ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 変わりゆくもの、変わらないもの。

 ここのところずっと温めていた話題です。
 時間ができたら書こうと思いつつ、後回しになってました。
 わたしの座右の銘のひとつは「ケセラセラ」。「何があっても気にしない〜♪」とよく言っていますが、実はもうひとつあって、それは「柳に風」。
 こういうと「馬耳東風」みたいな意味にとられたりもするのですが、ちょっと違います。
 「柳に風」を辞書をひくと

柳が風になびくように、逆らわずに穏やかにあしらうこと。「―と受け流す」

 と書いてあります。
 わたしが育った山口県柳井市というところはとにかく柳の木が多いところで、常にこの木を見ながら学校に行ったり景色を眺めたりしたものでした。
 柳の木というと、おばけを想像したり怖いものというイメージを持たれる方も多いらしいのですが、わたしはかの木のしなやかな強さにとてもあこがれます。一見常に風に翻弄されているようで、簡単にはポキンと折れず、風が止めば何事もなかったかのように、すました顔でまっすぐにそこに立っています。
 さて、今年の前半のわたしは、仕事上もプライベートでも迷いが生じる出来事が多々あって、とてもとてもへこんでいました。
 頻繁に問題に巻き込まれただけではなくて、自分から問題の種を撒いてしまい人を傷つけた出来事もあって、自分のふがいなさに落ち込んだり、とにかく何につけても結論が出せない、どっちつかずで、どっちを向いても「ええカッコしい」の自分というものに心底飽き飽きしていたのでした。
 そんな折にたまたま中学時代の文集を目にして、そこには柳の木の絵が描いてありました。「そうだった!柳に風」と久しぶりに思い出したわけです。
 ピアノの生徒は小さい時から始める子が多いので、みんなどんどん成長していきます。成長の過程では言ってることがころころ変わったり、きのうイエスと喜んでやってくれていたことが、今日はノーになって頑としてきかなかったりもします。時として急に扱いにくくなったり、するっとご機嫌が直ったかと思うと先日までと正反対の文句を言いだしたりもします。
 そんな子たちの毎日を上手に受け止め、ある時は「はいはい」と受け流しながら、もっと彼らにおおらかに対応してもいいんじゃないかな〜なんて散々迷っていたくせに、ふと、これらのことが大したことではないような気がしてきました。
 もちろんわが子たちもむずかしいお年頃で、いらついたりかと思うと超ハイテンションになったりもします。
 そんな変わりゆくものを穏やかに受け流し、そのたび判断しようとせずに、のんびり見守れるしなやかさを持たなくてはとつくづく思います。
 きっと対等な人間同士の関係もまた同じで、何事も結論を出してかたくなに自分を守っていくやりかたをしなくても、もっと穏やかになるがままに、決して否定的になったり卑屈になったりせずに、右に左に揺れてたっていいんじゃないかと思い始めました。
 調子がよかろうがなんであろうが、好きな人は好きなんだし、会いたい人は会いたいのだし。今はたまたま会えないからと言って、何がなんでも力技でなんとかしようとしなくったって風はいつか止むのだし(笑)誤解はいずれ解けるんだし…
 しなやかに、風に吹かれるままに。でもしなやかな中にも自分をちゃんと失わず損なわずにいたいものだと思います。
 今年のつよしさんのソロの活動は、始まった当初からずいぶん変化がありました。
 E☆Eを封印して、新しい「剛紫」プロジェクトを立ち上げたこともそうですし、ライブの中身もだいぶ趣を異にしました。
 このヒトの変化に関しては、慣れっこになっているという面もあるにせよ(笑)どんなに変化をしようが穏やかに受け止めて楽しめる自信があります。なぜかはわからないし、多分こういうのが相性というものなのかもしれませんが、どんな変化も面白いと思えて、最初は少々戸惑っても「この変化が好き」と素直に思えるわたしがいます。
 また、今年の「SHOCK」は植草さんが入ってかなりの変化がありましたが、その変化はとてもおもしろくて意外で、でもわたしにとってはとっても心地良い変化でした。コウイチさんのソロ活動もまた、どんなに変わろうが、ずっと変わらない部分を残そうがやっぱり楽しめる気がします。
 一方でKinKi KidsはやっぱりKinKi Kidsで、そこへ戻ればいつでも同じ関係性と穏やかなふたりの笑顔が待っている場所で、ここはどちらかと言えば変わらない場所かもしれませんが、ふたりが帰る場所がある安心感みたいなものもよく感じたりするのです。
 変わっていくものも、変わらずにいるものも、古くからの絆も新しい出会いも…いろいろなことに執着しすぎたり入る前からシャットダウンしたりしないで、何事も穏やかにしなやかに受け止め受け流せるわたしでいたいなあと改めて。
 もちろんそんなにうまくはいかない毎日ですが、とりあえず目標は高く掲げて行きたいです。
 なんだかとっても理屈っぽい話になっちゃった。ただのひとりごとでした。すみません。