ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 奈良旅の記録 その2 みたらい渓谷

実は、この旅日記の最初に「SONGS」の感想をくっつけた日記をアップしようとしかけたのですが、それはあんまりだ!と思ったので、ふたつにちゃんと分けました(笑)

書く習慣というものがなかなか戻ってこなくて、苦戦しております。

その上さらに、このごろすぐにいろんなことを忘れてしまうので困ってます。
ボケが始まったんじゃないか?というくらいです。
昔から記憶力のなさには定評があるのですが、最近拍車がかかってます。ヤバイです(笑)

気をつけなくては。

さて。

ここからは旅の続きの話です。
今日は2日目のことを書きます。
順番どおりに書くと、次は天河神社さん(正確には天河大弁財天社さん)なのですが、三日目にも再度訪れたので、3日目のところに詳しく書きます。

前日「天河さんに朝のお参りに行きたいんですけど、いまひとつ時間が曖昧で。6時半くらいに朝のおつとめが始まるのか、7時くらいからなのか、いつもあてずっぽうで行ってるんですよね。」なんて話したら、お願いしたわけでもないのに、宿の方がわざわざ直接神社に問い合わせてくださいました。

ほんとうに天川村のみなさま方はいつもとても親切です。さりげなく、手間を惜しまず、心地よくしてくださって、本当にありがたいことだなぁと思います。

そして・・・

「朝は7時開始だそうですよ。でもなるべく早めに余裕を持っていらしてくださいね。」って言っておられました・・・と教えてくださいました。

なので、二日目は6時にオットに起こしてもらいました。
(朝はオットがめっぽう強く、わたしがめっぽう弱いのです、笑)

例によってぼんやりしていたら、オットが家から持ってきたドリップコーヒーをさっさと落としてくれて、手渡されました(笑)
しっかりしろ〜っ!レイン!

10時には寝てるんだから、久々の8時間睡眠!!
足りないとは言わせない!
でも、眠いものは眠いのだ!

そもそも、日ごろは断然わたしの方がオットに気を使い、家族みんなが家で居心地よく過ごすための努力はしているはずと思っているのですが(気のせいかもしれないけど、笑)どうも旅行に出ると逆転する気がしてます。

わたしは一旦旅に出てしまうと、スイッチを完全に切ってしまうタイプみたい。

いつも全力投球にならざるを得ない日常から開放されるからだと思うのですが、ひたすらに「ぼーーーーっ!!」としてしまいます。

逆にオットはそもそもが旅好きなこともあると思いますが、旅となると日ごろ切っているスイッチまでもが、逆にしっかりと入る感じ。

計画も綿密だし、注意深く周りを見ているし、人の輪にも積極的に入っていって、地元の人と仲良くなるのも上手だし。

そして、ぼんやりな妻のこともよく見ていて、靴を脱ごうとしたらすかさずスリッパを出してくれたり、段差があれば、危ないよ!と声を掛けてたり、引っ張ってくれたり。

その細やかさにびっくりします。

わたしももうちょっと細やかにならなくては!

おっと話が逸れちゃった。

コーヒーだけ飲んだわたしたちは、最小限の身支度をしてすぐに出かけたのですが、いつもの空海さんお手植えの大銀杏と戯れたりして(笑)6時45分くらいに神社の鳥居をくぐったら、もう朝のおつとめは始まっていて・・・あれ〜っ!?という感じ(笑)

7時というのはなんだったのだ?

でもそういや早めにいらしてくださいっておっしゃってたな(笑)

そして、結局のところいつも通り?途中参加になってしまい、翌朝のリベンジを誓ったわけです。

その話は翌朝のところで。

さて。

お参りから戻って朝食をいただきました。

朝食も和食で、煮物中心で、とてもおいしかったです。

少しずつ並べられた煮物の味がみんなちょっとずつ違う味で、なんだか感動しちゃいました。
関東だと、どうしても煮物の味が決まりがちで、ちょっと見習いたいです。

ごはんに合うおかずだらけなので、おかげさまでごはんがありえないくらいすすんですすんで、朝から3杯もおかわり!というオット。
わたしもオットの勢いに押されて珍しく2杯食べてしまいました(人のせいかい!いやいやいや、笑)

ふたりなのに、小さめのおひつからどんどんごはんがなくなっていくこの感じ。
怖い怖い!(笑)

この宿のありがたいところは、食後にドリップコーヒーが飲めること。
「ロビーに十分に落としてありますから、飲んでってくださいね!」と宿の方。

山に行くといつも、お茶は出るけどコーヒーはなかなか飲めないとあきらめているのですが、コーヒー大好きな我が家にとっては、これが何よりもうれしかったです。

いそいそとロビーに行くと、大将と呼ばれてらっしゃる好々爺という風情のおじいちゃまがいらして、食後のお客さんととても楽しそうに談笑してらっしゃいます。

わたしたちがコーヒーを注いでいたら、とっても気さくに声を掛けてくださって、天川村のいろいろな話をしてくださいました。

わたしは人見知りなので、こういう場所では、地元の方の懐に入るのが上手なオットにおまかせになっちゃうことが多いのですが、この大将は人に警戒心を抱かせない自然な感じで、にこにこと自然にそこにいらっしゃるので、ついつい自分から話に入っていくわたし。

天川というところは本当に水が多いところでね〜なんて話とか。

オットは大峯山は普通の人でも登れるかどうか?みたいなことをあちこちで聞いていて・・・
わりと本気なんだなぁ〜。

そして、山の上の展望台まで行くと、ここ天川村から、うんとお天気がいい日には、富士山が見えるという話。

天川から富士山方面には、そんなに高い山がないから、うんとお天気がよい日ならちゃんと見えるんですって。
見えさえすればその形で「あれが富士山だ!」って誰でもすぐわかるっておっしゃってましたよ。

すごい話だ!感動。

この話に関連して、とっておきのおもしろかった話は、北島のサブちゃん話。

北島さんは、名古屋でコンサートがある折、昼公演と夜公演の合間に、天河弁才天にお参りに来られたりするのですって。

どうしてそんなことができるのかと言うと、小牧の空港からヘリコプターで天川村まで飛んで来られるそう。
「直線距離にすると近いからね。高すぎる山はないし、海もヘリなら関係ないでしょ。」と大将。

確かに!確かに!

サブちゃんは、天川村にタクシーを待たせておいて、神社までお参りに行き、またヘリに乗って、夜公演までにちゃんと名古屋に帰り着いて、何事もなかったかのようにコンサートを続けられるそうですよん。

これまた凄すぎる話だ!!

もちろん凡人にはとてもそんなことはできませんが、向かうところ敵なしの大御所であっても、それだけ天河さんの神さまを信頼なさっているということなのでしょう。

その話を聞いて、ただただ感心するオットとわたし。


さらに、円空仏の話。円空さんの弟子を自称する方々が全国にいらっしゃって、震災の時に東北のためにたくさんの円空仏さんを作ったというお話。
(このお話は以前新聞記事で読みました。)

そして、お宿の一番いい場所に置いてある、その中のおひとりが置いていかれたという、現代の円空さん(を目指してる方)が作られた素敵な仏さま。
いいなぁ、素敵だなぁ。
ちゃんと円空さんの心が入っているような仏さまでしたよ。

さて。

この日はみたらい渓谷に行く予定だということをお話しました。

みたらい渓谷への入り口はいくつかあるので、どこに車を置いてどこからどう歩いたらいいかがわからなくて、大将に聞いてみました。
特にわたしたち夫婦は普段からたくさん歩いているわけではないので、ムリのないスケジュールを組むとしたら、どの辺に挑むのがいいでしょうか?なんて話を。
そうしたら大将が、
「じゃ、ぼくも車を出してあげますよ。車二台で出発しましょう。途中の駐車場におたくの車を置いて、そこからぼくの車に乗り換えたらいいよ。片道歩けば車までたどり着けるように、出発地点まで送ってあげますからね。」なんて言ってくださって、本当にありがたかったです。

で、出かけたのが9時ちょっと過ぎ。

歩き始めたのが9時半くらいかな。

ここからは画像が多くなります。


スタート地点は、川合から309号線に入って、発電所をちょっとすぎたところ。
車道の隅っこでおろしてもらって、しばらくは車の通る道を歩きます。


歩き出してほどなく「244」と書いた看板を見つけたので、これをスタートの目印にしようと画像を撮りました。

どこにいても244とか51に反応してしまう体質(笑)そしてまた、ちょうどいいところにわたしを励ますように「244」の文字が!!
つよしさ〜ん!!(違うから、笑)
ひとりこっそりにこにこいそいそと画像を撮る(笑)


この数字は国道を通っていくと、どんどん増えてゆくのですが、ほどなくわたしたちはこの橋を渡り、遊歩道へ。

渓谷沿いの遊歩道なので、どこを歩いていても癒される水音がします。
この水音がなぜかとても好ましく、聞いているだけでしあわせな気持ちになりました。

かなりアップダウンはありますが、いろんな景色が広がって退屈しないし、自然と歩みが進んで行きます。



石の間から、こんなに可憐な花が!
りんどうかな。
わたしもだけどオットが「かわいい」「可憐!」と夢中になって画像を撮ってましたよ。



ふわふわと寝心地が良さそうな苔のベッド。
わたしがコロボックルだったら、こんなベッドを見つけてまどろみたい!!
さとうさとるさんのお話のあんなシーン、こんなシーンを思い出してました(笑)(笑)(笑)

一方のオットは、うちのことごとく枯れちゃった苔玉の苔を思い出して、どうしてうちの苔はダメになっちゃったんだろう?なんて、ずっと愚痴ぐち言ってる。

はいはい。またか。その話(笑)

夫婦で旅をする場合、こういう時便利で、お互いいろいろ思いつくままにしゃべったり、勝手に何かを見て興奮したりしているわけですが、夢中になると自分の世界へ入り込んでしまい、人の話なんて聞いちゃいない!!(笑)

そしてお互い吐き出すだけ吐き出して満足してるわけで、まっいっかという感じ。

時々都合がいいときだけ相槌を求めたり「聞いてない!!」と思い出したように非難したり、逆に訴えられたりもするのですが、基本お互いまったく遠慮がないので、楽だなぁ、ほんと(笑)

この日、オットは夢中で大木や草花の種を拾い、虫を探し、わたしは童話の一節を思い出したり、鼻歌で小さく歌いまくったり。お互い自分の世界にどっぷり!!

まるでお互い「小学生かよ!」というテンションで、超マイペース。いちいちいろんなものに引っ掛かるので、とってものんびり歩いてました。

すれ違う人もまた、同世代くらいから上の夫婦が多かった印象でした。

渓谷の遊歩道をひたすらに歩いたのですが、本当に気持ちがいいです。

気がつけばリュックがランドセル?なんじゃないの?という風情になっていて(笑)土曜日、半ドンの学校帰り、食べることも忘れて遊びほうけた子ども時代にタイムスリップしたみたい。


どんどん山の中に分け入っていきます。



真っ赤なもみじ。
あまりに美しくて思わず息を飲みます。
もちろんわたしは「まっかだな〜♪まっかだな〜♪」と歌い出す(笑)
オットはガン無視!(笑)



すすきの穂がとても綺麗。秋だなあ。

先日、ちびっこがレッスンで弾いたギロックサラバンドという曲が頭に浮かんできました。

よかったら聞いてみてくださいね。こんなイメージだったの。

さびしげで儚げなんだけど、どこか凛としてて。

わたしは柳とかすすきとか、しなやかな植物が好きです。
風に揺れて静かにしなるもの。風を通すもの。風を受けとめ、常に揺れはするものの、上手に逃がして、決して敵対せずにそこにいる感じ。



で、これが最初に現れた滝です。

荘厳!!
そしてドドーン!と音がダイナミックで素晴らしい。


反対側からもうちょっと近づいてみました。
こんな風にひとつの景色が歩いていくうちに遠くから見えたり、あるいは近づいたりしつつ、何度か見えるのですが、距離によって若干見え方が変わったりもして、すごくおもしろいです。

すご〜い!なんて大喜びで見ていたわけですが、まだまだこれは序の口。


この画像の右より真ん中あたりをよく見てくださいね。
小さく人が見えるのがわかるかしら?
これ、ずいぶん高いところから撮った画像なのです。

そして人と比べて、どれだけ岩が大きいかが伺えるかと。
こんな岩がいたるところにごろんごろんしています。

自然ってすごいなぁとひたすら感動するわたしたち。

ちなみにあそこにいた人たちは何をやっているのかというと、釣りです。

すっごく綺麗なお水の中に何がいるんだろうね〜なんて言いながら。
どんどん降りていくほどに、さきほど見た景色が近づいてきて、その大きさに驚かされます。



そして・・・橋を渡って、いよいよ滝がたくさんある方面へ。


見てみて〜っ!!すっごくたくさんの滝。

大将によれば、今年は雨が少なくて、本当はもっと荘厳なのに・・・とのことでしたが、十分です!すごいです。
こんな景色見たことないです。

右上につり橋が見えると思うのですが、これからこの橋へと向かって行きます。



そして、ふーふー言いながら登っていきます。
「ねえ、飴持ってな〜い?」とオット。

リュックをみると肝心なものが入ってな〜い!!

置いてきちゃってて、がっくり。

と、オットがなぜか通勤の時にいつも持っているホールズをどこからともなく取り出して、ひとつ渡してくれました。

爽快!!

あれ?ホールズってこんなにおいしかったっけ?

このエネルギーで、山のひとつやふたつ、らくらく飛んで行けちゃうかも(笑)

ふたりともくたびれてハイテンションになって、つまらないジョークを言ってはげらげら笑いながら(笑)登って登って、登っていって、より近づいた画像がこれです。


そして道が開けて、突然現れた景色の美しさに息を飲みます。
水に映った景色がまるで虹のようにきらめいています。

(ただし、ここに小さくピンクの服を着たおじさんが映っているのに気がついたかしら?
このおじさんがどいてくださるのをしばらく待っていたのですが、なかなかどいてくださらず・・・笑
わたしは痺れを切らしてシャッターを切ってしまいました。
オットはわたしより気が長いので、じっくり待ってシャッターを切って、人が入らない画像を撮ってました。
こんなところに性格の差が出ますのことよ・・・えっへっへ。)


赤毛のアンのアンが森で見つけた景色ってこんなんだったのかしら?なんてことを思ったり。
「輝く湖水」とか「きらめきの鏡」とか、いろいろネーミングしてましたよね。


わかるわぁという感じ。

コロボックルたちの聖地だったりして?

桃源郷というものがあるとしたら、こんな感じ?



少し上から撮ると、さらに幻想的で。
このあたりではドビュッシーの音楽が頭の中を支配してました。
音楽が浮かんでは消え、浮かんでは消え。

「夢」でしょ「月の光」でしょ。
「沈める寺」とか「アラベスク」の1と2両方とか。
亜麻色の髪の乙女」とか。
「パスビエ」とか。

この辺りのわたしの脳内BGMはずっとドビュッシーでした。

もっともっと登っていくと、こんな感じ。

そしてそして、いっぱい登ったり降りた気がするけど、意外とそうでもなくて・・・

あっと言う間に自分達の車が置いてある観音峰登山口のすぐそばのパーキングに到着しました。
今回は初めてだし、距離にして3.4キロくらいでやめにしたのですが、次回はもっともっとたくさん歩きたいよね?と言い合いながら。

今まで何回かこの地を訪れてるのに、どうして今まで来なかったのかしらね?

春の渓谷も歩いてみたいし、夏ももっといっぱい虫がいて、探して歩くのも楽しそうだね。(でもアネはムリそうです、笑)
でも、オットが求める虫がいるような木はあんまりないみたいでしたけども。

どんな季節に来ても素晴らしいんだろうなぁ・・・なんて。
次回も絶対にここに来なければ!!・・・なんてまだ旅行中なのにもう言ってるし(笑)

すご〜くのんびり歩いたので、車で洞川温泉街まで戻ったらちょうどお昼くらい。
大将に送っていただいて片道だけだったから、ムリなく、楽しく歩くことができました。

感謝!

続きます。