ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 平安結祈 感想続き その2

ひとつ目をアップしてからすぐ、ふたつ目を推敲している時に気持ち悪い揺れがやってきました。
今日は地震が多いです。
千葉県では震度5強の地域もあるそうなのですが、その地域のみなさんは大丈夫だったでしょうか?
そして帝劇は?と気になってすぐにツイッターを開いたら、どうやらもう本編は終了していた模様。ホッとしました。
さて。
下の日記、その1からの続きです。
(何度も推敲し過ぎて、時差があることもあり、文体がまちまちになってしまいました。すみませぬ。)
・いつもより若干ゆっくりな「空〜美しい我の空
歌声の美しさ、吸引力はピカ一。
歌う曲が少ないわりに、そんなに「足りない感じ」がないのは、きっと歌っている曲、1曲1曲の満足度が高いから?
どうしてこんなに心を惹きつけられるのか…この曲を聴くたび毎回そう思います。
桜の頃に聴いてこそのこの曲と思っていましたが、夜空バージョンもほんとに素敵です。
特にこの曲がどの曲よりも好きなわたしにとっては、この1曲だけでもはるばる埼玉から聴きに行った価値がありました。
この日の歌声は、唯一無二でこの日だけのもの。
なのに、それを映画で何度も味わえるしあわせ。


・イントロの十川さんの渾身のピアノ
ものすごく好みの、ちょっと太くてしっかりとした指。大きな手のひら。
この方の指が紡ぎ出すメロディーはドラマチック。
古典と現代音楽の響きの間を自由自在に行ったり来たりされる気がする。
まるで短い時間の中に四季がちりばめられたかのような多彩なメロディー。
メロディーに身を任せていると、自然に「空〜美しい我の空」の世界へといざなわれていく。
もっとも自然にさりげなく、いつだってつよしさんの「最高」を引き出す十川さんのピアノ。
ブレスのタイミング、音楽の呼吸のぴったり合っていて、これが息が合うってことだと納得。
おふたりの絆の深さ。


・つよしさんの歌声の世界観にどっぷりとはまり、ふわふわと過去に連れて行かれそうなわたしの心
つよしさんの歌声につなぎとめられて「ここ」にとどまるわたしの心
相反する感覚


・静かに入って来られるバンドメンバーさんを見て、「空〜」にみなさんがいなかったことに初めて気づく(笑)
何度同じ場面を見てもやっぱり驚く。集中し過ぎ(笑)


・「Help Me Help Me」のイントロダクションはSWINGOさん。
またまったく違う世界観。十川さんとSWINGOさん、まったく違うセンスや音。(多分世代も!?…ですね。)そんなおふたりの贅沢な共演。

「空〜」の世界から「Help Me〜」の世界への橋渡し。
まるでマジックのように、いつの間にか聴き手の心の中をいっぱいにしていた「空〜」の世界が払拭されてる。
SWINGOさんの斬新なメロディーが切りこんでくる。
思い浮かぶ「一天にわかにかき曇り」という言葉
思い出される武道館の階段。
2010年、一回目の平安神宮ライブの時に自分で書いた文章を引用しておきます。
「進化のゆくえ」という副題をつけてありました。

「逃げたい時はどうすればいい」で始まるこの曲は、発売当時もとても好きな曲でした。

ジョンレノンライブをお客さんのひとりとして見に行って武道館の階段に座り込んで書いたというエピソードも、その後の出演者さんたちの記念撮影に清志郎さんや奥田民生さんに誘ってもらって記念撮影に入れてもらたったというエピソードごと、とても印象的な曲だし、どこかジョンレノンやビートルズ的な匂いも漂う不思議曲だと思ってましたが、今年の代々木でまた違う曲へと生まれ変わった1曲です。
少し前までは、とても切実に「心」を求めて迷いさまよっていたこの人が、今では自分からキラキラと愛を放ち、今も切実に愛や本当の心を求めている人たちの大きな力になっているような…そんな気持ちでとても心強く思いながら聴き入ってました。

この曲は平安神宮で、2年連続で歌われたのですね。(もう忘れてる、笑)

・イントロ中、結構長いことじっと空を見上げるつよしさん。美しく上向きにそらされた白い喉。その姿そのものがとても綺麗で、何回見ても見とれてしまったポイント。


・黄色い光


・「Help Me Help Me」の歌詞。
もちろん歌詞カードでは、「逃げたい時はどうすればいい」です。
この歌詞が都合4回出て来ます。
2回目と4回目の「逃げたい時はどうすればいい」の歌詞の最後のところ、どうしても「どうすればあい」に聞こえるような気がした…というのが気になった始まりです。
「AI」?「愛」?「I」?
誰もそんなことを言っていなかったので、勘違いかなぁと思い、見るたびにそこに注目していたら、やっぱり2回目と4回目に限り、はっきりと口の形も「AI」でした。
そもそも母音の「あ「と「い」では全然発音が違うからあいまいに聴こえることはなさそうです。
さらに気になって、アルバムNIPPONのこの曲を聴き直してみたら、ここでもやっぱり一度「あい」と聴こえた部分がありました。
「どういう行動を取れば愛なんだろう」とか「どうすればI(わたしらしい)なの?」とか、そんな風に意図して歌ってるのかしら?
どうしても気になったので、書いておきます。


・曲の最後、一瞬真っ白になる画面
このシーンはものすごく印象的です。だんだんに浮かび上がるピンクのシルエット。
なんてドラマチック。
映画になってよかったです。


・「縁を結いて」
小さく震える歌声
実際のライブの時は、この曲の時だけボーカルが明らかにヘンだったことはライブの感想のところで書きました。
今回は、多分ここだけボーカルのバランスをあげてるから、この歌のブレスだけとってもよく聞こえます。
あの刹那の音楽はあの時限りのものだから、映画で見た「縁を結いて」はあれで正解だと信じているけど…
そのあとの水声の時の音源も、たまたま映画を見てくださったみなさまに聴いていただく機会があればいいのになぁとちょっと思いました。
本来はもっともっとコントロールが効いていて、ボーカルはもっともっとバンドに負けない存在感で、隅々まで絶妙に巧いのに…と。やっぱりそう思ってしまうわたしもいて。
だからと言って、ここだけ別の日と差し替えられてもやっぱりイヤだけど。
映画としてはやっぱりこの日のドキュメント的な映像と音楽に終始する…で正解なのだろうと思います。
ライブでもテレビでも、「縁を結いて」はもっともっと見たい聴きたい曲です。


・セッションでとっても好きなところ。
レナードさん、スティーヴさんの太鼓対決から、豪太さんのドラムスが入ってくるところ。
レナードさんのいたずらっぽい会心の笑顔。

KenKenが目を閉じて、うっとりと弾いているところ

竹内くんの和を意識した?でも、超FUNKYなメロディー

宇宙的?とも思えるようなキラリとした名越さんのかっ飛んだ音。物静かな方だけど、意外にエキセントリック?ギターの音はとても雄弁。

無心に音楽に向かいながら、だんだんに激情がおさまり、感情がやさしくほどけてきて、音楽を楽しんでいる顔に変わってゆくつよしさんの表情の変化。

本当に音楽っていいなと思う。


・SWINGOさんのベンベン言う三味線の音色
この時だけ指の形が全然違う。突っぱるように伸ばして弾く。
(ピアノっぽい音を鳴らす時のこの方の指の形はとっても綺麗です。)
そっか、この時は指先をバチにしているんだなぁと再認識。


・「想」の文字
最終日、ゆっくりと一文字。お習字のように、ひと筆ひと筆、ゆっくりとこの字になっていく過程が映し出されました。
限りなく想像力をかきたてられる一文字です。
多分初めて最終日にご覧になった方や、2回目くらいだったら、この文字が追加されていたことにも気付かず通り過ぎてたかも。

想いのこもった「想」しっかりと受け止めさせていただきました。


SHAMANIPPONのアルバムの予告
つよしさんを取り囲むように、たくさんの和紙の行灯(あんどん)が置いてあります。
ひとつひとつの行燈に書いてあるのは、動きのある(走ってる?)人のシルエット。
仮面をかぶって踊るつよしさん。柄々な衣装。強烈な曲。ハートのオブジェ。
一度見たら忘れられません。

移動ドで書くと「ラーーー シ ドーーーーーーー」
(ジャーーー ン ジャ ジャーーーーン)
に被るように「SHAMANIPPON SHAMANIPPON」の声。
ものすごくエキセントリックなのですが、目が離せない。面白い。ワクワクする。つよしさんだもの。こうじゃなくっちゃ!
「ミフェミレソミド」)(最後ドだったかどうか、わたしの記憶が怪しいです。)
NIJIの詩の初回盤Bについていた、社会科見学の時に作られた曲の一部?を思わせる音楽。
この予告だけでものすごく上がりました。楽しみです。


最後に…
書かないよりは書いた方がマシくらいの感想になってしまいましたが、素直な気持ちを残しておきます。
過去、収録が入っていたけれども、DVD化されていない公演はたくさんあって…
たとえば「剛紫」の時のDVDだって、薬師寺2回目のDVDだって、ほしい映像はたくさんありますが…
ありえないほど悲しい出来事が続いたこの年の、更に追い打ちを掛けるような台風の翌日だった、この日の映像は特別です。
平安神宮で行われたこの公演の映像が映画化されたこと、本当にうれしく思いました。
更にそれがDVDじゃなくて映画だったからこそ…
何度も見れたし、映画をきっかけにたくさんの友達とも会えたし、みんなで見れたし、ファンの人みんなとツイッターやネット上で交流したり、違う楽み方もできたし、彼の歌声を知らない方々にもたくさん聴いてもらえたし。
わたしのある仲良しさんは、この映画を大好きな方と一緒に見た後にプロポーズ。ドラマチックに恋を成就させたという超素敵エピソード。
この方たちにとっては縁結びの映画にもなったという、そんなおめでたいエピソードもありました。
もちろんそれでも海外に住んでらっしゃる方もいれば、映画館が遠い方もいて、まだこれから上映を待っている東北や沖縄のみなさんもいて「誰もが一度にみんな見れた」というわけではありません。
拍手コメントでいただいた方の中には、わざわざこれを見るために、上京されたという方もいらっしゃいました。
わたしとて、まだまだ反芻したい個所もたくさん。
どうぞこの映画がさらにブルーレイになって帰ってくる日が訪れますように。