ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 待ってました!

Listen To The Music 2

Listen To The Music 2

 昨日は実家に行ったのですが、当然電車で行くつもりでいたのに(電車なら1時間で行けるので)、ぎりぎりになって車にしたのは、発売日に買ったこのアルバムをじっくり聞く時間がほしかったから。バロンを助手席に、マッキーと往復4時間弱のドライブをしました(笑)お陰で午後のレッスンにぎりぎりになり、ちょっと厳しかったのですが、そんなことはどうでもいいくらい、よかったです。やっぱり音楽っていいな。
 聞いた感想はというと、いっぺんには語りきれないのでさわりだけ。最も期待していたのはオフコースの「言葉にできない」で、なんとなく彼の声にあっているはずと思っていたから。聞いてみたら、やっぱりドンピシャという感じでした。わたしは、この曲が世に出た頃、オンタイムでオフコースのかなり濃いファンだったので、誰かがこの曲をカヴァーするとなれば、ものすごくがっかりする可能性も大なのですが、とんでもない。全く違和感がないことに、まずびっくりしました。「言葉にできない」の思い出についてまで言及しはじめると、それだけで日記が埋まってしまうので、別エントリーにしようと思っていますが、とても巧く歌っていました。
 アルバムの中のどの曲も気に入ったのですが、意外にもその「言葉にできない」から「ヨイトマケの歌」「ファイト!」の流れにつかまってしまい、この3曲を帰り道では1時間くらい、ずっとリピートしてしまいました。理屈じゃなくて、ハートを直撃された感じ。陳腐ですけど、心を打たれてしまったのです。これには自分でびっくり。日頃わたしはこういう種類の歌はどちらかと言えばあまり得意ではないし、槙原敬之氏のうたう歌のイメージと言えば、どちらかというとスマートな印象だったのです。なので、この方のアルバムを聞いて、これらの曲たちがこんなに心の中に分け入ってくるとは思っていなかったのです。
 だからと言って、泥臭くはありません。そこが彼らしさで、とても好ましいのです。一見さらりと冷静に歌いつつ、サビに向けてものすごく上手に声や気持ちを高めていっている感じがするのです。10回くらい、ただただ気持ちが動くままに打たれつつ聞いた後には、「歌いかた」をじっくり分析してみたい気持ちになりました。この「歌いかた」っていうのは、音楽の先生がよく口にする「もっと歌って!カンタービレ!」という類の「歌いかた」です。とっても巧いです。
 「ファイト!」は中島みゆきさんのあの「ファイト!」で、彼女が歌っているアルバムは持っていましたが、彼女の作品の中ではオンタイムでは決して好きな曲ではありませんでした。ところがこの曲を見直したのは、ここで触れた福山くんのカヴァーアルバムにて。その後で中島みゆきさんのオリジナルバージョンを聞いたら、感想が変わりました。(これもまた別の意味でマジック!)期せずして、今年になってからわたしは2種類のバージョン違いのこの歌を聴くことができました。こういう聞き比べをするのは大好きなので、とても楽しかったです。福山バージョンが大好きだったわたしですが、マッキー版も本当にいいです。オリジナルも入れて、三者三様の「ファイト!」素直にどれもステキです。福山版は、男らしい歌声でぐいぐい引っ張ってゆく感じ、女性への力強い応援歌のようで好きでしたが、槙原版は、最初ピアニッシモでささやくように自信なさげに始まって、ちょっとずつ、ちょっとずつコントロールしながらクレッシェンドしていて素晴らしいです。ラスト近くのフォルテッシモが生きています。こんな風に聞き手の心を自在に操る声が素晴らしいです。かといって作りこんだ感じはしなくて、あくまでも真摯でまっすぐな感じに胸に迫ってくる表現力に脱帽。
 とりあえず、今のところの一番を挙げてみましたが、他の曲もみんないいです。「Smile」や「Your Song」「TIME AFTER TIME」なんかは元々すごく好きな曲だし、めざましTVでさわりだけ聞いた「Traveling」は期待どおりだったし、聞き込むにつれ感想も変わりそうです。