ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

[ドラマ]久しぶりにドラマ考

1.「あいのうた」
 回を重ねるごとにチビ「あいちゃん」があこがれてやまなかったでも叶わなかった、ささやかだけれど切実な夢が次々実現して、そのたび心があったかくなります。公園に行く、家族パーティーをする、温泉に行く・・いろいろなシーンに友人同僚諸氏も必ず加わっているのがいいです。多分パパが亡くなってしまってもきっと片岡家のこの子たちは大丈夫・・とさびしくも安心しつつ見ています。あいちゃんこと洋子さんのひねくれっぷりも、すでにメンバーの中では名物化していて、片岡家に集まるみんなが、それぞれの欠点をも抱きしめつつ認め合っているのがいいなあと思います。岸田今日子さんの先生とか、行きつけのお店の皆さんとか、細部にまで血が通っている気がして、そんなところもとても好きです。
 実は昨晩のはまだ見ていません。ゆっくりと一人で見たいです。
2.野ブタをプロデュース
 心の琴線に触れてくる感じがして、毎回考えながら見ています。舞台は高校なのですが、学園ドラマとしてというより、なんだかそれぞれの家族の人生まで巻き込むような作りが気に入っています。同じ脚本家さんの「すいか」の時もそうだったのですが、このドラマもそう。木皿さんの脚本は、「ぼのぼの風味」?(わかる方いらっしゃるかしら?)とでも言うような、不思議な共通する匂いがあります。「ぼのぼの」は「いがらしみきお」さんのアニメで、動物の村のできごとをかわいらしく淡々と描いているようで、気がつけば画面のこちらで「人生」まで考えさせられてしまうお話なのですが、それと似ている気がするのです。「人生とはかくあるべき」なんてのが前面に出ているとひねくれものなので目をそらしてしまったりするのですが、こんなふうにさりげなく「どう?」と投げられるとなるほどそうかも、それもいいんじゃない?と思わず感じ入ってしまいます。豆腐屋のおじさん、修二と彰それぞれの父の言葉、先生方、生徒たちのぽつんと投げたひとこと。いろいろなところに引っかかっては、ドラマとは関係ない何気ない日常の中でふと考えてしまいます。それでいて、誰もがなんとなく愛すべき存在で、後味がとてもいいドラマです。好きです・・本当に。
3.恋の時間
 このドラマは気楽に見始めたくせに、気がつけば案外どっぷりはまっています。日曜日の9時は必ず家にいるし、アイロン掛けをしながら見るのにちょうどいい感じです。大塚寧々さんの「香里」にずっと感情移入して見ていましたが、先週あたりからどんどんハラハラする展開になってきて、ちょっと苦しいです。それに対して最初は余りに仕事以外がだらしなくてなんだかな〜だった黒木さんの「雪枝」のあたふた加減がかわいく思えてきました。痴漢に間違えられて悲惨だった宮迫氏演じる彼も、きれい好きでお人よし、気がつけば案外いいヒトじゃない?!というムードになってきて、こちらの恋の行方も気になります。
 大森南朋氏の演じている「耕平」を見ていると、ミュージシャン役だからかもしれませんが、ついついずいぶん前のドラマ「WITH LOVE」の竹野内くんが演じた天(たかしって読むんだったかなあ?竹マニアのタマさん、あってます?!)を思い出します。彼らに共通するイメージは、寡黙でカッコいい、不器用そうな・・・これは一般的にみたミュージシャンのイメージなのでしょうかね?(わたしの知っている、音楽関係のお仕事の男性たちは、なぜかこぞっておしゃべり男が多いですが、笑)イメージが重なるのは耕平氏が作曲した曲と天の作曲した曲の曲調が似ている気がするからかも。ハートカクテルっぽい感じの温かい長調の癒し系のメロディーです。自作の曲調と弾き手の人間性がリンクするって思うのは所詮勘違い。そんなんでうっかり恋におちると火傷するぞ〜?!・・な〜んて心の隅っこで実は思っている自分がイヤらしいです(笑)実際にこのふたつのドラマのストーリーには全然共通点はないのですが、なんだか過去のドラマにまで思いを馳せつつ見ています。
 いずれにせよ、あまり恋から離れたところに気を散らさず見たいなあと思うのですが、わがままでしょうかね?!夫はともかくとして、意地悪なお姑さんとの確執やら実のお母さんの認知症のエピソードの比重が増えてしまうと、「恋なんかしている場合じゃない!」と一気に現実に引き戻されてしまってちょっと厳しいです・・・・あくまでも夢の中のような出来事でいいんだけど・・・わたしはね(笑)
4.「大奥」
 この番組を見ていると、わたしって案外女優内山理名ちゃんが好きかも・・と思います。濃い濃いメンバーの中で不思議なしっかりとした存在感があります。いつも言っているように、ああ言う「ドロドロした雰囲気のドラマ」は苦手なはずだったのですが、なんだかものすごくはまってしまっています。案外大奥の世界にほうりこまれたら、それなり溶け込んでしまいそうな自分を想像しておかしくなったりします。正室とか側室とか、そういう役回りは絶対に無理だし、器じゃない感じがするので、誰か気のいい側室さんのお世話係りとかがいいな。自分のお姫様をさりげなく盛り立てつつ、賢く危険から守るなんて役どころでなら大奥に入ってみたいかも(笑)
 高岡早紀さんの右衛門左は何事も大騒ぎせず、でも隅々まで目に入っていて怖いながらも気になる存在です。側室とか正室とかそういう争いからも一線を画していて、でも案外影では実力者という立場、結構おいしいなあと思います。(やっぱり怖いけど)ただ、多くの妬みや権力争いにも巻き込まれて伸るか反るかの大勝負を日常的にやっていなくてはいけなそうなので、やっぱりわたしが参戦するなら、下の方のお付の方か、大奥版スリーアミーゴスの立場がいいかも(笑)心配しなくても、わたしがタイムスリップして大奥に放り込まれるなんてことは、ありえないって?(よけいなお世話だ!、妄想の自由って奴ですよ!)
5.花より男子
 これこそ気楽に見られて罪がないので、何も考えずにあはあは笑いつつ見ています。視聴率からすると、こちらの方が一枚上のようですが、実を言うとわたしは「野ブタ」の方がより好きかも。最近は視聴者は考えるものよりも、気楽でわかりやすいものが好きらしいという報告をどこかのサイトの評論家の方がおっしゃっていましたが、確かにそういう傾向にあるのかも。このドラマはとてもわかりやすいですもん。いずれにしても視聴率至上主義は今どきありえないと思いますが、自分が好きなものが最高のドラマでいいんじゃないかと思っています。
 とはいえ、「花より男子」がイマイチだと思っているわけではありません。道明寺くんのあの天然で愛すべきおバカさんっぷりには十分母性本能をくすぐられていますし、うちの生徒さんじゃないけど、松潤かわいい!とうなったりしています。
 しかしそれよりなにより、つくしちゃんが本当にかわいいです。結局のところきちっと一本筋が通っていて、権力にも暴力にも屈せず、それでいて庶民の心もちゃんと持っているつくしちゃんの魅力、それを演じる真央ちゃんの素敵さで番組が引っ張られているように感じています。
 実は今クールのドラマは、あまり期待していなかったのですが、なかなかどうして中盤を過ぎても熱が冷めずにいっぱい見ているし、先へ先へと気持ちをはやらせながら楽しんでいます。「危険なアネキ」は、まだ10月分を見終わったところですが、これもそろそろ追いつきたいし、今のところ「これや〜めた!」という気配はどれにもありません。
 今年になってからのドラマの傾向として、「きっとこれはおもしろいに違いない」という勘が、ふたを開けてみると全くはずれていることが多いです。うれしい誤算が多いのは大歓迎です。