ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

ブーニン氏のこと

きのう友達が「徹子の部屋に出るよ!」とつぶやいていたので、見てみました。
彼がショパンコンクールで優勝した時はわたしがまだ大学を出たばかりの頃で、その時の流行っぷりはとてもよく覚えています。
NHKスペシャル番組が組まれたり、音楽会が大盛況だったりしてたなあとなつかしく思い出しました。
最近何かの番組で奥さまは日本人だとか、実はかなりの親日家だそうだ!とか聞いたので、ええ?そうなの?ほんとうに?ととても興味を持っていたのです。
徹子の部屋でその親日家ぶりについて聞かれたブーニン氏は、侍が好き、舘ひろし氏が大好き、山下洋輔氏が大好き、冷蔵庫には常に梅干しが好きや大吟醸やたくわんが入っていて、梅干しは紀州の、大吟醸なら新潟産…などと力説しておられてびっくり。
現在はドイツと日本に半々くらいで住んでらっしゃるそうですが、日本がとにかくお好きで、どこが好きあそこが好きというよりも、どこにいても何をしていても、日本にいることそのものが大好き…ととても素敵なことをおっしゃってました。
もちろんそこまでとは存じあげておりませんでしたよ。日本人のひとりとして、外国の方にそこまで日本を気にいっていただけるのはうれしい限りです。
日本人の奥さまとの間に生まれた息子さんと共演なさったこともあるそうで、その時モーツアルトの二台のピアノのためのピアノコンチェルトを弾かれたのだそうですが、息子さんは暗譜で弾かれたのだとか。
二台で演奏する時は普通楽譜を見て弾くことが多いので、多分お父様と演奏されるということで相当意気込まれたんだろうなあと想像しました。
一方のおとうさんは、息子が万が一間違えたりしたら自分が息子の分まで弾かなくては…と両方のパートを完ぺきに弾けるようにされたのだそうです。愛だわ、愛。
そのブーニンさんが徹子の部屋ショパンのワルツ7番嬰ハ短調作品64-2をテレビで弾くと言うのです。この曲はわたしも学生時代に試験で弾いたことがある曲で、憂いを含んだとても美しい曲、大好きな1曲です。
コマーシャルを挟んだ後に演奏しますと前置きがあったのですが、そういえば当時からブーニンの演奏は独創的でドラマチック過ぎて、自分が20代だったあの当時ならともかく、今だとちょっと胃に重たいかも?(笑)なんて懸念をしたのですが…
実際演奏が始まってみると、ブーニン氏の演奏も年を経て、以前抱いていたイメージとは少し違った風に聞こえた気がします。端正でていねいな演奏はそのままに、でも以前と比べると若干さっぱりしたかな?という印象を持ちました。
わたしも年を重ねたけど、ブーニン氏もまた同じだけ年を重ねたということなのかな?なんて思ったり。わたしだけがそう思ったのかもしれないですが。
ブーニン氏は山下洋輔氏のことをとても敬愛してらして、最近共演したことをとてもうれしそうに語ってました。山下洋輔氏の演奏スタイルも、音楽会の間の過ごし方も、何もかもが大好き…とベタ褒めされていて、わたしは山下氏も大好きなのでとてもうれしく思いました。
現在のこの方のピアノをいつかじっくり聞いてみたいと思いました。