ここのところ、火曜日から木曜日がとんでもなく忙しくなっています。
昨日は5人。大きい子も多いし、全然手がかからなくて、ピアノの先生としてはとても楽な部類の生徒たちなのですが、ひとつ大問題があって・・・
水曜日の子たちは、レッスンが終わっても、どの子もなかなか帰らない(笑)
揃いも揃って次の子が来るまでガンとして動こうとしないのです。
あんまりスケジュールがギューギューになるのはイヤなので、余裕を持たせて、次の子との間を最低10分から15分は取るようにしているのですが、この合間が結構主婦にとっては貴重で。
たとえば洗濯ものを取り込むとか、たたむとか。
味噌汁くらいなら作れるな!とか。
普段はいろいろ計算しているのですが、水曜日はまず何もできないと考えた方がよくて。
始まりは少し遅めで16時半ですが、最後の生徒が20時過ぎに帰るまで(ほんとは19時45分には終わってるはず!)どうかするとトイレにも行けないくらい、まったく隙間がなくなってしまいます。
小4には小4の話したいことがあるし、小6には小6の。中2には中2の話があって。
小4の子たちはまさしくギャングエイジ真っ盛り。徒党を組んで遊ぶので、誰が来ないだの、誰と誰がクラスが離れちゃっただの、話したいことは山ほどあるらしく。
昨日なんて、送りに出たまま外でしゃべってたら、火曜にレッスンを終えた同級生の双子たちまで合流して、メダカトークから新しい音楽の先生が頼りない・・・と口々に言う!言う!(笑)
小6の3人衆は、どの子もピアノは群を抜いて上手いけど、反抗期も手伝って、仲良しのくせに猛烈にけん制し合っていて。
このところ、お互いに対する内緒の愚痴がそれぞれあって。
すごい努力家で、双子のおねえちゃんで、常に多方向に気を遣ってるちーちゃんは、天才肌でたいして努力せずともいつも一番を持って行ってしまうみさきちゃんにいつも怒ってる(笑)
何があっても我関せず。男の子みたいにさっぱりしているモカちゃんは誰からもとても人気があって。
2人それぞれから自分の方へ引っ張ろうとされているけど、まったくマイペースで頓着せず。
自分の方へ引っ張ろうとするふたりをこっそり「ウザっ!!」と思ってる(笑)
先日は、普段はかなり成績がよいそうなのに、珍しくとんでもない点数の算数のテストがレッスンノートの間から出て来て、わたしはぎょっとしたけど本人はまったく構わずで、にっこり。
「あのね~ここ見てみて!どうみても割り算なんだけどさ、めんどくさいからぜ~んぶかけ算でやっちゃったんだよね~そしたらこの点数!笑える!」だって。
お母さんは激怒だったそうだけど、本人ちっとも堪えちゃいない(笑)
むしろお母さんがギャーギャー言ってた!と笑ってる。
この子の愚痴の元はいつもお母さん。姉妹のように仲良しだけど、親子喧嘩もとても多くて、なんとか支配下に置きたいお母さんと、時々こういうことをしてへらへらしてる、柳に風のモカちゃん。
実は親子の相性がいいんじゃないの?と思っているわたしです(笑)
3人目のみさきちゃんは、「うさぎとかめ」のたとえを引き合いに出して「うさぎで何が悪い!」「昼寝してたって勝ちゃいいんだよ!」と居直ってるし(笑)
いえいえ。その実、ほんとは小心者の偽悪者で「普通にとってもいいコのくせに!」と、わたしは思ってる(笑)
自分さえよけりゃいい!と豪語してるけど、ほんとは「みんなと」がとっても大事なみさきちゃん。
それぞれ裏表のない、とってもいいコたちなのだけれど、むずかしい時期だよね~という感じ。もちろんそれぞれから聞いてる話は内緒です(笑)
そして中2の子たちは反抗期も終わり、ここ1年ほど急に扱いやすくなってものすご~く平和で楽しいレッスンが繰り広げられていますが、そろそろ進路や要になった部活のことなど、吐き出したいことをいっぱい抱えてやってきて。
そんな話をするのは、レッスンが終わってからだから、本来15分では足りないくらいだけど、そもそもわたしはピアノの先生なわけだから(笑)ほとんど聞いてるだけでおしまいで、生徒の方もアドバイスを求めるというよりは「誰かに話したい!」を満たせば満足みたいなので、ずっとこんな感じです。
おかげさまで、うちの生徒じゃない生徒の友達の名前もほぼ知っていて。たまに紹介されてうちの生徒になると、もうその子についての基礎知識はばっちり!ということもあったりして、おもしろいです。
そして今日は木曜日。
KinKi の…ではなく、うちの教室の「こーちゃん」やその子の弟のせいちゃんからスタートして。
4年生のこゆうちゃん、もう6年生になったモカちゃんときて、最後の締めは、これまた4年生になって、すっかりおねえちゃんになった、ことちゃんです。
多分場面緘黙症なのではないかな?とお母さまも思ってらっしゃるこーちゃんは、相変わらず同じ通学班の子たちに聞いても、まったくしゃべってない模様で。
学校でもとんでもなくおとなしいらしいですが、わたしは何度聞いても信じられない。
話し出すと止まらないし、納得しなきゃテコでも動かないし。
どうしても弾かせたい曲でも興味がなければ決して弾かない…かと思うと別の日にはスイッチが入って止まらない(笑)
うちでは、ペシペシ背中を叩いてきたり、結構わたしにもおうへいな口をきいたりするので、あんまり心配もしてないし、むしろわりと雑に扱っていて(笑)
それは多分、外では腫物みたいに扱われてるんだろうなぁと思っているからで。
逆にいつも「この子はしっかりしてるし、全然大丈夫ですから!」とお母さまに片付けられてる、弟のせいちゃんの方がまだ幼稚園児のわりに、いつも我慢していることが多いように見受けられて。
むしろ細心の注意を払って、感情の動きとか気にしつつ見ているのは、この弟くんの方です。
この家にはまだ下に二人の妹がいるので、抱っこは3歳までと言われてて、泣こうがわめこうが一切抱っこもしてもらえないそうで。
一度、お兄ちゃんにぼろくそに言われて泣いた日に、いつもやっている歌の手遊びを抱っこしたまましてあげたら、控えめに、だけどたいそう喜んで、時々「あの抱っこの手遊びやりたいな♡」と甘えてきて、かわいいです。
2人とも妖怪ウォッチのゲームに夢中で。
以前に一度「その妖怪はどんなの?」とうっかり聞いてしまったがために、ここのところは、毎回ふたりから妖怪の英才教育的レクチャーを受ける羽目になっているわたし(笑)
で、いっぱい教えられても、ちっとも妖怪の名前や特徴を覚えられないのも相変わらず。
こんな風に、何度聞いてもちっともキャラが頭に入って来ず、生徒に毎度怒られてたパターンがあったなぁと思いだしたのがかつて大流行した「とっとこハム太郎」だったのでありました(笑)
あの時も「これは誰でしょうか?」攻撃にさらされて、大変だったなぁ(笑)
ハム太郎現象、再び!!
覚えの悪い先生は、毎週のように「おさらい」をさせられてますが、相変わらずぜ~んぜん覚えてません。毎度二人に怒られてます。
さて。
お兄ちゃんのこーちゃんは、うちに来るようになってすぐ、ピアノが大好きになり。時々スイッチが入ると、わたしの話が聞こえなくなるくらい、入りこんでしまいます。
そうなったら、しばし見守って、おかしな方向に行きそうになった時だけ、修正するくらいの方がうまくいくことが常。
ご機嫌の多少の上下はあるものの、ピアノの本も2冊目、3冊目に入り、とても順調と思っていたら…
数週間前に、とんでもなく袋小路に入り込んで、感情が大爆発する事件がありました。
たまたま、宿題に出した曲が、家では弾けたらしいのに、うちのピアノでわたしの前では、何度弾いてもうまくいかなかったことが原因だったらしいです。
5回目くらいまでは黙って見守っていて。
8回目くらいまではなんやかんや口を出し。
そのうち、癇癪を起して「うるさい!!」と手を払いのけられて…うわぁ、ヤバいかも?と思い始めたものの、そうなっちゃうと止まりません。
15回は弾いたかな?とはいえ、もう本人が自分に怒っているから、まったくうまくいくはずもなく。
突然グランドピアノの下にもぐって、出て来なくなっちゃった!
下の遠くの方で吠える!吠える!
涙声になってるし!!
うわぁ、困ったぞ!
「オレ、もうここから動かない!今日はせんせいのうちに泊まる!」とか言ってるし(笑)(結論がうちに泊まる!なのが妙にかわいいわけですが、笑)
その時点でもう次の子が来る10分前。
「次の子、来ちゃうよ~」と言ったら「いいもん!!」「来たらいい!」「オレは動かないよ!」と妙に強気なこーちゃん。
う~ん、これは困ったぞ!!
とっさに「次は誰だっけ?」と考えるに…そっか3人姉弟の一番上のこゆうちゃんだから、ぐずる小さい子には慣れてるはずだし。
とってもおおらかな子なので、違う子がいるだけで動揺しちゃったり、集中できなくなるタイプでもないし。
万が一こーちゃんががんばっちゃって帰らなかったら・・・
このまんま、彼がピアノの下にいるまんま、こゆうちゃんのレッスンをしてもいいかも?と思い始めたところで、ピンポーン!と宅急便屋さん。
ハンコを押してる間にこーちゃんは、弾かれたように荷物を持って、一言も何も言わず、家に帰ってしまったのでありました(笑)
きっと帰るタイミングを失っちゃってたんだなぁ。
というわけで、生徒同士のニアミスは避けられたわけですが、あそこまで追いつめられる前に止められなかった自分にも、ちゃんと話をせずに帰してしまったことにも、ものすご~く凹んでしまい。
この日のその後生徒が次々来る中で、どんどん後悔の念が襲ってきて。
あとはことちゃんを残すだけという段になるころには、もうぐったり。泣きたい気持ちになっていたのです。
ところがところが。
最後にやってきた、ふわふわのワンピース姿のことちゃんが、満面の笑みで「せんせ~っ♡」と伸びあがり、抱きつきながら入ってきて。
一気にご機嫌が直る現金なわたし(笑)
多分、ここのところ、最も成長著しいのがことちゃんです。
ことちゃんのことは、ふぇるまーたでも何度も書いたけど、最初の頃、こんなに苦労したコはいないかも?というくらい、いろいろいろいろあって。
ピアノに向かうまでが大変!なんてこともあったのも今は昔。
一度心を開いてくれてからは、何をするにも全力投球。
自分からオーディションに立候補して、ピアノの伴奏をしたいと言ったりするまでに成長しました。
残念ながら、ものすごく上手い子がいる学年で、そのオーディションには受からなかったけど、気がついたら、お友達もたくさんできて、誰とでもおしゃべりができるようになったし、今ではまるで凪いだ海のように、いつも安定した中身の濃いレッスンができるようになっています。
そうそう。もう一つ大きな変化があって。
それはパパがことちゃんの送り迎え担当になったこと。パパはピアノ屋さんで働いていて、ついついピアノのことをよく知っているものだから、ことちゃんの家での練習に口を出しては泣かしてしまう…という事態を繰り返していて。
どうなることかと思っていたのですが・・・ことちゃんが上手になるにつれ、ことちゃんもパパとの練習を楽しみにするようになって、今ではことちゃんのピアノ教室担当は、ママからパパになりました。
ご両親がフルタイムで働いているので、ことちゃんは遅くまで学童にいるので、レッスンのスタートが遅く。
真っ暗になってから来るので、帰りもパパがお迎えに来るようになりました。
帰り際に必ず「今日の『こと』はどんな風でした?」と聞くパパ。「こんな風でした!」と話をすると、とても喜んでくださいます。
ことちゃんが1年生の頃は、「パパめ~っ!!少しは黙っててもらえないかしら?」なんてしょっちゅう心の中で悪態をついていたわたしだったのが…
3年後にこんな風にパパといい関係になっているとは想像もできなくて、いつも胃がキリキリしていたのがウソのようです。
やっぱり物事には、一定の時間がかかることもあるんだなぁと勉強しました。
レッスンがなかなかうまくいかない間も、やめる!とは言わずに、お月謝を払い続け、見守ってくださったご両親にも感謝です。
さて。
そのことちゃんがその日、レッスンの終わりに、不意に「こーちゃんはどう?」と聞いてきました。
ことちゃんの友達の一人がこーちゃんと同じ通学班の双子ちゃんの片割れで。
「昔のことちゃんみたいに、学校ではしゃべらない子がいるんだよ!」と聞いたらしいです。
「でも、先生とは最初から普通にしゃべってるんでしょ?」とことちゃん。
「えっ!?なんでわかった?」と聞くと、にっこり笑って「わかるから~」としか教えてくれない(笑)
何がよくってどこがダメなんだか、できることなら「ことちゃん先生」にわたしの方がいっぱい相談したいくらいで。
かなり食い下がったのですが、結局はその秘訣は教えてはもらえませんでした。
ただ謎めいた顔で「大丈夫でしょ!?」と言うばかり(笑)
でも、その確信に満ちた口調になんだか励まされたような気になって。
わたしがこーちゃんに上手に接することができていないにしろ、経験者の「ことちゃん」が大丈夫と言うのならば、大丈夫かも?と根拠のない安心を覚えたりして。
この日はほんとにことちゃんに「ありがとう!」と思いました。
とはいえ、その後も翌週こーちゃんがどんなテンションで来るのかさっぱりわからなくて。
とんでもなく気を揉んだのですが、こーちゃんは弟のレッスンのおしまい頃に、酔っ払いのようなテンションで乱入してくるという荒業に出てくれて(笑)
せいちゃんと共に、「なんだーっ!?このテンションは!!」と、ギャーギャー言っているうちに、わたしとも元通り。
ありがとう!こーちゃん!と思いましたのことよ。
まだまだしばらく、浮き沈みがあったり。
うまくいったかと思うと、次にはまったくうまくいかなかったり。
予断を許さない感じですが、そうは言ってもだんだんに、安定的にレッスンができるようになるといいなぁと思っています。
というわけで、怒涛の木曜日は、3時からスタート。
今日も無事にレッスンが終わりますように。
(最後はいつも神頼み!!笑)