ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

主婦の旅ぐらし (角川文庫)

久しぶりに読みました。3作目です。
「主婦でスミマセン」と「主婦は踊る」と比べるとわたしは断然今回の「主婦の旅ぐらし」が好きです。本のレビューなんかもたくさん載っていて、案外同じ本を読んでいることに気づいてほくそえんでしまったり、その感想も彼女らしいとても個性的な切り口で一気読みしてしまいました。
個人的に特にツボだったところを挙げると、「だんなのみやげ」の章とか「図書館で読んだSF」の章とか、アーケード愛好家話とかかな?
吉祥寺のアーケード「サンロード」はわたしも良く行った場所で、阿佐ヶ谷や中野のアーケードも何故か高校時代からよく通っていました。
アーケードというと、わたしの中での原点は幼い頃に住んでいた山口県のY市の「銀天街」というアーケードでこれは今ではないらしいのだけれど、幼稚園時代には「あこがれの場所」だったはずのそこが、少し大きくなってみると魔法が解けたように全然違う色に見えて、せつなかった思い出があります。彼女の文章を読んでいると爆笑しつつも哀愁ただよったり、「そこまで言うか?」と思いつつも実は深くうなずいてしまったり、私の中でいろいろな気持ちが複雑に混ざり合う感じが心地よいのです。