ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 奈良旅 その14(6月11日) 栃尾観音堂

今年の3月に、東京博物館で「円空展」を見てからというもの、各地に散らばる円空さんを見てみたいと思っていました。
友人の空さんに「天川にも円空さん、いらっしゃるよ!」と聞いていたので、宿をチェックアウトしてから、車で行ってみました。
栃尾観音堂」へは天河弁財天よりもさらに南西の方角にしばらく走ったところにあります。
とてもとてものどかなところで、看板を見逃したらわからなかったかもしれないくらい、点在する民家の間を入っていくように小さな道を行くと、この看板が!!

この看板の前に車を停めたら、小さな観音堂が見えました。

お堂の正面の引き戸がほぼ閉まっていましたが(若干隙間があいてました、笑)中は民家のように座布団が敷いてあって、無人ですが注意書きがいっぱいしてあって、中に入れることがわかりました。

こんな風に素朴な感じにいろいろ書いてあって、ガラス扉の向こう側に円空仏さんが4体いらっしゃいます。
一番大きな聖観音菩薩さんの中からは胎内仏さんや仏舎利などが見つかったのだそうで、それらもまた展示されてました。
スゴイです。
どの仏さまもとても包容力のある穏やかないいお顔をなさっていて、このお堂の周りののどかな雰囲気にぴったりです。
オットとわたし以外に誰も来なかったし、人が通った気配もなかったので、じっくりゆっくりと仏さまたちを眺めることができました。
外へ出て、この仏さまたちについて説明してある看板を読んでみたところ、この仏さまは300余年に渡り栃尾の人々の厚い信仰を集めてきたのだそうです。
しかしながら、この仏さまたちは、長きに渡り弘法大師さまの一夜の作とされていて、昭和47年の学術調査の時に初めてこの作品群が円空の作品であることがわかったのだそうです。
びっくりです。


看板の両側には、円空の作品そっくりの雰囲気を持つ木の像が二つ置かれていました。
こちらも素敵だったので画像を撮らせていただきました。
さて。
このお堂に入る前に、わたしはまたしてもお堂の裏にある巨木が気になって、見に行ってみたくてうずうずしておりました。
ふたつ前の日記に書いた坪内の大銀杏にまさるとも劣らない立派な銀杏の木です。
こちらの銀杏にはチェーンはかかっていなかったので、そばまで行って画像を撮らせていただきました。

こちらは円空銀杏の説明書の看板です。なんと円空お手植えの銀杏だそうです。うわぁ、ということは、この銀杏は300年の歴史があるわけですね!!どんな景色を見て、どんな人々の姿を見てきたことでしょう。


美しい巨木でした。思いがけず素晴らしいものが見れました。