リピートから抜け出せない！

VOCALIST3(初回限定盤B)

　発売日だったかに、たまたま日テレを見ていたら、ご本人が出てらして、このアルバムについて語っていました。VOCALIST2の時はレンタルで済ませたのですが、結局ものすごくはまってしまい、毎日のように聞いていたので、今回は迷わず買いました。
　初回版Bにしたのは、元々あんまりおまけDVDというものに興味がないこと（KinKiのでもなかなか見ない）経済的なことももちろんですが、初回版Bのボーナストラック「喝采」が、彼によってどんな風に料理されるのか、とても興味があったのです。ちなみに初回版AはDVD付きで、初回版Bがボーナストラックの「喝采」付き。それと通常版があります。
　わたしは元々、カヴァーアルバムというものにことさら強く惹かれます。同じ曲を別々の人が、どんな風に歌うのかとっても楽しみだし、その人の個性とか表現方法の違いを聞き分けるのがとっても楽しい作業だからかもしれません。
　また、わたしが日々かかわっているクラシックが、そもそも様々に弾き継がれていく名曲の表現を探求し続ける側面があるからかもしれません。
　カヴァーされるような曲たちは、元々名曲であるのはもちろん、オリジナルの歌い手さんのカラーがたっぷりと染み付いているので、それを別の表現と個性で違和感なく聞かせるということが、そもそもむずかしいと思います。
　さて、そんなことをつらつら思いつつ聞いてみたわけですが、実際、期待を裏切られず、素晴らしく生まれ変わった音楽を聞くことができたような気がします。
　ボーナストラックの「喝采」に至っては、原曲を聞いたのはまだまだわたしがほんの子どもだった頃。それでも当時の映像やパフォーマンスは鮮明に覚えていて、「ちあきなおみさんのあの独特な声やパフォーマンスがあってこそのこの曲！」と思い込んでいたのですが、徳永氏バージョンを聞いて目からウロコでした。伸びやかには歌っていますが、感情過多ではなく、それでも訴えかけてくるものがあって、聞いていて歌の場面が見えるようで･･･決して親近感がある曲の世界ではないのに、万感の想いが胸に迫ってきました。素敵です。
　元々、このアルバムに入っている曲は、わたしにとってはカラオケの定番だったり、何度も何度もオンタイムで口ずさんだ好きな曲ばかりなのですが、どの曲も原曲のイメージを壊しはせず、でもちゃんと徳永カラーに塗り替えられていて、すご〜くよかったです。特にお気に入りは、その「喝采」でしょ、「PRIDE」「ENDLESS STORY」「CAN YOU CELEBRATE?」「わかれうた」「たそがれマイ・ラヴ」 「恋におちて」 「Time goes by 」 「月のしずく」「元気を出して」あれ！？ほとんどじゃん！！そのくらい、とってもいいのです。多分わたしたち世代でも、ずっと下世代でもひっかかる曲がいっぱいある気がします。
　必ずしも大声を張ってはいないし、どちらかといえば抑え目な表現な感じなのですが、どうしてこうも心を撃つのだろうとしばし考えてしまいました。
　多分もっと若い頃の徳永氏なら、自分の美しい声の音色を十二分に聞かせようと、声をもっと張り上げたり、感情のままにぶつけたり、もうちょっと生々しい表現になっていた気がしますが、このVOCALISTシリーズ、特に今回の３では、一歩引いて、余裕を持って冷静に聞かせているような気がするのです。彼の手のひらの上に乗せられて、彼の創り出す音楽表現に転がされているような感じがします。
　若かりし頃の、ギリギリな感じも好きでしたが、今の大人っぽい余裕を持って聴き手を翻弄している歌声はもっと好きかもしれません。歌い手さんとして、だんだんに成熟期に入ってきた気がします。
　わたしは彼のファンというほどではないですが、いつかライブにも行ってみたいし、オリジナルを歌う彼の姿もみたいなあと思います。
　オリジナルといえば、今度のKinKiの新曲の作曲は彼が手がけているわけですが、どんな風に仕上がっているのでしょうか。それもとっても楽しみです。噂によれば、明日のラジオ「どんなもんや」で初オンエアーらしいですが、忘れないようにしなくては。
　蛇足ですが、いつかKinKi Kidsがオールジャニーズの名曲をカヴァーするDVDが見たいなあと思います。確かCDだけならTOKIOが出していた気がするので、ダンスもついたDVDで（笑）KinKi色に染まってはいるものの、でも「ジャニーズ王道ここにあり」という感じの名曲の数々が聞いてみたいです。
　種あかしをしてしまうと、「10周年記念DVDという形で、『ジャニーズベスト』というDVDが発売になる」という夢を見て、ホントになったらいいのに･･･と思っていただけなのですが（笑）なんとなくKinKi Kidsがやったら面白いだろうなあと思ったの。カウントダウンで別のアーチストの曲を歌うKinKi Kidsにいつも強烈に惹きつけられるのでそんな夢を見たのかも。
　また、ケリーでだったら、徳永さんのようなカヴァーアルバムも聞きたいです。最近買ったカヴァーアルバムだったら、マッキー版も福山くん版もとても素晴らしいものでした。他にも古今東西のボーカリストがこういうアルバムを出しているのでしょうけれど、ドウモトツヨシという人は器用に「役を演じる」ことが得意なだけに、カヴァーアルバムを出したら面白いだろうなあと思うのです。1曲1曲歌い方を変えるのもお手のものだし、素直につよしさんらしく歌ったとしたら、それはそれで彼の声質の良さが思う存分堪能できて楽しそう。う〜んと古い歌謡曲でも、どうかすると演歌でも、ジャズっぽいものでもシンガーソングライターの名曲でも、いけそうな気がします。どんな風に料理するのか、心から聴いてみたいです。
　とにかく多彩なおもちゃ箱をひっくり返したような遊び心満点のアルバム希望！！これは今すぐじゃなくてもいいから、「SOMEDAY〜♪」と佐野さんの歌でも歌いながら、待っていたいと思います（笑）