爽やかなので、いたたまれない気持ちにはなりません。
いくつもの詞が空に放たれて次々雲と一緒に飛んでいくような、川の流れの中に浮かべられて、下流へとあっという間に流れ去っていくような、余韻はあるけれどしつこくはない・・・違うな。押し付けがましくはない・・・かな?・・・とにもかくにも不思議な感覚でした。
さりげない風のようなメッセージ。言葉たち。包み込むようなメロディ−、サウンド。
この曲は考える曲ではなくて、感じる曲なんだろうなあと思います。
最後に行くほどに、フェイクやロングトーンが入っていって、このつよしさんの声の美しかったこと。
そしてもうひとつ。ステージを見上げるとすごく綺麗な顔をした彼が淡々と歌っていて、その美しさに見惚れました。今回のビジュアルの美しさったら。なんだか好みのど真ん中でした(いつも言ってる気がしないでもないけど、笑)