ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 奈良日記 その6 Iand愛 4月19日 ライブ感想その2

 この日記は下に書いた日記の続きですので、ここから開かれた方は下の日記を先にご覧ください。
 下の日記で「すでにおなかいっぱい!」という方々もいらっしゃることと思いますが(笑)、「仕方ない!読み始めちゃったしな〜乗りかかった船だ!」というお方は続きを読むからどうぞ!!
ソメイヨシノ
この曲をこの季節、この場所で聴けたことに感謝です。奈良という場所でどうしても「空が泣くから」と「ソメイヨシノ」を聴いてみたいという気持ちが強かったので、この2曲が聴けて本当にうれしかったです。テレビのカメラが入っていたので、ひとりでも多くのファンが見れるといいなあと思います。
この曲は、MCの続きで始まったので、これと次の「春涙」は珍しく座って聴きました。それもよかったのか、恐ろしく曲の世界に入り込んでしまい、「春なのに心がとてつもなくせつない!」という感情でいっぱいになってしまいました。後で考えてみれば、彼が思っている「桜のイメージ」「春に抱いているイメージ」というのがそんな感じで、この日の彼の表現力が神がかりだったので、彼の想いが120%ずし〜んと心を直撃して来たのかも(笑)
テンポは横浜初日とも違ったアレンジで、よりオリジナルに近いテンポです。早すぎずもたつかず、すごくうまい流れになっていました。十川さんと息がぴったりでE☆Eのライブの歴史を感じる1曲でもありました。

△春涙
すごく胸をキュンとさせるご本人映像が流れましたが、これは横浜であったかしら?ちょっと記憶にありません。ここで初めて見たような気がしたのですが、どうかしら!?(わかる方、補足してください!)新幹線に乗り込む大きなサングラスの剛さんと帰宅後のメモに書いてあったのですが、あんまり覚えていません。ご本人映像の中に奈良のものもあったような気がするので、多分新しく撮ったのかな?と思ったのだと思います。
 MC直後の「ソメイヨシノ」と次の「春涙は」流れ上座って聴いたのですが、この曲はこれで正解だと思いました。この辺りはあちこちで鼻をすする人。この2曲の後の「kurikaesu春」もせつなくて、この桜、春三部作は本当に心に染みました。
実はわたし、この方のライブでは、楽しくて楽しくてたまらない!!と感じることは何度もあったものの、涙が出るような体験はしたことがなかったし、号泣している方を見かけると、「純粋なんだなぁ」なんてちょっと人ごとみたいに思ったりしていました。
 ところが今回「ソメイヨシノ」の後にこの曲、そして次の「Kurikaesu 春」の流れがあまりに絶妙で、「春」の魔法もあり、「奈良」の場所の魔法もあり、歌に深く入り込みつつ聴いていて、気がついたら何度も目に涙が溜まってしまい、決壊寸前(笑)
 そんな自分に当惑しながらも、歌への集中はまったく途切れずひたすらがん見しながら耳は歌声にものすごく集中して聞いていました。
 まわりでもすすり泣きの声、鼻をすする音があちこちでしていて、どうやらたくさんの人が激しく心を揺さぶられているらしかったです。(あくまでも後で考えればですけどね。その瞬間は自分で精一杯ですから、笑)
 なぜか、昼間出あった地元の人たちとか、穏やかな仏像のお顔とか、清々しい奈良の町の空気とか・・・いろいろなことがぐるぐる頭を巡っていて、わけのわからない感情に襲われました。
 その絶妙なタイミングで、「生きること、生きていること〜♪迷わず明日へ連れて行こうよ♪」という部分がきて、せつなさでいっぱいに。ほんとにね・・・。気がついたら頬をつつ〜っと涙が伝わっていて、ハンカチを出す余裕もなく思わず手でぬぐってしまいました(笑)
 244さんの歌声はどこまでも伸びて、ホールいっぱいに広がって行きます。「CCK」や「愛 get 暴動 世界!!!」なんかも大好きな曲なのですが、あんな声も出せて、この曲のようなスィートでせつない声でも歌えるところが彼の強みだと思います。
 さっき引用した「生きること」からの部分は、「たまらない色気のある声を堪能する部分」だという認識で聞いていたのですが、この日は「生きること」「生きていること」、詩の意味をかみ締めながら聴きました。こんな風に聴く側の心の状態によってもぜんぜん聞こえてくるものが違うのも音楽のとても素敵なところだと思います(笑)
 最近、今回のライブツアーで初めて244さんの歌声に触れたという方から「こんなにCDと生歌に差がないシンガーと久しぶりに出会いました。レインさんが言っていたことが決して大げさじゃないことを、心から実感しました。」という拍手コメントをいただいたのですが、本当にそう思います。とりわけ生歌の安定感は素晴らしいと思います。音程もそしてリズムもとても正確で、テンポがずれてきたりもしません。
 1曲終わった後、夢から覚めたみたいに一拍置いてからため息混じりに始まった拍手!ここでもまた拍手が鳴り止まず、まだ拍手の音が終わらないうちに、明るくて楽しいのに途方もなくせつないイントロが流れ出します。あまりにせつなく感じたので、最初何の曲だかわかりませんでした(笑)もう何度も聴いてるのに。

△Kurikaesu 春
ライブバージョンでは、CDよりもかなり長いイントロがついているのですが、この日のはとりわけ長く感じました。(多分感じだけではないと思うのですが、今更確かめる手立てがありません、笑)多分ですが、観客が「春涙」の余韻からまだ抜けきれていなくて、気持ちが入れ替わるのを待ってくれているんじゃないかと思ったのですが、どうかしら。
「春涙」の感想の最後にも書いたのですが、この曲は春らしい軽やかな曲だと思っていたのに、「ソメイヨシノ」「春涙」と聞いてきた後でこの曲のイントロを聴くと、なぜか涙を誘うのが不思議です。
 歌が始まってもなんだかこの日はせつないムードいっぱいで、きゅんきゅんしながら聴いていました。もちろん手をワイパーのように動かすフリはちゃんとあって、歌っている彼がかわいいと思いながらもせつなかったです。

△Silent love
この曲のイントロがすっごく好きです。玉手箱を今まさに開けようとしているような気持ちでわくわくします。ここから歌に入る瞬間の曲調の落差が好き。
 はじめて聴いたとき、まさかいきなりスタートがマイナーコードになるとは!短調なんだ!斬新!と思ったのですが、生きにくい社会を歌った歌でありながら、詩の中の恋人同士はしあわせなふたりの世界を築いていて・・・曲調にも詩にも相反する要素が並んでひとつのものを構成しているという感じ。好きです。
244さんはこの曲では、ダンサーさんの動きに身体を合わせて軽く踊りながら歌います。

△Yellow
「I love U」では自分の胸を指さしてから244さんを指差すという振りがすっかり定着していました。この時、244さんは反対にこちら側に向かって指差してくれます。 すごく伸びる「U〜♪」の部分にあわせてまっすぐに腕を伸ばすところが好き!夢カリの終くんの『世界は愛に満ちている』というセリフを思い出します。

△愛 get 暴動 世界!!
 そもそもこの曲のために使われた「鹿のバイザー」は、会場入りするときにスタッフの方から手渡されました。これです。キャ〜っ!!かわいい!すごい!ステキ!と大喜びだったわたしたちです。

会場入りしてからもうれしくて、ライブが始まる前から取り出して見ていたら、スタッフさんたちが客席にやってきてマイクも使わずに、何かを言い始めます。「この鹿のかぶりものは、『ダンサーさんがかぶる』という合図があるまで隠してください!244さんにも内緒なので、ご協力をお願いします。」と注意して回っていました。渡されたビニールの中にスタッフさんからの注意事項も書いてあって、それはこんなのでした。

いい文章でしょう!?
温かいサプライズを仕掛け、それを成功させようと一生懸命になっていらっしゃったスタッフさんたちには、本当に頭が下がりました。244さんとの間にきちんとした信頼関係がなければ、こんなサプライズはできようはずもなく・・・。いろいろな人たちのがんばりや思いがあって、わたしたち聞き手側まで参加させてもらえる素晴らしいサプライズが成功してよかったです。
 さて、いままさしくその場面がやってきて、ファンが一斉に鹿バイザーをかぶったとき、確か244さんは最初真っ暗の中でうつむき気味でギターを弾いていて、気がつかない?と思う数秒があって、突然「あれっ!?」気がついたときの反応があまりに正直すぎるうれし恥ずかしな表情で、すっごくかわいかったです。
 そういえば、この曲の中に「チョケたくはない!」という歌詞があります。今年のこのアルバムに彼がここのところ連発しているこの言葉が入っているというのがなんだかとってもうれしいのですが、今日に限っては客席側がこんなに「ちょけっちゃってスイマセン!」と思いながら、この曲中、ずっと半笑いで聞いてました(笑)
バイザーはCCK途中でダンサーのTADAKOさんが244さんにも被せていて、 何度も髪を撫で付けてはかぶりなおしてカッコよくかぶろうとしてました。
 歌終わりに「(笑ってしまって)ちゃんと歌えなくてすいません」と言ってましたが、どこがちゃんと歌えていなかったのか、わかりませんでした(笑)多分本人的にはそうだったのかしら!?
 「これは、仕込み的なことなんでしょう!?」と照れて言いながら喜ぶ彼の顔が子どもみたいですごくかわいかったです。

△Chance Comes Knocking.
CCKは奈良の鹿バージョンということで、かぶりものをかぶったまま始まりました。
 「ハイヤーハイヤー!」「鹿の気持になって!」「もっともっとなって!」「まだ鹿になれてないぞ!」ってどうすりゃいいんだ(笑)とゲラゲラ笑いながらやりました。
そんな中、ダンサーさんのTADAKOさんを見たら、さすがちゃんと鹿になりきって角をしゅっと突き上げていて「ほぉ〜っ!!」と見とれました。今回はダンサーさんがいたるところに入っていて、耳は音に目は伸び伸びとしたダンサーさんに釘付けです。こうやって聴覚だけじゃなく、視覚的にも楽しいのは大歓迎です!

☆アンコール
アンコールのコールは、『大使!チャチャチャ!』でした。こういうノリの良さはこの方のファンならでは!という気がします。遊び心万歳!瞬時にして取り入れて、何でも楽しんでしまおうとするその精神(笑)大好きだわ〜244ファン!!

MC

△OH LORD!
MCが一通り終わった最後に244さんが「みなさんに緊急連絡があります」と言い出し、何ごと?と思って聴いていると、「今から歌いますので、鹿バイザーはお取り下さい!」ですって。
「あまりに鹿が(身体と)一体化しすぎて、かぶってるの忘れてるやろ?」 なんて言うので、場内爆笑でした。確かにね〜
「歌を聞き終わった後、『鹿バイザーを取っておけば良かったなぁ』ってなるから」だったっけな?そんなことを言って笑いを取りつつ、みんなに鹿を取る時間をくれました。
 244さんという人は、曲に入るための気持ちを作ることにものすごく神経を使っている人なので、多分、かぶりものを前にしてでは、この歌を歌いにくかったのではないかしら!?もちろんわたしたちだって、「OH LORD!」はちょけながら聞きたくはありません(笑)
実際に歌い終わってから 「ほ〜ら、取っておいて良かったやろ!」なんて「したり顔」で言って、またしても会場が大受けです。
曲の中身に関して触れると、この曲はものすごく盛りだくさんだし、歌い方も様々で、シャウトする部分があったり、かと思うと中間部の声はシルクのようになめらかで穏やかで繊細で長調なのに胸がキュンとするようななんともいえない気持ちを運んで来てくれるし・・・この1曲だけでも十分満足、おなかいっぱいになって満足して帰ることができます。そういう意味では、1曲だけのアンコールに最適の曲かも。
 ラストの方は「時代よ命を教えてくれ」「時代よ愛に跪け」とか、CDよりたくさんフェイクが入っていて魂の叫びみたいに聞こえます。
 こんな風に歌い方や曲の表情を瞬時にしてがらりと変えることができるのがこの人のすごいところで、役者的なすごみを感じます。

☆最後のMC
ラストに珍しく本人挨拶入りで、メンバーが紹介されました。
・TADAKOさんのお母さまの十八番は「濡鼠」で「ぬ〜れ〜ね〜ず〜みぃ〜♪」と演歌調で歌うらしく、244さんが「歌って〜♪」とリクエスト!歌ってもらってました。
・しょうこさんは昨日お寺に行った話をしてました。「奈良はいい人ばかりでした」とはきはきと。こんな声の方だったのね〜その話を受けて 「まぁ、僕も含めてですけどね」と自慢げなケリーさん(笑)
・レナード衛藤さんは、『本番を入れても』二回しか音合わせていないとおっしゃってました。ってことはほとんどぶっつけ本番!!びっくりです。
 あちこちに工夫がなされていて、へ〜こんなのもアリなんだ!と音を聴いて納得したり、ただただ驚く場面がいっぱいあったのですが、1回だけのリハーサルでこれだけのことをやっれているということは、相当な反射神経と、ひらめき、音楽的な瞬発力をお持ちなんだろうなあと思ったのです。
 後からレナードさんの公式サイトにてブログを拝見したら、短い時間の中で彼が考えたアプローチとしては、

彼(244さん)の唄う言葉の響きに着目して、そこにf(フォルテ)やクレッシェンドを持って行くようにしてみた。

と、とても興味深いことが書いてありました。
 そうそう、演奏はとってもダイナミックで力強かったですが、レナードさんご自身の声はソフトでやさしい感じでした。甘いお顔とあいまってなんだかドキドキしちゃいました(笑)更にくわしくプロフィールを読ませていただいたら、あれっ!わたしと同じ年に生まれられた方でした〜同じ世代を生きている方が、こうやって新しいチャレンジをたくさんされているのを見るのはいつだってとっても楽しいし、とっても刺激を受けます。それにしても親近感(笑)わたしもがんばろっ!!
・西川さんは、どういう経緯だったか忘れましたが、鹿の泣きまねをすることになって、「ミョーン」だか「ビョーン」だかみたいな声を出してました。「なんだか微妙!?」と言われて確か2回やったのですが、???244さんにも「変わってない」と突っ込まれていました(笑)
 後日談ですが、翌日わたしたちは本物の鹿が鳴くところに偶然遭遇しました(笑)「鹿は鳴かないでしょ!?」と自信満々に思っていたのですが、鳴いてましたよ〜!!びっくりです。更に驚いたのは、西川さんがマネしていたのと似ていたこと(笑)前日笑い転げて失礼しました、せんせー(笑)
・244さんの最後の言葉は「また来週!」
また来週があったらいいのにね!!どんなにいいか!・・・もちろん母で妻で主婦で、仕事も持っているわたしにとっては一世一代の大冒険で最初で最後かも・・・という切実な思いでいっぱいのライブでしたが、こういう思いをもっとたくさんのファンの皆さんが体感できたらいいのになぁと心底思ったライブだったので。
 いつかはまたたくさんの人たちと一緒に244さんを真ん中にして集いたい・・・余韻に浸りつつ、そんなことを思いつつ、温かい気持ちで会場を後にしました。