ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 トリノ五輪

 朝にもダイジェストをちらっと見たのですが、夕食後アネとオトートを誘ってじっくりと開会式の映像を見ました。最初は「え〜?!いいよ〜パソコンしたい」「ゲームの続きが」とか言っていた子供たちですが、こういうものはちゃんと子供たちにも見せた方がいいような気がして、最初はちょっと強引に誘いました。世界にはこんなにたくさんの国があるんだとか、お金持ちの国もあれば、貧しい国もあること。紛争の中、やっと出場にこぎつけた国もあること。選手がたったひとりの国もあること。たくさんのボランティアの手により支えられていること。etc.etc・・・いろんなことを肌で感じてほしかったのです。最初は文句たらたらだった彼らも、見始めたら結構いろいろなところに食いつきつつ、最後までみんなで見ました。
 子供たちが一番喜んでいたのは、フェラーリが出てきたところ、聖火の点火シーン、とにかく大勢出てきたボランティアの市民たちのマスゲームなどで、わたしが息を飲んだのは、パヴァロッティが歌ったシーンでした。
 今日歌われたプッチーニの「誰も寝てはならぬ」(歌劇トゥーランドットより)は、大好きな曲なのです。そういえば、イタリアですから、オペラ界の大スターの登場は当然と言えばそうなのだわ・・・と見終わって初めて思い至りました。3大テノールのひとりで、実力人気とも兼ね備えた往年の大スターですが、相変わらず素晴らしい声で、また彼らしいお茶目なところも健在のようでうれしかったです。わたしはどちらかと言うと、ドイツリードよりもイタリアの歌曲の方が好みです。(もちろん曲にもよりますが)おおらかで感情表現が豊かな感じがして、聞いていて気持ちよく感じるし、受験の時に習っていた声楽の先生がイタリア歌曲がとてもお好きで、上手な方だったことにも関係があるのかもしれません。
 ともあれ、平和への思いとか、国々の事情だとか、日本がいっぱいメダルを取れるといいなとか、いろいろめまぐるしく心が動いていたわたしが、歌い始めた途端に、一気に純粋に音楽だけに引き寄せられました。そんなところにも彼の実力を見た気がしてなんだかうれしかったです。彼がとても大きく大きく見えました。
 案の定、放送を見終わってからもなんだか声楽曲が聞き足りない気持ちになり、何年も前に父にもらったビデオをさがしてあちこちひっくり返したりしました(結局見つけられませんでしたが・・・・沈!)