ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

  • エピソード1

「わたしってからだも心もあばれんぼうなの」(小4少女、哀愁漂う顔で)

これは昨日来た(ピアノの生徒)Sちゃんの言葉です。
 彼女は日頃からとても元気が良くて、そこがたまたま今はおとなしい子が多いピアノの生徒達の中ではとても新鮮で、言うこともやることも大胆不敵だし、頭の回転が抜群に速くて面白い子なので、わたしは彼女が来る日が本当に楽しみなのです。
 何を言っても素直にハイハイというタイプではないけれど、きっとみんな感じているであろう「ここが変だよ!」を遠慮なくはっきりと伝えてくれるし(ex「何で同じ音が続くのにいちいち違う指で弾かなきゃなんないの?!せんせ〜」とかね)聞いてくれれば、何でかをきちんと説明できる絶好の機会を得るわけだし、彼女が思っていることは口には出さなくてもほかの子もきっと思っているに違いないので、生徒の気持ちリサーチにもなるのです。
 ところで、昨日のレッスンではレガートで軽やかに弾きたい曲なのに、力がありあまっていて、手首も指先もひじまでも、あまりにブンブンと振り上げながら重たく弾くので、反射的に楽譜に「あばれんぼうにならないで!」と書きました。そうしたら冒頭のような発言になったわけです。
 その言葉の意外性と、弾いている曲があまりにもミスマッチだったので、悪いけれどお腹がよじれるほど笑ってしまって・・・・ごめんね、Sちゃん。
 よく聞けば他にも習っているバレー(踊る方の)でも力が有り余っていて「Sちゃんたらあばれんぼうねえ」と言われ、学校でも男子とすぐに喧嘩になって、手を出されれば必ずやり返してしまうので「何てあばれんぼうなの」と言われたことがあるそうなのです。わたしったらとっても彼女にとっては思い出したくもない言葉を、デカデカと楽譜の横に書いてしまったわけです。このままではこれから一週間、この文字を見るたびにイヤなことを思い出してしまうでしょう。
 こりゃあぜったいまずいと瞬時に気がついたので、白ペンキできれいに消して「今、Sちゃんは深い海の中で気持ち良さそうに漂っているクリオネです。体がとっても軽やかなので、自由自在にひらひら気持ちよく動けるのよ」と言い直して、「さあ、そんな風に弾いてみよう」と誘いました。これが案外良いイメージとなって指も暴れず、素早くなめらかにいいカンジに弾けました。何でクリオネなんだというつっこみはナシで・・・・もちろん口からでまかせですが、そんな感じだったのです。「ネガティブな注意は百害あって一利なし」という基本的なことをついつい忘れてしまったダメダメな出来事でした。Sちゃんには、悪いことをしました・・・・ごめんね。
 それにしても「からだもこころもあばれんぼうなの」て・・・・
小4のせりふとは思えない。ごめん、彼女が帰った後、やっぱりまた笑ってしまいました。

  • エピソード2

CDを聞きながらのレッスンにて。面白い曲がたくさん入ったCDです。いつも一緒に歌ったり踊ったりしている曲なので大喜びで聞いていたDくん、「これ歌ってるの先生?先生、CD作ったの?」ってそんなはずはないのですが、あまりにも真顔で聞くので思わず「そうなの」とワルノリしちゃおうかと思いました。
 わたしのレッスンは必ず歌ったりソルフェージュをしたりするので、考えたら思っているよりずっと、彼はわたしの歌声を聞いているわけで、もちろんカラオケ屋で歌うのとは違うのだから、癖のない声で基本に忠実に聞こえるように歌うのですが、お母様によくよく聞いてみると「歌のおねえさんっぽい歌い方の声を聞くと「これ先生(わたし)の声?」って4歳の頃から、未だに良く言うんですよ。(今の彼は2年生)」とのこと・・・・・超がつくほどへたっぴの声なのに(歌ははっきり苦手です)よい方に勘違いしてくれてありがとう。急に彼の前で歌うのが恥ずかしくなりました。(笑)

  • エピソード3

午前中に電話がなって「ピアノの先生でいらっしゃいますね。ちょっとお聞きしたいことが・・・・」と、お話が始まりました。どこかで聞いた声のような気がしてそれが気になりつつかなり長くしゃべっていて、途中で突然相手が「ダメだ〜!」というのでびっくりしたら、何としょっちゅう顔をあわせているご近所の男の子のママでした。「何で、名乗らないのよ〜?」と聞くと、「先入観を持たれて断りたいのに断れなくなったら悪いと思って、最後まで名乗らずに話そうかと思ったのよね」ですって・・・・なんじゃそりゃ!変な気の回し方をしなくてもいいのに。結局土曜にお試しレッスンに来ることになりました。19人目の生徒になるかどうか?・・・彼を計算に入れると今年度5名増になります。大丈夫なんだろうか?わたし。パソコンとの両立やこれから巡ってくる「振替」だらけになるであろう夏休みを考えると、実はちょっと不安、でも働くぞ〜、ライブももう一回分追加したいし、もちろん家計のためにもね。