ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 意外なことに…

かれこれ40年以上もピアノを弾いていて、先生もやっていますが、いまだに苦手なテクニックはたくさんあって、その中のひとつにアルペジオがあります。
初級中級程度の曲ならともかく、ちょっとこみいったものになると、どう弾いても納得の演奏ができなくて(あえてものすご〜く卑近な例で言うと、リストの愛の夢の中間部の左手とかね、どうも座りがよろしくないのです、笑)もうこの年になったらそれも仕方ないのかな〜!?なんて思っていたら…
最近になって「もしやちょっとだけ克服したかも?!」という感じがしています。
恥をしのんでこの話を日記に書くのは(笑)もしかしたら趣味でピアノをやっている方がいらして、「もうこれ以上はムリ〜」と壁にぶち当っている人がいるかもしれないので、参考になるかもしれないと思ったからなのですが。
あのね。すごくむずかしい練習曲集をやったとか、血のにじむような努力をした…とかではなくて、ある初級用の教本2冊を毎日弾いていただけ。
その教本はというとハノンとツェルニーの30番です。
ご存じの方はご存じかと思いますが、これらのふたつは初級から中級への変わり目の定番中の定番です。
趣味でやっている子たちでも、小学校後半とか、中学生くらいから始める子もいるくらいの曲集です。
わたしは練習嫌いにもほどがあるくらいの子だったので、これらの教本を決して早いとは言えない時期に紐解いたものの、ソナチネやバッハと比べるとぜんぜんおもしろくないし達成感もないし、いつも「まったくどうしてこの本は練習して来ないの!!」「全然うまくなってないじゃないの!!」「あなたやる気あるの!?」と叱られてばかりでした(笑)
そんな教材をなぜ今取りだしたかと言うと、「大切なんだな〜」ということをやっとこの年になって認識したからです。お〜そ〜い〜!!(笑)
昨年の夏、冷えから関節がものすご〜く痛くなってしまった時、「引退」とか「廃業」とか言う言葉がちらちらしたのですが(笑)その時に「待てよ!」と思ったのです。
趣味でピアノをやっている中高年の方々には、そういうトラブルを抱えつつ、でもピアノを楽しみたいという方がいっぱいいるはずじゃないかな?と思ったのです。
脳トレの一環として楽しみながらピアノを弾いている方もいるそうですし、楽器は別に完ぺきに弾けないから楽しめない…という楽器ではないはずなのですよね。
そこで、何か毎日そんなに負担にならずにヨガやエアロビ、ひいてはラジオ体操のように、エクササイズ的に機械的に取り組める教材はないかな?と思って引っ張り出してきた教材がこのふたつです。
もちろん小学生や中学生でこれらに取り組んでいる子たちもたくさんいるから、これらの教本をわたしがもっと好きになって損なことはひとつもないはず…と思ったわけです。
そして弾き始めたら、やっぱりアルペジオがへたくそだということが判明して(笑)15番のアルペジオ教材を、な〜んにも考えず腹筋でもやってるつもりで毎日5回ずつ2か月弾いていただけ(笑)
他の曲は毎日日替わりで無作為にパラパラと弾いて、15番だけを固定にしただけです。
それで2か月経ったある日、妙に指の動きがなめらかで、突然上手になっていることに気がついたというわけです(笑)
一方のハノンの方は、ひたすら毎日音階練習。ハ長調から始まってニ短調変ロ長調ト短調ホ短調までぐる〜っと楽譜も見ないで1周するだけ。リズムを変えたりスタッカートにしたり、飽きたら変化をつけるくらいでひたすら同じことの繰り返しです。
今回アルペジオでちょっと気を良くしたので、音階の後に余裕があったらハノンのアルペジオのページも追加してみることにしています。
これらを全部やってもまあ30分くらい。忙しい日や体調がイマイチの日は気にせずぬかしちゃっても全然OKなくらいの気持ちで…
コウイチさんの毎日の筋トレも多分こんな感じかな?な〜んて都合よく「お揃い気分」な想像(妄想)をしながら頭をからっぽにしてひたすら指を動かしています。
何よりも40年以上もやってまだまだ新しい発見がある…というのがおもしろいなぁと思ったので日記に書いておきます。
ちなみに月曜日は、これらのエクササイズをやっている途中に友達から「雪だよ!」と画像付きメールがきて、「こっちはまだ雨!」と返したものの、どうしても弾きたくなって「SNOW!SNOW!SNOW!」の楽譜を引っ張り出して、調子に乗って弾きまくっていたのです。
その後満足して仕事部屋から出てきたら、まあ降りしきる一面の雪雪雪……
「もしかして雪を呼んじゃった?!雪乞い!?」と驚愕しました(んなわけない、笑)