- アーティスト: 堂本剛,十川ともじ
- 出版社/メーカー: SHAMANIPPON
- 発売日: 2011/09/07
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今回のCDはつくづく三枚とも買って正解だったと思います。
どれもしまっておくだけのものじゃなくてちゃんと見どころ聴きどころがあるし、別々の楽しみがあるし。そもそも昨今のCDは軽んじられすぎている…と思うことが多いですが、こういう仕様は楽しいなぁとひたすら楽しんでました。ひとり遊びのお供にぴったり(笑)
曲は全部で5曲。
今現在一番好きな曲は『technologiaー意思』で、ほぼ同じくらいリピートしているのが『Nijiの詩』。
でも『カケタオイカケタ』も『寧日』も『月ーツク』も全部好きです。
やっぱり全部まとめて聴きたくて、ちょっと前に一枚のCD-Rにまとめたという話は日記にも書きました。
感想も一気に全曲まとめたかったのですが、とってもじゃないけど書ききれないくらいいろいろな思いがあるので、とりあえず一曲ずつ書いていきます。
一番好きと言った『technologiaー意思』は置いておいて、とりあえず一番最初は表題曲『Nijiの詩』から。
浮わで凪いだ海の水面を漂っているような不思議な浮遊感のある歌声だと思います。とてもやさしくてさらっとしていて…この声を色に例えるなら、空の色、天候、まわりの景色によって何色にも染まり、何色にも見える透明…かな。
癖のない声がとっても心地よいです。(癖のある声も大好きなのですが、この曲はこっちで正解という気がします)
歌詞の内容は決して甘くはなくて、実はほろ苦く痛みを伴っているのですが、その歌詞とやさしいメロディーやアレンジ、歌声が喧嘩していないのがスゴイなあと思います。
十川さんのイントロのAcoustic Pianoはなんとも美しくて、このあと入ってくるつよしさんの歌声の印象とベストマッチな感じがします。
「愛暴動 唱えろ 今」から入ってくるオーボエのような和楽器みたいな音はなんだろう?
この間からこのCDの歌詞カードの最後のアレンジや楽器などを何度も何度もガン見しているのですがつくづく謎が多いです。
この歌のメロディーのバックで流れるもうひとつのメロディーが不思議な味を出していると思います。
繊細ではなくて、ちょっと太くて図太い感じの音。色に例えれば朱色な感じ。音色が雅楽の楽器のようにも感じるのは考え過ぎかな。
豪太さんのドラムのリズムが、前にも触れましたがちょっとボレロちっくで、こちらは「清冽」という言葉が浮かびました。
親しみやすい卑近な感じとは正反対の位置にあって、清らかで誇り高くて背筋が伸びる感じ。こちらはわたしの中では濁りのないブルーなイメージです。
このドラムの音もつよしさんの気負わない透明な歌声とはあきらかに違う色を感じるのですが、このいろいろな色が合わさって新しい色、独特の世界観ができあがっているように感じました。
歌声は後半へ行くほど心を打ち、すごく好きな詞は
降りやまない雨なら
静かに打たれよう
という言葉と
答えなどない雨などないと
信じては
二度と来ない僕の魂にNijiが響いた
届け 未来へ 世界へ
このあたりかな。
美しい声です。
4年前にすでに生まれていたこの歌の方が先ですが、ひとつ前のシングルの「縁を結いて」の「水海天地球体」あたりの歌詞ともシンクロしているような水の循環の話がこの歌の中からも浮かび上がってくる気がします。
オリスタのレビュアーさんが
堂本 剛はそんな自然界の循環に、希望と絶望を交互に抱えながら生きる人間の姿を重ねる
と書いていて、なるほど〜そうかも…と思いました。
さらに
1小節ごとに変容してゆく彼の声も、また水のようだ。その声と言葉は、雨のように聴き手の心に降り注ぎ、溜まっていた汚れを一気に洗い流す。
ともあって、綺麗な表現だなぁと思いました。
わたしはもうちょっと現実的にとらえつつ聞いていたという側面もあるのですが、平安神宮のライブレポを見るにつけても、わたしたちファンよりもどうかすると結構感情過多なレビューになっているのが面白いなあと思います。
彼の歌声が、パフォーマンスが、それだけ心にダイレクトに届くということなのだろうと思います。
最初にわたしが感じた違和感の正体は、多分4年前にすでに出来ていた曲で、ずっと彼の音楽を追いかけてきた者としては、なんとなくちょっと後戻りした感覚を覚えたのだと思います。
音楽と人のインタビューを読んでいたら、そこにちょっと抵抗があったのはご本人も同じだったらしいことが書いてあって、こういう感じを知らず知らず受け取っていたのかも?と思いました。
その正体がわかってしまったら、違和感はあとかたもなく消えてしまいました。
これも一種の「戻ることが未来」なのかもしれないと思ったり。
音楽と人のインタビューでは
傷を愛するというアクションは、人間にとって大事なことなんだと。
現実を受け入れる強さと、そこから一歩踏み出す勇気がない限り、傷は癒えない。
人間の精神的な部分の自然治癒力を信じて傷と向き合っていくというか
という部分がとても心に残りました。
このNijiの詩は聴きこむにつれいろいろな思いが湧いてきて不思議な曲だなあと思います。
前にも言った気がしますが、今のこの何度も聴きこんだ気持ちを持って、もう一度十人十色まで時間を巻き戻して体感したいなあと思う今日この頃。
そっか、次のライブで歌ってくれるだろうから、そこで体感すればいいのか…と思い当たったものの、ちっともチケットが当たる気しない…いつになるんだろう…というのが本音でございます。
ちゃんちゃん!