ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

タイミングよくほめるってむづかしい

レッスンの手順として、生徒が一曲聴弾き終わって何かをコメントするわけですが「あそこが間違ってた。」とか「そこはフォルテのはずなのにちっちゃくて変だった。」とかまず最初にいけないところを指摘すると、そんなに自分は下手くそだったのかとがっかりしてしまうらしいです。自分でもそんな風にいけないところばかり指摘する先生にはたくさん出会っているので、いきなり「いけないところ」を先制攻撃のように指摘されるのはいやだろうということは容易に想像できます。なので、必ずよかったところから言うようにはしているのですが、この間学校の先生をしている友人と話す機会があって、いくら最初にほめてあげても締めの言葉がネガティブだとやっぱり子供たちはほめられたとは思わず、「締めの『注意』されたことしか心に残らないんだってよ。」という話を聞きました。本人たちはその場合「ほめられた」とは絶対に思わないんですって。最後のしかられたことだけが心に残るらしいです。むずかしいものだなあと思いつつ、最近のレッスンでは最初と締めの言葉は必ずポジティブに言うようにと気をつけています。たとえば、「子守唄らしく、とってもデリケートに弾けてたね。よかったよ。もう少し、テヌートは伸ばしてもよかったかも。フォルテといっても子守唄だからほどほどにね。それにしても、指の形はきれいになったよ。」という風に言うわけなのですが、そうするとどうしても言葉の数ばかりが増えてしまって退屈なレッスンになるのではないかと不安になります。最小限の教育心理学は学びましたが、人の心ってなんてむずかしいのでしょう。
ところで今日は「うぜーよちゃん」のレッスン日で、彼女はただ今「子犬のマーチ」に夢中です。「ミドミドミソソ、ファレレ、ミドド」というお馴染みのあれですが、この曲をどうしても通して弾きたい彼女はサビの部分「ファーラーソーミー」のところで指をずらすのがうまくできなくてイライラしていて、わたしが何を言ってもちっとも聞こえません。あまりに激昂しているので、「ちょっと『はぁ〜っ』て大きく息をしてごらん」と深呼吸を促しましたら「せんせい、あたしのこと、あつかいづらいおんなだっておもってるんだ〜」と上目使いで言うので大笑い。恐るべし5歳児にしていっぱしに女をしょってるうぜーよちゃん。(相手が違う気がしますが)次のレッスンを待っていてその場にいたうぜーよちゃんの中1のおねえちゃんが、彼女の帰った後に教えてくれました。「どうせ扱いずらい女なんでしょ」っていうのはママの口癖だそうです。パパと喧嘩すると必ず出るせりふだそうです。お母様〜!娘たちにばらされてますよ(笑)