ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 はじまりのドキドキ!

急に新しい生徒を迎えることになって、忙しくしてました。

久々の4歳児。

電話があったのがおとといで、おためしレッスンにきたのがきのうで、来週からもうレッスンに来ることになりました。
りーこちゃんといいます。

ものすご〜くおとなしい女の子で「くっついてきた1歳の妹があばれんぼうなので、りーこはおとなしく感じます。」とおかあさん(笑)
実際、妹は何をやってもおねえちゃん以上に反応してて、時にギャーギャー言い(笑)
でも、りーこちゃんは慣れてるのか集中を途切れさせることもなく。
わたしも平気。
おかあさんもすみませ〜んと言いつつ楽しそうに初レッスンを見てらして。まあまあいい感じのおためしレッスンができたかと。
いつもおためしレッスンの前は期待とちょっとした不安でドキドキするのですが、30分が終わってみれば、いつだってああ楽しかったと思うのですよね。不思議!

この日の主役は4歳児なので。

右手はどっち?
白と黒はわかるかな?
二つと三つの区別はつくかな?

なんてことから始めるのですが、とてもとても小さな声だけど、ひとつずつ考えてしっかりと答えていて、ああちゃんと聞いてくれてる、集中もできてるし、全然大丈夫だなと思いました。

そうは言っても小さなひとことを聞き逃しちゃいそうで、わたしはレッスンのほとんどの時間、右手を耳にま〜るく当てて、彼女の小さな声を拾うことに必死になってましたけどね(笑)

一回だけ、「ぽちといっしょにあそびましょ♪」という曲で一緒にパーでピアノを弾いてもらったら、声を出して「あははは」と笑ってくれて、なんだかそれだけでhappy。

おうちでは結構しゃべるのだそうで、だんだんに仲良しになれたらいいな。

そういえば、ひとつ、大事な大事な儀式を忘れたなぁと帰ってから思い出しました。

小さい子とのお試しレッスンで必ずすること。
それは「ねんねの手遊び」です。

これは音大の時に、音楽リズムの先生に教えていただいた、すっごく大切なちびっこの心を掴む手遊びです。

「ピアノを弾くための準備体操しようね!」と言いながら、おとうさんゆび、おかあさんゆび、おにいさん、おねえさん、あかちゃんと順々にちびっこの指をぎゅっとしながら曲げてあげて、グーを作ります。これが「ねんね」の儀式です。

次に、今度はひとつずつ、あかちゃん指から順番に、わたしがそっと指を持って一本ずつ開いていきます。これは「おはようの儀式」

そして指が全部開いてぱーになったところで、ぐーぱーしたり、ぶらぶらしたり、指の体操をします。
この辺は長年使ってるうちに、かなりアレンジしちゃってるけど。

そして最後に「さぁピアノを弾く準備ができました〜♪今日も楽しくやりましょう!」というとっても単純で一見どうでもいい感じの手遊びですが、これがしばらくは儀式化して、だんだんにリズム遊びを加えたり、指番号を覚えるアレンジを加えたりしているうちに、びっくりするほどちびっことの距離が縮まります。

きのうまでまったくの他人だった人のうちへ行き、小さなピアノの部屋でこれから毎週集うことになるわけですから、ちびっこにとっては、これもひとつの生活の劇的な変化だと思うのです。

そんな中、適度なスキンシップを取りつつ、まずは人として信用してもらえるようにがんばりたいと思います。

それなのに、それなのに。
な〜んで忘れちゃったかなぁ、ねんねの手遊び(笑)
今週金曜日のほんとの初レッスンでは絶対に忘れないように気をつけなくては。

そして例によって「ピアノは住宅事情もあって買えないので、電子ピアノを買おうと思います。機種とかメーカーとかをアドバイスいただけますか?」と言われ、きのうの朝からおおわらわで機種事情を調べてました。

実はわたしは習い始めてすぐにアップライトのピアノを買ってもらったので、電子ピアノを買ったことも使ったこともないのです。
ついでに言えばそのぼろぼろアップライトのまま音大を卒業しちゃったわけで(笑)グランドピアノを買ったのは、事務職をしていたお金を自分で貯めて、結婚してややしばらく、本格的にレッスンをスタートさせたときだったわけですが。

今は圧倒的にピアノよりも電子ピアノを買うおうちのほうが多いです。
住宅事情もあるだろうし、電子ピアノの音色やタッチよりピアノに近づいたということでもあると思うのですが。
もちろんどんなに近づいても電子ピアノは電子ピアノだから、本当はほんもののピアノに触れさせてあげたいと思うけど、そんなことにこだわるよりは、少しでもたくさんの人に鍵盤に馴染んで欲しいと思うのもほんとうで。

となると、電子ピアノのことを知らないというわけにはいかないので、いろいろ一通り勉強してあるのですが、電子ピアノはどんどん機種変していくし、型番も枝番も売れ筋も短いスパンでどんどん変わっていくから厄介です。

そんなこんなで、一昨日は一生懸命に調べて、きのうの朝一番でメールして「この機種なら大丈夫」というのを6機種くらいオススメしました。

ひと月前にレッスンを始めたモカちゃんの大親友のさきちゃんは、ひと月にして、もう、ピアノが楽しくて楽しくてたまらないといった風情です。
驚くほど表情豊かなピアノを弾いてきて、たった8小節で「胸きゅん」な気持ちを堂々と表現してきて、これからが本当に楽しみです。

「わたし、ショパンまで行ったんですよ〜」とか「ベートーベンのソナタが弾けるんです」と豪語している人が、ほんとに人の心を掴む演奏ができるとは限らなくて。

動画サイトなどで検索していると、確かに指はとても速く動くけど、どうしてそんなに無表情?という演奏者に出会うこともあります。
機械的に動くだけなら、断然自動演奏にはかなわないわけですし。

一方でたった8小節でも、ちょっとだけヒントをあげただけで、初歩の教材でも表情たっぷりに、とても胸を打つ演奏をする子もいて。
この子は絶対にうまくなるなぁと確信できるような子もいます。

もちろんちゃんと教えてあげれば、心ない演奏をしていた子がびっくりするほど表情豊かに演奏するようになったりもするわけで。

いろんな子がいるからおもしろいです。

どんなんじゃダメとか思わずに、自由で楽しいレッスンができるといいなぁと思います。

あっ。ひとつ忘れてた。

先日うぜーよ姫が嵐の「ガッツ!」が弾きたいといい、楽譜を探してきてあげました。
嵐だけの曲集を探していたのですが、いいものがなくて、「あったかいんだから」とか「セカオワ」の曲たちとか、「にじいろ」とか、いろんな曲の寄せ集めの中級用の曲集を買ってきました。

これがたいそう喜ばれて、「先生すごい!どうしてわたしが好きなものわかった?これ、やりたいやつばっかり!!」と大興奮のうぜーよ姫でありました。
彼女、軽音部みたいなところに入ってギターを始めるのだそうで。
青春だなぁとまぶしく思ってます。

一方でまだ理系にするか文系にするか迷っているのだそうで。
理系も視野に入れられる時点でものすご〜く尊敬してしまう、理系ダメダメだった先生なのでありました。

こうやって小さいころから見ている子たちの人生を隣で眺めていられるのも先生の特権のひとつだなぁと思います。

先日はここに引っ越してきて初めて教えた生徒が男の子を産んで、赤ちゃんを見に行ってきたところです。
すごくしあわせそうなママと赤ちゃんを見ていたら、しあわせのおすそ分けをもらった気分。

今はあんまり生徒が多くなくて、半分は初心者という状況になってきました。
ちょっと正念場かな?とも思ってますが、種まきの時期。
そういやみんな下に妹や弟がいるので、上手に仲良しになって、彼女たちが長くレッスンに通ってくれるようになれば、下の子たちも続々レッスンに来てくれる可能性もあるわけで(いやらしいってば、笑)

いろいろ心してレッスンしたいと思います。