ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 すごく恥ずかしくてカッコ悪いこと。

 ちょうど一週間前の今日の話なのですが、その日は8時から本屋さんの棚卸しのバイトをすることになっていて、朝7時20分過ぎには家を出るつもりでした。燃えるゴミを出して、バロンの散歩に行って…毎朝5時半には起きているので、余裕だと思っていたのです。
 ところが、それからなぜか生徒のおかあさまからレッスン日を変えてほしいという電話があったりして、直前になって恐ろしくバタバタになったのです。
 悪いことにぎりぎりに出ようとしたら、どうしても車の鍵が見つからず。場所が決まっているのでないことなどあるはずがないのに、どこにもありません。前回車に乗ったオットにメールをしてみるも、そういう時に限って電源が入っていないみたい。ああ八方塞がり!!…
 ということで、結局はあちこち探し回った挙句合鍵を見つけてそれを使ってバイトに行ったのですが、案の定10分遅刻してしまい、ふらふらよれよれになって掛け込みました。なんせ半日ちょっとの集中バイトなので、「遅刻厳禁」というのがお約束なのです。
 もちろん棚卸し始まっていて、若い学生さんもご近所の主婦のみなさんも、社員の方々も黙々とすでに作業中。
 そんな中、ぺこぺこしながら入って行って、持ち場を与えられたのですが、まわりで「ピっ!」「ピっ!」というバーコードの音だけが響き渡るのを聞きながら、作業に入ろうとしたらまったく機械が動かないのです。「ひゃーっ!どうしよう!?」と更にパニックになってしまい、半年前にやった時に覚えた手順が全部わからなくなって途方に暮れました。何度バーコードを入れようとしても、何度電源操作からやりなおしても、読み取ってくれません。
 それで、10分くらいの間に7〜8回社員の人に「すみません!」「すみません!」と聞きに行ったのですが、社員の人がやると、ちゃんと作動します。なんで?なんで?なんで?と益々ドキドキしながら一人でバタバタやっていて、とうとう押すべきボタンをひとつ押し忘れていたという初歩的なミスが判明して、そこからはなんとかペースを取り戻したのですが、結局20分も棒に振ってしまい、多大な迷惑を掛けてしまいました。
 何が恥ずかしいって、そのバイトは友達の旦那さんが店長を務めるお店の本屋さんで、そのパニックの一部始終をフォローしてくれたのが友人の旦那さんだったこと。
 たまたま手が空いていたのが彼しかいなかったからなのですが、なんという恥ずかしさ。この年になると、日常的にパニックに陥ることなんて早々ないし、何があったってちょっとやそっとじゃ顔に出ない方ふてぶてしい年代に入ってきたという自覚があったのですが(笑)今回はもうレイン的恥部大放出!!(笑)「すいません。どうしましょう。」「あのう、まだできないんです。」誰ひとりとして持ち場を離れない中、ひとりで何往復もするわたし。
 舞い上がってどうにもこうにもなわたしの隣についにやってきた店長氏は、「あのね。ちょっと落ち着いてみましょう。この間もちゃんとできたじゃないですか。そんなむずかしいことじゃないですよ。ゆっくり思い出してからペースを上げればいいですから。まずはゆっくりスタートしましょう」なんて。
 帰り際にも「本当にすみませんでした。お金をもらうのが申し訳ないみたいなことになっちゃって!」と平謝りするわたしに「これに懲りて、もう来ないなんて言わないでね。今度の棚卸しの時は、子どもたちも一緒にバイトにいらっしゃい。」と、どこまでも紳士な態度でにっこり。もう恥ずかしいやらカッコ悪いやらで、穴があったら入りたかったです。
 結局車のキーはオットが日曜日に着ていたジャンパーのポケットから出てきて、「ムキーっ!!」となったのは言うまでもないですが、久しぶりに自分の弱いところ、ぶさいくなところが思いきり出てきちゃって、その後いろいろなことを考えました。
 たとえば、うちの生徒たちも、毎週会っているわたしの前でいきなりパニックになって家では弾けていたものが弾けなくなることがよくあるのですが、その時に「頭が真っ白になって」などと聞くと「ま〜た。大げさな〜」なんて思っていたわけですが、実際に頭が真っ白になることがあるんだなぁとか(笑)
 子どもたちや生徒たちが時間に遅れたりすると、たるんでるなぁなんて思っていたのですが、実際にたるんでなくたって、何かの巡りあわせで遅れることはあるんだなぁとか(笑)こういうことに関しては「問答無用!」な態度を取って悪かったなあと思ったり。
 あとはやっぱり「最近気がゆるみすぎ!」と思ったり。
 だんだん年を取ると、人生にも慣れて来ちゃって、たいがいの「みっともないこと」は事前に回避できたり、ごまかしたりできるようになった気がしますが、それは本質的にわたしが有能になったわけじゃなくて、ごまかすすべがうまくなっただけなのかもしれない…とかね。
 なんにせよ「自分に甘いんだよ!アンタは!」ということに気がつけてへこみましたが、よかったなぁと思います(笑)
 どうして1週間もたってそのことを日記に記したかというと、先ほど店長氏の妻、つまりわたしの友達に生協で会って、「なにやら大変だったみたいじゃない!?『レインさんでもそういうことがあるんだね!』ってダンナがおもしろがってたわよ」と言っていたのを聞いたからなのですが、大恥ではありましたが、笑い話で済んだのは幸いでした。
 よ〜くつよしさんが、「不細工なオレも全部オレだから。ファンの人にはそういうところもありのままに見てもらいたい。」と言いますが、そんなことが言える彼はかなり強い人なのかもしれないとあらためて思いました。自分のみっともない、不細工なところをさらけ出すことはとても勇気がいることだし、やっぱり隠せるものなら隠しておきたいと思うのが普通だと思うし。
あれっ!?いつの間にか、つよしさん話になってる(笑)
 ちなみに今回のバイト代の7千円は、使わずに手帳にはさんでおくことにしました。時々取り出してほろ苦い思い出が風化しないようにしなきゃね!!(笑)はぁ〜。