ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 譜読みのコツと「かえってきたよ」

 大人の生徒さんが楽譜を持って来て、「弾いてみてもらっていいですか?」というので弾いてあげました。韓流ドラマの主題歌だそうで、全然知らない曲でしたが、結構いい曲でした。韓国の歌ってメロディーがとても美しいものが多いです。わたしは韓国ドラマも俳優さんも全く勉強不足なので、誰と言われても??前、あのドラマに出た・・・と言われても??で、生徒さんにいつも笑われてしまうのですが(笑)
 さて、「初めて見る楽譜を弾くとき、どこを見ているんですか?」と聞かれ、一瞬言葉に詰まりました。どうやっているんだろう?!「ちなみに今、どこ見てました?」というので、「歌詞・・・」と言ったのはホントで、1番と2番の歌詞がややこしかったから(笑)「なんで、初めて見る楽譜を弾こうという大事なシチュエーションで、よりによって音符じゃなくて、歌詞に注目しているんですか?」と生徒さんが言うので笑いつつ、ちょっと考えて言ったのはこういうこと。
 多分、弾き始めはとりあえずピアノ譜に集中しているけれど、だいだいパターンが読めて来ると、そんなにがっちり楽譜を穴が空くほど眺めていなくても平気ということ。むしろ、パターンからはみ出す瞬間を逃さないように右手も左手も一緒におおざっぱに見ていて、たとえば左手の和音の変わり目だとか、右手のメロディーが大きく変更するポイントとか、転調などを見逃さないように、そこだけ集中して見て、後はやっぱり大きく大譜表を見て、流れを追っている・・・のではないかな?と思います。というか、少なくともわたしはそうです(笑)
 初級や中級の古典派やロマン派の楽譜や、ポピュラーピアノの楽譜なら、そういうやり方で十分という気がします。現代曲やドビッシーなど、想像を超える動きをするものには、この法則は通用しませんが(笑)
 だから、間違い探しが上手になること。図形のように和音を見て、変わる場所にすぐ気がつけるようにするのです。子どもには「模様読み」とか「パターン読み」という言い方で教えます。音がたくさん飛んでいる音符を読むには?と聞かれたら、あえてそのたびひとつずつ音を数えたりしないで、間違ってもいいから勘で潔く飛ぶ訓練をすること・・・(もちろん弾いてみて、途方もなく音が変なら、即座に数えてみなくてはならないですが、笑)・・・なんていいました。
 そうしたら、「もっとむずかしい話なのかと思ったら、案外アバウトなんですね!先生!」と言うので大笑い。多分、そんなものだと思います。繰り返すようですが、少なくともわたしはね(笑)
 さて、初見演奏と言えば、昨日「ピアノパレード」(Gakken社)の3巻を2年生のMちゃんと共にやりました。この教材の中に、加賀美恵さんという方が作曲された練習曲「かえってきたよ」という曲があって、初めてレッスンに取り入れてみたのです。面白いことに、ほとんどの曲に歌詞がついていて、この教材は歌ったり弾いたり、とっても楽しいです。
 ところが、弾き始めてほどなく、ふたりでものすごく大喜びしてしまいました。初見なので、最後どんな風になるのかもわからずにふたりでスタートしたのです。
 弾き始めは美しい和音のバラードで、歌詞の最初が「かえってきたよ かえってきたよ」と書いてあります。「ウルトラマン?!」「違うよ、ウルトラマンなら、『かえってきたぞ!』じゃないの?なんて茶化しつつそのまま弾いて行くと、「またこの星で暮らします!」という歌詞がつく展開になっていて「え〜?!やっぱりウルトラマン?!」とMちゃん。
 まあまあまあとなだめつつ、2番に入ると更に楽しく、意外なことに(笑)

あいたかったよ ピアノを弾いて 思いだしてた この地球

と続き、この展開にびっくり。「ピアノなんだ〜!」「そうつながるのね!意外!」とふたりで大うけ。最後は美しくオシャレな和音でロマンチックに終了。なんて不思議面白く、ステキな曲なんでしょう!!!
 ふたりともこの曲の意外性と妙に美しいところがとっても気に入ってしまい、何度も何度も歌っては弾き・・・「これは絶対に大傑作!」と大喜び(笑)小2とおばちゃんの双方をうならせた意外性抜群のこの曲に乾杯!!という話でした。
 とうとう彼女、この歌を歌いつつ帰って行きました。よほどのインパクトだったのでしょう。こういうことがあるから、新しい楽譜と取り組むって楽しいです。
PS:最近なんだか、星だの地球だの、宇宙だのに縁があります。大好きな玉置浩二さんが今月末に久しぶりにリリースする新曲は「惑星」と言います。おお、ここにも偶然が!!とうれしくなりました(笑)早く聞きたくてたまりません。