ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 ジョンレノンスーパーライブに参加して <後編>

 このエントリーはこの時の続きです。
後半の部分について、覚書を書いておきます。
ここからは、斉藤和義トータス松本氏、奥田民生氏、Char氏、吉井和哉氏とベテランの実力派シンガー、ギタリストが続々と登場だったのですが、見ごたえがあって、もうずっと目がハートになって音に聞き入っておりました。
 みなさんに共通しているのは、出てきた瞬間はなぜかオーラが消えてる?という感じで、ヨレっと現れて(ごめんなさい!)「大丈夫かなぁ?」と思ったこと。
 奥田民生氏やChar氏は器用にしゃべったりおちゃめな素顔が垣間見れましたが、他のみなさんは一様にMCが不器用な感じで、どちらかというと少年のように母性本能をくすぐられる感じ!?(失礼でごめんなさい!)
 しかし、イントロが鳴って一旦曲が始まって歌い出すと、もうオーラが全開になって突然ピカピカキラキラきらめいて見え始めます。否応なしに歌の世界に引きずり込まれて、胸が痛いくらい心に響く歌声の数々。歌ってこそ、演奏してこそ輝く本物のミュージシャンという感じがして、ドキドキが止まりません。
 匂いたつようなオトコの色気があるみなさんの本気の歌を聴いて、となりにいたtanukiさんと、「やっぱり色気があって歌唱力抜群のオトコの渾身の歌」はいいね〜としみじみ話したりしました(笑)
 出てきた瞬間は申し訳ないけど「どこにでもいるおじさん」にすら見えるのに、歌声に圧倒されるうちにめっちゃくちゃカッコよく見えはじめ、 最後にはこんなに素敵な人は世の中にいないかも…くらいな勢いで魅了される…なんてすごいんでしょう。
 もうちょっと具体的に書いていきます。
 斉藤和義氏は1曲目に「Across The Universe」という曲をオリジナル日本語訳で歌われたのですが、この曲が本当に素敵で、心をガシガシと掴まれました。 出てきた瞬間ひらひら〜っと身体の前でかわいらしく!?手を振っていらして、いちいちそのしぐさが機械仕掛けみたいにカクカクしていて「大丈夫だろうか〜?!」な雰囲気がだれよりも見えた感じがしたのですが(失礼!)歌いだしてからの吸引力はものすごかったです。せつない、近づきたい、やるせない…うまく言えないのですが、なんだかいろいろな感情が歌声から引っ張り出されて、どうしたものか!?と身もだえしながら聴いてました(笑)
 この後だったと思うのですが、ジョンレノン氏の息子さん、ショーン・レノン氏のVTR出演があって、繊細な美しい声で父との思い出、父への想いがたくさん入った歌を歌いました。
 骨太なロックな歌が多いライブだったので、この彼の繊細な歌がとても心に残りました。近くの席のおじさまが、「レノンに顔も声も似ている」とおっしゃっていましたが、わたしは恥ずかしいことに無知でそれが的を射た発言なのかどうかよくわかりませんでした。
 逆にライブが終わってから、ショコラ嬢にいただいたジョンレノンの音楽にあらためて浸り始めていて、もっと早く、どうして予習という形で聴けなかったかなあと残念に思っています。
 またまたこの後手後手なレイン発動で、そんなところが片手落ちなのですが、こうやって終わってから興味を持ってだんだんに世界が広がるというパターンをここのところ繰り返しております(笑)
 トータス松本氏は「Stand By Me」がとても心に残りました。彼にぴったりの曲だなあと思いました。
 元々歌が上手で心をつかむ声だなあと思っていたのですが、生歌は想像以上にカッコよくてがっちり心をわしづかみにされました(笑)オットが前から「トータスはモノが違うから!」と言っているのですが、その心がよくわかりました。また彼の声を聞きたいなぁ。
 奥田民生氏は終始リラックスムードで(そう見えただけかもですが、笑)やっぱり生で聴いてみたい方だったので、とても楽しみにしていたのですが、 Char氏と一緒に演奏した「Come Together」が絶品だと思いました。太くて独特のあの歌声を生で聞けてうれしかったなぁ。
 続いて聞いたChar氏の 「Ticket to ride」もまた素晴らしくて、この間「押尾コータロー氏のギターパラダイス」ですでに心を奪われた後だったので、目の前に現れただけで、ドキドキわくわく。
 若い頃にどうしてこの方の魅力に全く気がつかなかったのか不思議ですが、年を重ねたからこそ音楽的な接点ができて、わかるようになるもの、気が付けることっていうのがあるのでしょう。
 超絶技巧の素晴らしさもさることながら、パフォーマンスやふとした仕草、バンドと見かわす顔、オノヨーコさんが出て来られてからの気遣い、いろいろなところに洗練されたオトコのカッコ良さが見えて、この方も本当に素敵なオトナの部分が大好きかもと思いました。
 多分ですが、押尾氏ライブのときに目の前でうれしそうに酔っ払って踊り歌い狂っていたおじさまが斜め前の方にいらしたと思います。多分この方もChar氏に魅せられたおひとりなのでしょう。
 トリを取った吉井和哉氏は、前から色気があって歌唱力抜群というイメージがあって、ものすごく気になるシンガーのおひとりだったのですが、お客さんの前に出るのが1年ぶりとかで、しかも前に演奏した奥田氏とChar氏に持ってかれたから、その後に出るのがイヤだ〜なんて弱気発言を連発していて、こんなにベテランの方でもそんな風に緊張されるんだなあと不思議な気持ちで見てました。
 が…やっぱりひと節メロディーに声が載った瞬間に不安な感じは全くなくなって堂々とした歌いっぷり。「なんてなめらかで心のこもった素敵な歌声!」とがっちり掴まれてしまいました。
 「HELP!」を歌われたのですが、最高音まで掠れもせずすごい音量を保ったまま美しく響いていて、しかもこの方の声は色気があって絡みつくような艶々な声、感情の乗せ方が本当に上手な方だなあと思いました。
 「なんていい声なんだ〜@@」とメロメロになりつつ、世の中には大好きなミュージシャン、シンガーの皆さんはまだまだいっぱいいるんだろうなあなんて思いながら聞いていました。
 この後は、全員集合して、夏木さんの音頭の元、意志表示ができるペンライト、ONOCHORDで会場とステージが融合していく感じを味わったり、分厚い音と歌声の「Happy X'mas(WAR IS OVER)」を堪能したりしました。
 その後でオノヨーコさんが登場して、彼女が訥々と愛について語るのを聞いたのですが、ショー的な感じでなめらかに語るのではなくて、ひとことひとこと、探るように言葉を探してゆっくり語られたので、更に心に残りました。
 「本気のひとこと」というものは、実はそんなに器用になめらかに出てくるものじゃなくて、こんな風に不器用だけど一生懸命に語られるもの…という気がしました。
 また会場のゆずとかに大熱狂していた若い世代の子たちが、それはそれは熱心に一生懸命オノさんの言葉に耳を傾け、明らかにその言葉に感動している風だったのが、とても素敵なことだなあと思ったりもしました。
 そこからは「Power To The People」「Give Peace A Chance」「Imagine」とほぼ素人のわたしでさえよく知っている曲がみんなで歌われ演奏されたのですが、この場に参加できて本当によかったと思いながら、一緒に口ずさんで楽しみました。
 ジョンレノンについて、わたしは最小限の知識しかなくて、このライブを見てからもっと知りたい、もっと彼の音楽に近づきたいという気持ちになったのですが、どの曲も全く月日の流れに色あせることなく残っていて、しかも今後も歌い継がれていくに違いないと思わされたので、たくさんたくさん聞いてみたいです。
 何より思ったのが、こんな風に全員が自分の歌ではなくて「ジョンレノン」「ビートルズ」に関わりのある曲ばかりを歌うというイベントがとても新鮮で、ジョンレノンに限らず、こういう風にどなたかの音楽をそれぞれの解釈でみんなが歌うライブがもっとあってもよいのではと思ったこと。
 最近の「消費」傾向にある音楽の世界になんだかとても危機感を感じていたわたしとしては、うまく言えないのですが、重大なヒントが隠れているようなそんな想いがふつふつと沸いてきて、もうちょっと時間が経ったときにわたしの音楽観にどんな影響が現れるのか、人ごとみたいにちょっと楽しみ〜なんて思いました。
 さて、とてもいい気持ちでライブが終わった後は、久しぶりにお会いしたtanukiさんと、九段下近くのファミレスでお互いに今回のライブについて、今年のKinKiやケリーさんの思い出について、お互いの仕事や家庭について、それはそれは短い時間にびっくりするほど詰め込んだトークをしたのですが、月曜だったこともあって時間に限りがあるし、終電を気にしつつ、ものすごく集中してしゃべりたいことをしゃべり合いました。
 とても久しぶりだったのに、そんな感じがしなかったのはお互いに日記を常に読み合って、むしろ近くの友人よりずっとお互いのことを知っているからだと思うのですが、そんなこんなで前置きもなくいきなりお互い核心トークに入って行けるのが冷静に思い出してみるとなんておもしろいんだーと思いました。
 こうやっていろいろな友達と心をつなげ、勇気をもらいながら、年末のバタバタを追い込まれ過ぎることなく上手に乗りきっていけたらと思います。
 いつもみなさんに助けられてばかりですが、わたしでも役に立てることがありましたら、いつでも言っていただけたらと思います。たまには恩返しをしなくてはなあと思うこの頃でございます(礼!) 
 そうそう、ちらっとお会いできたbonyarihitsujiさん、ご無事で何よりでした。今年はいっぱい新鮮な風を運んでいただいて、音楽の世界がたくさん広がりました。心からの感謝をこめて…また遊んでくださいね!
 というわけで、私信もいっぱい取り混ぜつつ、いろんな感想をまとめておきます。